KDDIが提供する新しいWeb3.0サービス「αU(アルファユー)」について

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今回は、KDDIが展開するメタバース「αU(アルファユー)」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 「αU(アルファユー)」とは
    1-1. 「αU(アルファユー)」の概要
    1-2. 「αU(アルファユー)」開発の背景
  2. 開発元であるKDDI株式会社
    2-1. KDDI株式会社の概要
    2-2. KDDIの事業内容
  3. 「αU(アルファユー)」で提供されるサービス
    3-1. αU metaverse
    3-2. αU live
    3-3. αU market
    3-4. αU wallet
    3-5. αU place
  4. 「αU(アルファユー)」の今後の展開
  5. まとめ

2023年3月7日に、日本の大手通信事業者KDDI株式会社が、新たなメタバースおよびWeb3.0の世界に焦点を当てたサービス「αU(アルファユー)」をローンチしました。

αUは、現実と仮想を自在に行き来できる新時代のニーズに対応し、誰もがクリエイターになれる環境を提供するものです。メタバースやライブ配信、バーチャルショッピングなど、Web3.0のさまざまな可能性を体験できるプラットフォームとして、その進展には大きな期待が寄せられています。

本稿では、「KDDIのWeb3サービス「αU(アルファユー)」について詳しく解説します。サービスの概要から具体的な提供内容まで、役立つ情報をお届けします。

1.「αU(アルファユー)」とは

1-1.「αU(アルファユー)」の概要

αU
「αU(アルファユー)」とは、KDDI株式会社が2023年3月7日にスタートさせた、最先端のメタバースとWeb3.0のサービスです。

αUは、「XR(クロスリアリティ)」やWeb3.0テクノロジーを駆使して、リアルとバーチャルの境界をあいまいにしました。これにより、音楽ライブやアート鑑賞、友人との会話、ショッピングなど、日々の生活の一部を、どこでも、いつでも自由に楽しむことが可能となっています。「αU(アルファユー)」は、新しい世代のニーズに応え、現実と仮想の間を自由に移動できる世界を提供します。そして、誰もがクリエイターとなり、メタバース、ライブ配信、バーチャルショッピングなど、Web3.0の各種サービスを利用できます。さらに、「αU(アルファユー)」は、国内外のパートナーと積極的に連携し、日本のクリエイターやコンテンツがグローバルに展開できるよう支援します。そして、クリエイターが自身の価値を生み出し、その対価を適切に得られる「クリエイターエコノミー」の確立を目指しています。

1-2.「αU(アルファユー)」開発の背景

KDDI株式会社は、5G通信やAR、MRテクノロジーを駆使し、都市体験の拡張に力を注いできました。具体的には、2020年5月に都市と連動するメタバース、「バーチャル渋谷」をローンチしました。また、2022年10月には、リアルとバーチャル空間が連動する「デジタルツイン渋谷」プロジェクトも開始しています。

バーチャル渋谷では、過去3年間で、テクノロジーを活用して新たなエンターテイメント形式を提供してきました。これには、アーティストの音楽ライブやアニメ、マンガキャラクターのトークショーなど、バーチャル空間を活用した様々な都市連動体験が含まれます。また、デジタルツイン渋谷では、現実の渋谷から収集した写真データなどをデジタル化し、リアルとバーチャル空間を連動させました。これにより、各空間の参加者が互いを認識し、空間を共有しながら対話できる環境が生まれています。

KDDIは、これまでにもWeb3.0テクノロジーを用いて、新時代に向けた革新的なメタバースプロジェクトをいくつも展開してきました。そして、「αU(アルファユー)」のローンチにより、これまでの「体験する場所」から「発信する場所」への進化を達成しました。

2.開発元であるKDDI株式会社

2-1.KDDI株式会社の概要

KDDI
KDDI株式会社は、1984年6月に設立された、日本を代表する大手電気通信事業者です。KDDIの企業理念は「全従業員の物心両面の幸福を追求し、クライアントの期待を超える感動を届けることで、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」です。この理念のもと、KDDIは日本の情報基盤を支える重要な役割を果たし、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいます。

現代社会において、通信機能は私たちの生活のあらゆるシーンに浸透しています。政府もデジタルテクノロジーの導入を進め、地方を中心に「デジタル田園都市国家構想」を掲げています。このような状況の中で、社会課題の解決や地域活性化に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、ますます重要性を増しています。KDDIは、顧客一人ひとりの新たなライフスタイルをサポートし、経済発展と社会課題の解決を両立するレジリエントな未来社会の創造に向けた取り組みを推進しています。KDDIは、信頼性の高いサービスを提供する歴史ある電気通信事業者として、またそれぞれの時代にマッチした革新的なプロジェクトを展開する業界リーダーとして、大きな注目を集めています。

2-2.KDDIの事業内容

KDDIは、以下の主な事業領域でサービスを展開しています。

  • 携帯通信事業:
    KDDIはauブランドを通じてモバイル通信サービスを提供しています。これには音声通話、データ通信、モバイルインターネットなどが含まれ、先進的な通信技術を導入して高速かつ安定したネットワーク接続を提供しています。
  • 固定通信事業:
    KDDIは固定電話およびブロードバンドインターネットサービスも提供しています。これには家庭やオフィス向けの高速インターネット接続、IP電話、光ファイバーなどが含まれます。
  • データセンター事業:
    KDDIはデータセンターサービスも提供しており、企業や組織のデータホスティングやクラウドコンピューティングを支援しています。また、セキュリティ、冗長性、高速接続などの要件に対応し、データの安全性と可用性を確保しています。
  • ICTソリューション事業:
    KDDIは、企業向けに広範なICTソリューションを提供しています。これには、クラウドサービス、セキュリティソリューション、ビッグデータ分析、IoT(モノのインターネット)などが含まれます。
  • 海外事業:
    KDDIは海外にも事業展開を行っており、海外通信事業者とのパートナーシップを通じて国際的な通信サービスを提供しています。具体的には、海外でのローミングサービスや国際電話サービスを提供し、グローバルな顧客需要に応えるためのネットワークインフラを構築しています。
  • メディア事業:
    KDDIはメディア事業にも取り組んでおり、テレビや映画、音楽などのコンテンツ配信を行っています。また、独自のプラットフォームやサービスを通じて多様なエンターテイメントコンテンツを提供し、顧客のエンターテイメント体験を豊かにしています。
  • インターネット関連事業:
    KDDIはインターネット関連事業にも取り組んでおり、ポータルサイトやオンラインショッピングサイトの運営を行っています。
  • 研究開発:
    KDDIは通信技術や情報通信技術の研究に積極的に取り組んでいます。また、新たな技術やサービスの開発に力を入れており、将来の通信・情報通信の進化に貢献しています。

3.「αU(アルファユー)」で提供されるサービス

3-1.αU metaverse

αU metaverse
「αU metaverse」は、実世界の渋谷や大阪がバーチャル空間で再現され、ユーザーがアーティストのライブを体験したり、他のユーザーとコミュニケーションをとることができるメタバースサービスです。ここでは、好みのアバターを選び、他のユーザーと音声通話を楽しむことが可能です。音声を通じた会話は、テキストだけでは伝わらない相手の感情を理解しやすく、リアルな人間関係を築く一助となります。

「αU metaverse」では、バーチャル空間のバーやカフェなどがコミュニケーションの場となり、ユーザー同士が集まることで会話が生まれ、新たなコミュニティが形成されます。これらが新しい形のエンターテインメントやクリエイティブな発想を生むきっかけになることを期待しています。また、「αU metaverse」では、メタバース特有のイベントやミート&グリート(直接会話の場)を開催できます。音楽ライブ、有名人のトークショー、アーティストの展示会など、リアルとは異なる体験が楽しめます。特に、イベント後のミート&グリートでは、アバターを通じてアーティストや他のファンとの間近な交流が可能になります。

その他にも「αU metaverse」では、自分だけの空間(マイルーム)を自由にカスタマイズすることもできます。家具の配置から壁紙の選択まで、自分だけのオリジナル空間を作り出すことができ、個々のユーザーが自由にクリエイターとして活動する場が提供されています。これらの機能が、多様なコンテンツと融合し、「αU metaverse」が提供するメタバース体験を一層豊かなものにしています。

3-2.αU live

αU live
「αU live」は、360度・自由視点映像を楽しむことができる新感覚のライブ体験サービスです。アーティストと会場がバーチャル空間に再現されており、これによって視聴者はまるでリアルのライブ会場にいるかのような体験をすることが可能となります。バーチャル界隈のアーティストだけでなく、実際のアーティストによるパフォーマンスも楽しめるので、ライブ体験の幅が広がります。また、「αU live」では視聴者が自由に角度や距離を選ぶことができます。会場全体の雰囲気を感じるものから、アーティストの細部まで見ることができるため、視聴者自身の好みに合わせた視点でライブを楽しむことができます。さらに、映像はクラウド上で処理されます。これによって、ハイスペックなPCを必要とする高精細な映像でも、手元のスマートフォンで手軽に鑑賞することが可能になります。

3-3.αU market

αU market
「αU market」は、NFT(ノン・フング・トークン)などのデジタル資産を購入できるマーケットプレイスです。将来的には、有名なファッションデザイナーやNFTアーティストの作品が、この「αU market」限定で販売される予定です。「αU market」では、クレジットカード決済やauかんたん決済が利用できます。これにより、NFTマーケットプレイスを初めて利用する人でも簡単にNFTの購入が可能になります。これらの機能により、「αU market」はデジタル資産取引の新たなフィールドとなることでしょう。「αU market」は、他のマーケットプレイスと互換性のある「Polygonブロックチェーン」をサポートしています。これにより、ユーザーは自身が購入した作品を他のマーケットプレイスで販売することも可能となります。

また、「αU market」では、特定のリアル店舗で提示することで特典を受けられる「デジタル会員証(NFT)」も取り扱っています。そのサービスは東京都渋谷区の店舗から開始され、今後エリアを順次拡大していく予定です。

3-4.αU wallet


「αU wallet」は、NFTや仮想通貨を安全に管理、売買するために開発されたデジタルウォレットです。ユーザーは「αU wallet」を使って、「αU market」で購入したNFTや取引に使用する仮想通貨の管理を行えます。「Polygonブロックチェーン」をサポートしている他のNFTマーケットプレイスで購入した作品も、このウォレットで管理することができます。さらに、「αU wallet」は仮想通貨「Polygon(MATIC)」の送金や入金もサポートしています。これにより、より簡単に仮想通貨の管理と取引が可能になります。

3-5.αU place

αU place
「αU place」は、リアルな街並みや店舗、商品をバーチャル空間に再現したサービスです。ユーザーはメタバース内で店舗に入るようにして、自分の好みの商品を探す体験をすることができます。このようなリアルな要素の再現により、「αU place」はバーチャルとリアルの境界を曖昧にし、より豊かな体験を提供します。

また、「αU place」ではリアル店舗の良い点とECの利点を融合し、新しいショッピング体験を提供しています。家族や友人と一緒にバーチャル空間で買い物を楽しむことが可能であり、さらにビデオ通話を通じて店舗スタッフから商品の詳細やアドバイスを受けることもできます。

さらに、店舗側にとっても簡単に店舗の外観や内部をバーチャル空間に再現することが可能で、リアル店舗でスマートフォンをかざすだけで、ARによる商品情報の表示など、リアルとバーチャルを連動させる機能の提供も予定されています。

4.「αU(アルファユー)」の今後の展開

αUでは、今後もWeb3.0サービスをさらに拡張し、KDDI以外が開発したサービスとの提携や相互接続も進める予定です。KDDIの中馬和彦副本部長は、αUへの少なくとも3年間で1000億円レベルの投資を予定しており、売上目標もそれと同等以上を目指していると述べています。

「αU metaverse」の総合プロデューサー、カヤックの天野清之氏によれば、今後の展開においては、NFTを用いて知的財産を管理する仕組みの構築に関心が向けられています。すでにいくつかのデジタルコンテンツの販売は始まっており、NFT技術を用いて安全なデータ管理と販売を行うための仕組みを検討中です。

具体的には、販売されるデジタルコンテンツのデータ管理を通じて、データが不正に流出することを防止しようとしています。これにより、Web3.0の世界でクリエイティブな作品を創出するコンテンツホルダーやアーティストの権利が確保されることを目指しています。今のところ、そのような仕組みが完全には整っていないため、クリエイターたちはそこに課題を感じています。そして天野氏の考える「αU metaverse」の将来像は、プロのクリエイターだけでなく、一般のユーザーもクリエイティブな活動に積極的に参加できる環境の構築です。

5.まとめ

KDDIによってローンチされた「αU(アルファユー)」は、メタバースとWeb3.0サービスを融合し、リアルとバーチャルの境界をなくすという革新的なプロジェクトで、大きな注目を集めています。

αUでは「αU metaverse」など多岐にわたるWeb3.0サービスが提供され、アーティストによるライブやバーチャル店舗でのショッピング、ユーザー間のコミュニケーションなど、多様な体験が可能となります。今後のサービスの拡大や他のサービスとの提携、相互接続を目指すαUの展開に注目が集まる中、αUの最新情報を得るためには公式SNSのフォローがおすすめです。メタバースとWeb3.0の可能性を追求する「αU」は、私たちのライフスタイルをさらに豊かで刺激的なものにしてくれるでしょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12