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Stewardとは?
「Steward」は、デジタルアートの所有を通じてデジタル世界と物理世界の架け橋を行うプロジェクトです。NFTによってデジタルアートを販売し、その販売収益が物理世界の、特に気候変動に対しての活動に寄付されます。
設立の背景としては気候変動に対して当てられる寄付金の少なさがあります。最新の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、気候変動に対する解決策はすべて存在しており、必要なのは10倍の資金だけとされています。
しかし、気候変動に当てられる寄付金は世界の慈善活動の2%未満となっており、気候は私たちにとって最大の脅威とみなされているにもかかわらず、慈善事業の中で最も資金が少ない領域となっています。「Steward」はまさにこの問題をオンチェーン上のデジタルアートを販売することによって解決することを目指しています。
Stewardの仕組みは?
上述した通り、「Steward」はNFTアートを販売することによってその収益を気候変動に寄付しています。具体的には以下の8つの領域に対して活動するNPOに対してそれぞれ寄付されます。
そして、それぞれの領域に対して活動するNPO法人と提携しており、また以下のアーティストがアートを書いています。
販売されたNFTの収益の中で、一次販売の40%、二次流通の8%が気候変動に対して寄付されます。その他、一次販売の40%がStewardコレクティブ(運営団体)へ、20%がアーティストへ分配されます。また、それぞれのアートは天気や季節等の物理世界の情報をリンクしたダイナミックNFTとなっており、デジタルアートでありながら、現実世界とのリンクを感じることができます。
NFTホルダーはそれ以外にもStewardshipと呼ばれるコミュニティへ参加することができ、将来のコレクションへの優先アクセス、限定イベントへの参加、プロジェクトの方向性への投票、そして何より、気候変動に対して寄付する証明としてのユーティリティが存在します。尚、NFTの発行チェーンはCeloを採用しています。
Stewardの変遷と展望は?
「Steward」は、2023年6月よりスタートしたプロジェクトです。第一弾のNFT販売は2023年8月から100個行われ、およそ1週間で完売しました。その結果、3,875ドルの寄付金が集まりました。今後も継続的にNFTを販売し、最大4,096個を販売しStewardshipコミュニティを大きく拡大する予定です。また、トレジャリー等を設置し、DAO的に運営する構想も掲げているため、単なるアート販売プロジェクトではなく、継続的な寄付を実現し、本気で気候変動の解決に向けて推進していくという目標が見て取れます。
総じて、ブロックチェーンならではのアート要素やユーティリティを組み合わせた面白いプロジェクトだと感じました。まだまだ始まったばかりのプロジェクトなので今後の展開も楽しみです。
mitsui
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