電縁とChaintopeのトレーサビリティPF「Rensa」とは?食品産地偽装対策にブロックチェーンを活用

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今回は、電縁とChaintopeのトレーサビリティPF「Rensa」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 電縁(デンエン)とは
    1-1.電縁(デンエン)の概要
    1-2.電縁(デンエン)のサービス内容
  2. Chaintope(チェーントープ)とは
    2-1.Chaintope(チェーントープ)のサービス内容
    2-2.Chaintope(チェーントープ)の概要
  3. トレーサビリティPF「Rensa(レンサ)」とは
    3-1.Rensa(レンサ)の概要
    3-2.「Rensa(レンサ)」開発の背景
  4. 「Rensa(レンサ)」の特徴
    4-1.Tapyrus(タピルス)が採用されている
    4-2.トレーサビリティの構築手順が公開されている
    4-3.あらゆるトレーサビリティ要件に対応できる
  5. Rensa(レンサ)を活用した実際のプロジェクト例
    5-1.ブランド農水産物の産地証明
    5-2.生鮮食品の物流過程の記録と消費者への公開
    5-3.工業製品の品質試験の実施記録
  6. まとめ

2023年1月11日、ビジネスコンサルティングやシステム開発などを手がける電縁(デンエン)とブロックチェーン関連の事業展開を行うChaintope(チェーントープ)が、農水産物や食品の産地または流通過程の偽装などといった社会課題の解決を目指して、新たに「Rensa(レンサ)」と呼ばれるブロックチェーントレーサビリティプラットフォームの提供をスタートしました。

近年、食の安心および安全がますます重視されている中、両社はブロックチェーン・テクノロジーを駆使し、食に関する社会問題の解決に尽力していく姿勢を示しており、業界からは早くも大きな注目が集まっています。

そこで今回は、新たにローンチされたブロックチェーントレーサビリティプラットフォーム「Rensa(レンサ)」について、そのサービス概要や特徴、またRensaを活用した実際のプロジェクト例などを詳しく解説していきます。

①電縁(デンエン)とは

1-1.電縁(デンエン)の概要

Denen
「電縁(デンエン)」は、2000年7月に設立されたビジネスコンサルティングやシステム開発を提供する国内企業です。

電縁では、「人のつながりを大事に。暮らしをもっと便利に。」というミッションのもと、「人の役に立つ」という指向や「人とのつながりや顧客志向を大事にする文化」を大切にした事業展開を行っています。

2020年7月からはSBテクノロジー株式会社の完全子会社となっており、グループシナジーを発揮することによってより大きな付加価値を提供することに尽力しています。

電縁の具体的なサービス内容については次の項で詳しく説明しますが、特にシステム開発においては、これまでにアドレス帳バックアップシステムや携帯電話申込書審査システム、請求統合システムなどの通信関係のシステムから、住民情報システムなどの公共分野のシステムまで、さまざまな分野における豊富な開発実績を有しています。

1-2.電縁(デンエン)のサービス内容

電縁が提供している主なサービスは、下記の通りです。

・コンサルティングサービス
ビジネスコンサルティング、マネジメントコンサルティング、システムコンサルティングという三方向からの事業サポートを提供。

・システム開発
独自のフレームワークやプロジェクト管理手法を導入し、他社にはないスピーディ且つ高クオリティなサービスを提供。

・ブロックチェーン
ブロックチェーン・テクノロジーを利用した情報システム構築に関するコンサルティングおよび受託開発サービスを提供。

・デジタルサイネージ
タッチパネル操作に最適化された「インタラクティブデジタルサイネージ」の運用を、Webブラウザから簡単に管理できるシステムを提供。

・タブレットCMS「マイタッチタブ」
タブレット上に動画や静止画、アプリなどを簡単に表示可能なクラウド型のCMSを提供。また、タブレットをデジタルサイネージとして活用することも可能。

・不動産やさんのサイネージ
物件情報の表示に最適化された、不動産業に特化したデジタルサイネージシステムを提供。情報の管理もWebブラウザから簡単に行うことが可能。

・トイレIoTシステム
無線センサーを使用して、個室トイレのドアの開閉状況を判断し、空き情報を確認することができるサービスを提供。

②Chaintope(チェーントープ)とは

2-1.Chaintope(チェーントープ)の概要

Tapyrus
「Chaintope(チェーントープ)」とは、16年12月に設立されたブロックチェーン関連の事業を手がける国内企業です。

「ブロックチェーンインテグレーターとして社会にブロックチェーンを実装する」というミッションを掲げるChaintopeでは、ブロックチェーンを駆使した新たな価値の提供、さらには社会モデルを構築するためのエコシステム・ハブとなっていくことを目指し、さまざまな事業展開を行っています。

代表取締役CEOを務める正田英樹氏は、2015年ごろより共同創業者であった故・高橋剛氏や現在取締役CTOを務める安土茂亨氏らとともにブロックチェーンの研究開発をスタートしており、早い段階から社会実装に向けた取り組みに注力してきましたChaintopeにはブロックチェーン・テクノロジーに精通した精鋭たちが多数在籍しており、社会にブロックチェーンを実装することを目指し、日々さまざまなプロダクトの開発を行っています。

2-2.Chaintope(チェーントープ)のサービス内容

Chaintopeが提供している主なサービスは、下記の通りです。

・サプライチェーン向けソリューション「Paradium」
トレーサビリティにフォーカスした、ブロックチェーンベースの新たなプラットフォーム。

・地域通貨発行ソリューション「NATALE」
補助金に頼ることのない新たな地方創生のモデルを実現するプラットフォーム。

・電力業界向けソリューション「Electrowise」
「P2P電力取引」や「REC取引」を行えるブロックチェーンをベースとした新たなプラットフォーム。

・セカンドレイヤーソリューション「Inazma」
Lightning NetworkとOpen Assets Protocolを組み合わせたトークン・コイン発行プラットフォーム。

・コンサルティング及び実証実験
ブロックチェーンを利用したさまざまなアプリケーションやシステムの開発に向けた、初期的なコンサルティングや実証実験などのサービスを提供。

・社会関係資本とブロックチェーン
「Masachain」というプロジェクトを通して、ブロックチェーン・テクノロジーによる感謝や貢献の可視化を実現し、世の中に役立てるための研究プロジェクトを推進。

・ブロックチェーンエンジニアの育成
ブロックチェーンのエンジニア育成を目的として、「GBEC」というコミュニティーを運営。

③トレーサビリティPF「Rensa(レンサ)」とは

3-1.Rensa(レンサ)の概要

「Rensa(レンサ)」とは、23年1月11日に電縁とChaintopeによって新たにリリースされた、新たなトレーサビリティプラットフォームのことを指します。

そもそも「トレーサビリティ」とは、追跡という意味を持つトレース(Trace)と能力という意味を持つアビリティ(Ability)を組み合わせて造られた言葉で、日本語では「追跡可能性」と訳されます。簡単に言うと、トレーサビリティはある商品がどのような場所で作られ、流通し、販売されているのか、つまり、商品の原材料の調達から生産、そして消費または廃棄までを追跡可能な状態にするシステムのことを指し、製品クオリティの向上や安全意識の高まりなどを背景として、食品や医薬品、自動車や電子部品といったあらゆる業界において導入が進んでいます。

電縁とChaintopeは食品業界において近年多発している農水産物や食品の産地偽装にフォーカスし、改ざんや偽造が極めて難しいとされているブロックチェーン・テクノロジーを駆使することによって、産地偽装の抑止を目指すプラットフォームRensaをリリースしました。

Rensaには、Chaintopeが開発を行った「Tapyrus(タピルス)」と呼ばれるブロックチェーンが採用されているということで、その性能の高さから、Rensaにおけるパフォーマンスにも注目が集まっています。Rensaは今後、実際のプロジェクトを通して把握した要件や機能不足などを踏まえて、トレーサビリティ設定や画面出力などといった標準機能の充実を進めていくとともに、簡単に導入することができる業種や用途の拡大を行っていくと発表しています。

またこのほかにも、ブロックチェーントレーサビリティのさらなる普及や定着に向けて、より多くのプロジェクトにRensaを導入してもらうための広報活動や営業活動を行っていくほか、食品の産地偽装や品質試験結果の改ざん、規制物品の違法取引などといった多岐にわたる社会課題を、トレーサビリティによって解決するための研究開発を進めていくということです。

3-2.「Rensa(レンサ)」開発の背景

近年、日本国内で「国内産」と称して海外産の農水産物または食品を販売するといった、産地偽装の事例が急速に増加しています。これまでは、サプライチェーンにおける企業同士の信頼によって成り立っていた食品の取引ですが、これからは企業同士の信頼だけでなく、十分に整備された仕組みでの産地保証が要求される社会へと急速に変化していくことが予想されています。

このような社会情勢を受けて、電縁とChaintopeは日本国内における食の安心および安全をサポートし、さらに発展させていくため、Rensaの開発をスタートさせたと説明しています。そして今回、両社は共同で開発を進めてきたRensaのリリースを果たし、食の安全に関するさまざまな課題を抱えた企業や自治体をサポートするべく、充実したサービスの提供を行っていくということです。

④「Rensa(レンサ)」の特徴

4-1.Tapyrus(タピルス)が採用されている

前述した通り、RensaにはChaintopeが開発を行った「Tapyrus(タピルス)」と呼ばれるブロックチェーンが採用されています。Tapyrusはパブリックブロックチェーンの応用領域を広げるマルチレイヤーソリューションとして紹介されており、ブロックチェーンの社会実装に向けたさまざまな課題の解決に尽力しています。

Chaintopeは、ブロックチェーンの活用事例が急速に増えている一方で、実社会での利用や組織をまたいだプラットフォームの運用についてはその活用がまだまだ限られていることを指摘しています。そして、これまでにさまざまなブロックチェーン企業が各レイヤーにおける単一の課題に特化したソリューションの開発を行ってきた事実を挙げつつ、単一の課題を解決しただけでは社会的にブロックチェーンを普及させることは不可能であると説明しています。

このような現状の中、Chaintopeでは異なる機能を持たせたテクノロジーをそれぞれで開発し、それらを複数のレイヤーにおいて組み合わせ、垂直的に提供することによって、ブロックチェーンが直面しているガバナンスやスケーラビリティの問題が解決されたプロトコルの提供を可能にしているということです。

今回リリースされたRensaでは、このようなTapyrusチェーン上で情報を記録することによって、情報の改ざん防止を実現しているほか、保持するトレーサビリティ情報に対する信憑性を大きく向上させることに成功しています。

4-2.トレーサビリティの構築手順が公開されている

Rensaでは、下記のような具体的なトレーサビリティの構築手順が公開されています。

  1. トレーサビリティ構想のサポート
  2. トレーサビリティに対応する業務の設計
  3. トレーサビリティシステムの設計
  4. Rensaの導入時における各種設定
  5. 関連するシステムの構築
  6. 既存のシステムとの連携
  7. トレーサビリティの実施サポート

このように、Rensaではクライアントがトレーサビリティシステムを構築するにあたって、システム提供のみならず、それぞれのニーズにマッチしたさまざまなサポートを提供していくということです。

4-3.あらゆるトレーサビリティ要件に対応できる

Rensaは、対象そのものや属性情報のほか、状態や取り扱いなどといった事柄に関して、どのタイミングで、どの情報項目の記録を行うかを自由に設定することが可能となっています。具体的には、トラッカーとして保持する項目のほか、トレース情報を記録するイベントなども自由に設定することができるということです。

このように、Rensaはそのシステムの柔軟性から、あらゆるトレーサビリティ要件に標準機能で適合することができ、よりスピーディーな導入を可能にしています。

⑤Rensa(レンサ)を活用した実際のプロジェクト例

実際に、Rensaを活用した下記のようなプロジェクトがいくつか始動しています。

5-1.ブランド農水産物の産地証明

Rensaでは、ブランド農水産物における産地証明を実現するシステムの構築を進めています。

具体的には、近年特に多発している農水産物の産地偽装を抑止するためのとして、トレーサビリティを用いた生産および流通情報の記録を実施し、照合できるようにすることによって、しっかりとした記録が残っている正規品であるかどうかを確認することができるシステムを構築しているということです。

5-2.生鮮食品の物流過程の記録と消費者への公開

Rensaでは、生鮮食品の物流過程を記録し、消費者に対して公開できるシステムの構築を進めています。

具体的には、生鮮食品が産地から消費者の手元に届けられるまでの細かな過程を記録することによって、適切な期間内に適切なルートで食品が届けられていることを証明すると同時に、消費者が記録されたさまざまな情報を閲覧できるシステムを構築しているということです。

5-3.工業製品の品質試験の実施記録

Rensaでは、工業製品についての品質試験の実施を記録することができるシステムの構築を進めています。

具体的には、品質試験を実施するにあたって、試験項目を完了する度にその結果を都度記録することができるシステムを構築しているということです。このシステムを導入することによって、これまでの手書きで紙に記録し、試験項目がすべて完了してからシステムに打ち込むという方法と比較して、よりタイムリーな結果を記録することができるほか、入力の正確性の向上や結果の改ざんの防止といった効果も期待されています。

⑥まとめ

Rensaは、電縁とChaintopeによってリリースされた新たなブロックチェーントレーサビリティプラットフォームです。近年大きな問題となっている、農水産物や食品の産地または流通過程の偽装をはじめとする社会課題の解決を目的として開発されたRensaは、ブロックチェーン・テクノロジーを駆使することによって、信憑性の高いトレーサビリティシステムの構築を実現しています。

また、すでにいくつかのプロジェクトにおいて導入が進められているほか、今後は食品の産地偽装や品質試験結果の改ざん、規制物品の違法取引などといった多岐にわたる社会課題をトレーサビリティによって解決するための研究開発を行っていくとしており、引き続きその動向に注目していきたいと思います。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12