分散型台帳技術”Hedera Hashgragh”を利用したカーボンクレジットのマーケットプレイス「DOVU」とは?

※ このページには広告・PRが含まれています

引用:DOVU

目次

  1. DOVUとは?
    1-1. Hedera Hashgraphを利用
    1-2. DMRVを採用
    1-3. オフセット後に証明NFTを発行
  2. DOVUの変遷と展望は?

DOVUとは?

DOVUは、分散型台帳技術とその他のweb3テクノロジーを活用して自主炭素市場(VCM)を盛り上げることを目的にしたプロジェクトです。

少しややこしい書き方をしましたが、すごく簡単に言えばブロックチェーンを活用したカーボンクレジットのマーケットプレイスです。サプライヤーはカーボンクレジットを生成してcDOVUと呼ばれるトークン化します。それをDOVUのマーケットプレイスで売買することが可能になります。1cDOVU=1トンの炭素削減を証明し、cDOVUの価格はオラクルにて反映されます。

一見すると非常にシンプルですが、あえてややこしい書き方をしたのには理由がありまして、よくあるマーケットプレイスとは少し異なります。DOVUならではの特徴について解説していきます。

Hedera Hashgraphを利用

DOVUでは基盤となるブロックチェーンにHederaを採用しています。あまり聞き馴染みが無いかもしれませんが、Hederaは、Hedera Hashgraphとも呼ばれる分散型台帳技術 (DLT) を提供するプラットフォームです。個人や企業がHedera上にDappsの構築が可能です。

Hederaは、一般的なブロックチェーンと異なり、hashgraphというコンセンサスアルゴリズムを使用しています。 細かい技術的な解説は省きますが、この仕組みによって、分散性と透明性を担保しながら、ブロックやマイニングといったものは存在せず、複数のデータを同時に処理することも可能となります。つまり、スピーディーで低コストで運用可能なDappsを実現できるプラットフォームです。事実、1秒あたりのトランザクション数(TPS)は、ビットコインが3件程度、イーサリアムが12件程度なのに対し、Hederaは10,000件以上となっており文字通り桁違いの速度を誇ります。

この技術は非常に注目を集めており、GoogleやIBM等も運営方針を定めるHedera評議会に名を連ねています。

冒頭の説明文で、「分散型台帳技術とその他のweb3テクノロジーを活用して」と書いたのは、DOVUが他のReFiプロジェクトと異なり、Hedera(分散型台帳技術)を利用していることを示した説明となります。この仕組みによって、大幅な手数料の削減を実現します。また、継続的なカーボンクレジットの監査(MRV)においても効果を発揮し、動きがあるたびに全てがタイムスタンプとして計測されていくため、透明性の高いカーボンクレジットの取り扱いが可能となります。

以下、実際のDOVUのマーケットプレイスより画像を引用して解説します。

①トップ画面

販売中のプロジェクトが一覧で表示されています。

②プロジェクト概要画面

各プロジェクトの概要(場所や想い、価格や検証レポートなど)が閲覧できます。

そして、このプロジェクト概要画面のタブの一番右にある「ABOUT TRAIL」をクリックするとトランザクションの情報が閲覧でき、その中のトークン発行履歴を開くと、これまでのタイムスタンプが全て閲覧できます。これらはHederaを利用しているため、全てが分散型台帳に刻まれており、改竄できません。

この仕組みによって、より安心して信頼性の高いカーボンクレジットの購入ができます。

DMRVを採用

カーボンクレジットの創出にはそのクレジットを発行するプロジェクトがきちんと活動しているか、適切な量のCO2削減ができているのかを検証し続ける必要があります。その仕組みを「Monitoring(監視)、 Reporting(報告)、Verification(検証)」の頭文字を取りMRVと呼びます。MRVは、気候変動対策や持続可能な開発の分野で使われる用語で、特に国や企業が炭素排出削減や持続可能な開発に関連する取り組みの効果や結果を正確に評価、報告、確認するためのフレームワークやシステムを指します。

例えば、「Agreena」では衛星を利用したMRVシステムを活用しています。

衛星データによるリモートセンシングで再生農業をサポートする「Agreena」とは?

DOVUでは分散型MRV(DMRV)を採用しています。これはパートナーとなっているMRVシステムのどれでも利用できるという仕組みです。サプライヤーは希望するMRVを利用でき、バイヤーも連携するMRVを利用して検証することも可能です。どのMRVにも依存せずに選択できることから、DMRVと名付けています。

オフセット後に証明NFTを発行

購入したトークン化したカーボンクレジットをオフセットのために利用する「Retirement Protocol」も存在します。トークンをバーンすることでオフセットが実行でき、選択したトークンはなくなりますが、そのトークンをオフセットした証明となるNFTが自動で作成されて付与されます。この証明書はオープンで閲覧できるのでオフセット証明書として第三者向けに証明できます。

DOVUの変遷と展望は?

DOVUは2021年からスタートしたプロジェクトであり、2021年12月にマーケットプレイスをオープンしました。以降、1年半ほどの期間を経て拡大を続けています。2023年3月にはガバナンストークンとなるDOVトークンを発行し、徐々に分散化への移行も進んでいます。また、Hederaの運営元でもあるHBAR財団のサステナブルインパクト基金から助成金の獲得もしています。今後3年間で、DOVUはHedera上で5億件以上のトランザクションを推進すると推定されています。

DOVUはHP上で「web3 が地球の気候変動への対応の一部である必要があると信じています」とコメントしており、今後拡大していくであろうVCM市場のプロトコルとして、VCMの基盤となることを目指していることがわかります。筆者の所感も入りますが、これまでリサーチしてきたプロジェクトよりもプロトコルに近く、DOVUにVCM市場のカーボンクレジットが集結していくアグリゲーター的な場所にもなっていくことを目指しているように思います。

また、HBAR財団のサステナブルインパクト基金から助成金を獲得したと書きましたが、実はこれはサステナブルインパクト基金からの初の案件となります。よって、Hederaとして今後注力していきたい領域における1つ目のユースケースとなり、Hederaからの強力なバックアップも想像できます。そう考えると、ReFiプロジェクトの構築は”どのようなプロトコルを設計するのか”というプロダクト自体の提供価値はもちろん大切ですが、”どのチェーンで構築するか”も非常に重要であることがわかります。

これからの世界のメガトレンドの1つでもある脱炭素の流れは、ブロックチェーン領域にも確実に訪れます。PoWからPoSへの移行や、カーボンニュートラルなブロックチェーンの出現など、各プロトコルもトランザクションで出したCO2を自らオフセットする傾向が見られます。この流れが加速すると、各チェーン毎に自らのエコシステム内にあるカーボンオフセットを実現するプロトコルを支援して積極的に利用していく流れが一般的になってくると予想できます。

DOVU自体の特徴もユニークでしたが、その戦略に対しても勉強となるプロジェクトでした。