2023年の投資の鍵はインフレ緩和、中国経済、グリーンインフラ投資。アクサIMレポート

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アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社は1月29日、CIO(最高情報責任者)でコア投資の最高投資責任者であるクリス・イゴ(Chris Iggo)氏によるレポート「2023年の投資展望:幾分の楽観が可能に」の日本語版を発表した。厳しい経済情勢下、23年の市場を下支えするいくつかのテーマとして、インフレのさらなる緩和、中国の経済再開の潜在的影響、さらにグリーン関連の膨大なインフラ投資について解説。23年以降、投資家が楽観できる複数のテーマとして、イゴ氏はディスインフレ(インフレの鎮静化)、安定化および低下する実質債券利回り、中国の経済再開、インフラとグリーン資産への支出増加を挙げる。

このうち、中国経済については、今年、当局がパンデミックによる封鎖から国境を再び開放したことで、投資家は成長と投資リターンの回復を期待する。同社は「中国の経済再開が国内経済と世界経済に与える潜在的な影響は大きい。国境を越えてアジアや欧州など世界各地に広がり、輸出市場および国内のサービス業と消費活動が活性化することで、非常に大きな効果が期待できる。また、中国の経済活動の活発化がエネルギー市場に新たな圧力となり、世界的にインフレ率が低下する範囲を限定する可能性もある」と予測する。

さらに「中国経済の強化からもたらされるインフレの可能性より、中国の需要拡大とサプライチェーンの簡素化といったプラス面の方がより重要」と指摘。ゼロコロナ政策の突然の転換は感染症の流行に拍車をかけたが、収束すれば消費の増加、民間部門の投資拡大、海外貿易と旅行の増加、そして低迷している中国の不動産市場の回復の可能性を背景に、17.7兆ドルの経済が好転すると見込む。

また、昨年11月に開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)に関連して「より持続可能な時代への移行を実現するための、どんな採算性のある資金調達計画にも、投資家が中心的な役割を果たす」という教訓が得られたと評価した。また、12月に開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で、195ヶ国が2030年までに世界の陸と海の少なくとも30%を保護・回復するという合意が発表され、各国が毎年2000億ドルを生物多様性の取り組みに充てることを奨励していることも好要因だ。

さらに広く見れば、ウクライナ危機を契機に、エネルギー安全保障が極めて重要視され、これまで以上にエネルギー供給を確保する対策が講じられており、このため自然エネルギー開発の迅速化が求められている。昨年、米国議会で可決された「インフレ抑制法」は、米国におけるグリーン関連の巨額インフラ投資の可能性を切り開くものだ。同社は、電気自動車、二酸化炭素の回収、水素製造などの分野に対する政府の補助金が「エネルギー移行における米国の投資全体を後押しする。米国株式市場の多くの分野に強力な影響を与えるだろう」と期待する。

「持続可能なビジネス慣行の必要性を推進する流れは今後も続く。持続可能な投資こそが、世界経済の将来の強さを確保する唯一の方法だ。予想どおり23年から24年にかけてインフレが沈静化し、経済活動が改善し始めれば、不安定ながら、より力強い回復の可能性が見込める」としている。

【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

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