AstarのWeb3.0ヘルスケアアプリ「HEALTHREE(ヘルスリー)」の特徴

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今回は、AstarのWeb3.0ヘルスケアアプリ「HEALTHREE(ヘルスリー)」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 「Astar Network(アスターネットワーク)」とは
    1-1. 「Astar Network(アスターネットワーク)」の概要
    1-2. 「Astar Network(アスターネットワーク)」の特徴
  2. 「HEALTHREE(ヘルスリー)」とは
    2-1. 「HEALTHREE(ヘルスリー)」の概要
    2-2. 開発元である「HEALTHREE Pte.Ltd.」
  3. 「HEALTHREE(ヘルスリー)」の特徴
    3-1. Web3.0のヘルスケアアプリである
    3-2. Open-α版がリリースされた
    3-3. 誰でも簡単に始められる
    3-4. ユーティリティトークン「UHTトークン」
    3-5. ガバナンストークン「GHTトークン」
  4. 「HEALTHREE(ヘルスリー)」の今後の展開
    4-1. 「dApp Staking」への掲載
    4-2. さまざまな方面での事業拡大
    4-3. パートナーシップの拡大
  5. まとめ

2023年に入り、日本発のパブリックブロックチェーンとして知られる「Astar Network(アスターネットワーク)」上で展開されているWeb3.0ヘルスケアアプリ「HEALTHREE(ヘルスリー)」に大きな注目が集まっています。

HEALTHREEは2023年4月20日にOpen-α版がリリースされたばかりのかなり新しいアプリですが、そのリリース後大きな反響を呼び、ブロックチェーンアプリの検索サイト「DappRadar(ダップレーダー)」のAstar Networkゲーム部門において、ユーザー数および流通量共に第一位を獲得するなど、Astar Network上の「キラーアプリ」としてその知名度を急速に拡大しています。

そこで今回は、そんなAstarのWeb3.0ヘルスケアアプリ「HEALTHREE(ヘルスリー)」について、プロジェクトの概要や特徴を詳しく解説していきます。

1.「Astar Network(アスターネットワーク)」とは

1-1.「Astar Network(アスターネットワーク)」の概要


「Astar Network(アスターネットワーク)」は、2022年1月17日に公式に稼働を開始した、日本が生んだパブリックブロックチェーンの開発プロジェクトです。

パブリックブロックチェーンというのは、一般の人々誰でも自由に加わることができる分散型のデータベースシステムのことを指します。特定の管理者が存在しないという特性から、取引が透明性をもって行われる環境が提供されます。

開発が進んでいるパブリックブロックチェーン、Astar Networkは、そのローンチから程なくして、国内外の大手企業からも注目を集め、2022年9月にはプロジェクトのネイティブトークン、「ASTRトークン」が日本で初めて上場しました。Astar Networkは、当初「プラズムネットワーク(Plasm Network)」という名前で開発が進行していましたが、2021年6月にブランドイメージを新たにし、現在の名前へと変更されました。

このプロジェクトの開発は、代表取締役CEOとして渡辺 創太氏が率いる「Stake Technologies(ステイクテクノロジーズ)」が手がけています。この企業はブロックチェーンなど最新のITテクノロジーを活用し、「Web3.0」、つまり次世代のWebの実現を目指しています。現在は、シンガポールを拠点に事業展開を積極的に進めています。

Astar Networkは、日本経済新聞にWeb3.0関連の広告を掲載するなど、国内外の大手企業との提携も進めています。これらの取り組みにより、業界内での存在感が増してきており、注目度も高まっています。

1-2.「Astar Network(アスターネットワーク)」の特徴

①マルチチェーン対応が可能

Astar Networkの最大の特徴として、マルチチェーン対応が可能であるという点が挙げられます。Astar Networkは異なるブロックチェーン同士の接続を目指す仮想通貨プロジェクト「Polkadot(ポルカドット)」と接続しており、Polkadotのネットワークを活用することによってPolkadotに直接接続することのできないブロックチェーンとの接続を可能にしています。

具体的には、Astar NetworkはPolkadotにある100枠しかない「パラチェーン」の1枠を獲得し、世界で3番目となるパラチェーン接続を行ったため、さまざまなブロックチェーンとつながることができる「dAppハブ」としての役割を果たすことに成功したというわけです。

②セキュリティが強固である

前述した通り、Astar NetworkはPolkadotとのパラチェーン接続を行いましたが、これによってセキュリティ面を大幅に強化することにも成功しています。

具体的には、Polkadotと接続することによってブロックチェーン上の情報を相互に共有することができるようになるため、ノード(ネットワークに接続する端末)の数が増加し、データの改ざんに対する耐性をより高めることが可能だというわけです。Astar Networkこのような仕組みを用いることによって、ローンチからまだ日が浅いにも関わらず比較的高いセキュリティを実現しています。

③ネイティブトークン「ASTRトークン」

前述した通り、Astar Networkではネイティブトークンである「ASTRトークン」の発行を行っています。ASTRトークンは2022年9月に日本初上場を果たした仮想通貨で、Astar Networkのエコシステム内におけるユーティリティトークンとして幅広く利用されています。

具体的には、次に紹介する「dApps Staking」やトランザクションにおける手数料の支払い、またコミュニティ投票の際のオンチェーンガバナンスなどに活用されているということです。なお、ASTRトークンの仮想通貨としてのスペックは、下記の通りです。

ティッカーシンボル ASTR
価格(23年5月12日現在) 0.05068ドル(6.81円)

時価総額 約2.2億ドル(約306.6億円)

時価総額ランキング

129位

循環サプライ 約45億ASTR

発行上限 約80億ASTR

④「dApps Staking」を導入している

「dApps Staking」とは、「dApp(分散型アプリケーション)」やNFTプロジェクトに対して、Astar Networkのネイティブトークンである「ASTRトークン」をステークすることによって、預けた金額に応じた報酬(インセンティブ)を獲得できるシステムのことを指します。

Astar NetworkのdApps Stakingでは、デベロッパーがAstar Networkで開発を行うことによってインセンティブを得ることができる仕組みを構築しており、デベロッパーがアプリの開発や改良により集中できるよう、定期的で継続的なベーシックインカムを得られるようなサポートを行っています。つまり、dApps Stakingに登録したデベロッパーは、Astar Networkでアプリを制作したり発展させたりすることで、ASTRトークンを効率よく稼ぐことができるというわけです。

⑤さまざまな大手企業と提携している

Astar Networkはこれまでに、さまざまな大手企業との提携を発表しています。2022年10月31日には、株式会社NTTドコモとWeb3.0のさらなる普及を目的とした基本合意を締結したことを明らかにしたほか、2023年2月17日には、Stake TechnologiesのCEOである渡辺創太氏が設立したStartale Labs Pte Ltdがソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社」と協業し、Web3プロジェクトのインキュベーションプログラムをスタートする旨も発表されています。

このように、Astar Networkは日本発のパブリックブロックチェーンとして国内における大手企業との提携を積極的に進めており、その事業規模をますます拡大しています。

2.「HEALTHREE(ヘルスリー)」とは

2-1.「HEALTHREE(ヘルスリー)」の概要

HEALTHREE
「HEALTHREE(ヘルスリー)」とは、2023年4月20日にOpen-α版がリリースされたばかりの新しいWeb3.0ヘルスケアアプリのことを指します。HEALTHREEは「Game(ゲーム)」と「Finance(金融)」を組み合わせた造語である「Game-Fi(ゲーミファイ)」の要素を兼ね備えたアプリとなっており、プレイヤーは自身のアバターを操作して楽しむことが可能です。

具体的には、NFTである「Clothes(トップス、ボトムス、シューズ)」を購入し、「Move(歩くもしくは走る)」、「Sleep(睡眠)、「Eat(食事管理)」などといった健康に関連するアクティビティを実施することで、ネイティブトークンである「UHTトークン」を獲得することができる仕組みとなっています。

前述した通り、HEALTHREEはリリース直後から大きな反響を呼び、ブロックチェーンアプリの検索サイト「DappRadar(ダップレーダー)」のAstar Networkゲーム部門において、ユーザー数および流通量共に第一位を獲得するなど、Astar Network上の「キラーアプリ」としてその知名度を急速に拡大しています。

2-2.開発元である「HEALTHREE Pte.Ltd.」

HEALTHREEの開発を手がけている「HEALTHREE Pte.Ltd.」は、2022年6月8日に創業されたばかりの比較的新しい企業で、現在シンガポールを拠点とした事業展開を行っています。

Shinya Ray Yamamoto氏が代表を務めるHEALTHREEでは、HEALTHREEアプリをより多くのユーザーに利用してもらうことを目的として、親和性の高い事業者との業務提携を積極的に進めていくとしています。

HEALTHREEではアプリ開発などを通してWeb3.0をさらに促進していくと見られており、今後の展開に注目が集まっています。

3.「HEALTHREE(ヘルスリー)」の特徴

3-1.Web3.0のヘルスケアアプリである

前述した通り、HEALTHREEはWeb3.0のヘルスケアアプリとして開発が行われており、ゲーム要素を兼ね備えたアクティビティを実行することによって、アプリ内のコンテンツを楽しみながらヘルスケアも行うことができる画期的なプロジェクトとなっています。

また、アクティビティをクリアすることで後に説明するネイティブトークン「UHTトークン」を受け取ることもできるため、同時に報酬を稼ぐことも可能であるというわけです。

3-2.Open-α版がリリースされた

HEALTHREEは2023年4月20日にOpen-α版がリリースされており、それによって今後は誰でもHEALTHREEを利用することができるようになりました。

なお、Open-αでは新たに「STORE機能」が実装されたということで、プレイヤーはゲーム内において獲得したトークンをコンビニ商品をはじめとするさまざまな商品やギフト券と交換することが可能になると説明されています。

3-3.誰でも簡単に始められる

HEALTHREEはその操作が直感的で比較的簡単になっているため、誰もが簡単に始めることができます。

具体的には、iPhone版またはAndroid版のアプリをダウンロードし、必要な情報を入力してサインアップします。そして、自身の化身となるアバターのパーツを自由に設定します。(一度保存したアバターは変更できないため、注意が必要です。)その後、「MetaMask(メタマスク)」ウォレットを作成し、アプリ内で接続を実行します。接続が完了したら、ASTRトークンをウォレットに転送し、アプリ内のマーケットプレイスでNFTであるウェアを購入します。

Open-α
ウェアにはそれぞれ、レアリティやUHTの獲得スキルであるベネフィットなどの要素が含まれており、これらの組み合わせによってスペックが決定されます。

ウェアの購入が完了したら、実際に屋外に移動してアクティビティを実行することでトークンを獲得することが可能です。

3-4.ユーティリティトークン「UHTトークン」

前述した通り、HEALTHREEではネイティブトークンである「UHTトークン」の発行を行っています。UHTトークンはHEALTHREE内におけるユーティリティトークンとなっており、アクティビティを行うことで獲得したUHTトークンはアバターのウェアのレベルアップやクリーニング、またウェアのミントや進化、修理などに利用できるということです。

3-5.ガバナンストークン「GHTトークン」

HEALTHREEでは、UHTトークンのほかにガバナンストークンである「GHTトークン」の発行も行っています。GHTトークンはまだその詳細が公開されておらず、詳しい情報については明らかになっていませんが、今後コミュニティにおけるガバナンス投票などの際に利用できるようになると考えられています。

4.「HEALTHREE(ヘルスリー)」の今後の展開

4-1.「dApp Staking」への掲載

HEALTHREEでは今後、自社のパートナーであるAstar Networkが展開しているデベロッパーのサポートプログラム「dAppStaking」への掲載を目指していくとしています。

なお、すでに「Astar forum」に対してdApp Stakingの申請を行ったということで、今後の展開に注目が集まっています。

4-2.さまざまな方面での事業拡大

HEALTHREEでは今後、日本国内における大手企業とのコラボレーションを積極的に行っていきたいとしているほか、取引所へのトークンの上場なども進めていくとしており、さまざまな方面での事業拡大を計画していると説明しています。

前述の通り、HEALTHREEはリリース直後から大きな反響を呼んでおり、ブロックチェーンアプリの検索サイト「DappRadar(ダップレーダー)」のAstar Networkゲーム部門においてユーザー数および流通量共に第一位を獲得するなど、かなりの勢いを誇っているため、今後のプロジェクト規模のさらなる拡大に期待が集まっています。

4-3.パートナーシップの拡大

HEALTHREE社では、Web3.0を活用して顧客ロイヤリティの向上を目指している企業とパートナーシップを締結し、さまざまな事例作りに取り組んでいきたいとしています。

これまで、2023年1月にはパートナーシップの第一弾として、「株式会社Muscle Deli」とのコラボ企画であるHEALTHREEを活用したマラソンイベント「Burning Marathon」を実施しています。

このBurning Marathonでは、ゲーム内において身につけるNFTアイテムにブランドロゴを挿入することによってブランドの第一想起に貢献するだけでなく、一定以上運動した人にのみ商品のサンプリングを行うことによって、ターゲットユーザーに対するトライアル機会を提供することを実現しました。

このように、HEALTHREEをより多くのユーザーに利用してもらうため、今後はアプリ内の新たな機能の実装や、ユーザーコミュニティの活性化のほか、親和性の高い事業者とのパートナーシップを積極的に進めいくことで、プロジェクトをさらに充実させていきたいということです。

5.まとめ

HEALTHREEは2023年4月20日にOpen-α版がリリースされたばかりの新たなWeb3.0ヘルスケアアプリとして注目を集めています。HEALTHREEは実際に健康に関連するアクティビティを実施することでネイティブトークンである「UHTトークン」を獲得できるゲームとなっており、プレイしながら健康になれるだけでなく、報酬を稼ぐことも可能な画期的なプロジェクトとなっています。また、Astar Networkのゲーム部門において、ユーザー数および流通量共に第一位を獲得するなど、すでに大きな注目を集めているため、今後の展開からますます目が離せなくなっています。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12