家具・インテリア業界のESG・サステナビリティの取り組みは?企業実例を解説

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家具は日々の生活を支え、部屋を彩ってくれます。インテリアショップで家具を選ぶ時間は、新しいことが始まりそうなワクワク感で気持ちが高まります。

家具を選ぶ際に、せっかくなら環境に優しいモノ選びをしたい、と考えている方もいるでしょう。

今回はサステナブルな暮らしをしたい人に役立つ、家具・インテリア業界のESGに関する取り組みを紹介します。

※本記事は2023年5月29日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. サステナブルな暮らしを家具・インテリア選びから
  2. ニトリが提案する、サステナブルな暮らし
  3. ニトリの取り組み事例
    3-1.「つくる」× 資源を守る
    3-2.「はこぶ」 × CO2削減
    3-3.「つかう」 × 省エネ
  4. 良品計画の取り組み事例
    4-1.家具の月額定額サービス
    4-2.家具・収納用品の回収サービス
  5. まとめ

1.サステナブルな暮らしを家具・インテリア選びから

サステナブルな暮らしに興味があるけれど、何をしたら良いのかわからない方は多いのではないでしょうか。

物選びにこだわることは、手軽にできることの一つです。多くの人にとって必要な家具やインテリアならば、サステナブルな視点を取り入れやすいでしょう。

大型家具の場合は使われる資源量が多く、廃棄される時の環境負荷も大きいことが問題です。運搬する際のCO2排出量も多くなるため、環境問題に配慮した製品を選ぶことが環境保全に繋がります。

節電・節水効果など、暮らしを自然にサステナブルにできるアイテムを取り入れることも、選択肢の一つです。暮らしに欠かせない物だからこそ、こだわって選べば、環境にやさしい暮らしに近づくことができるでしょう。

2.ニトリが提案する、サステナブルな暮らし

株式会社ニトリは、札幌に本社を構えるインテリア小売の大手企業です。親会社(100%保有)である株式会社ニトリホールディングスは、東証プライム市場と札幌証券取引所に上場しています。

同社は、2023年2月に「ニトリではじめよう!サステナブルな暮らし」特集ページを公開しました。

「リビング」、「ダイニング・キッチン」、「ベッドルーム」などのシーン別に、約1,000アイテムが紹介されています。たとえば「リビング」なら、遮熱によって節電効果が期待できるカーテンや、ライフスタイルに応じて組み替えることで長く利用できる収納家具などが取り上げられています。せっかくなら環境にやさしい物を選びたい時のヒントになる内容です。家具やインテリアを選ぶ際は参考にしてみてください。

参考:ニトリネット「新生活!サステナブルな暮らし

3.ニトリの取り組み事例

ニトリグループは、「つくる・はこぶ・つかう」のそれぞれの段階において、環境にやさしいものづくりを「Nitoriʼs ecology」と位置づけ、取り組みを進めています。具体的な内容をまとめました。

参考:ニトリ「ニトリグループのサステナビリティ

3-1.「つくる」× 資源を守る

ニトリは、さまざまなリサイクル素材の製品を手がけています。たとえば、カーペットやラグです。ペットボトルなどのリサイクル原材料を繊維化し、水を使わず汚水が出ない方法で染色しています。再利用によるごみの削減だけでなく、限りある化石燃料の使用量削減や水環境にも配慮した製品です。

他にも、人気の収納用品にリサイクル原材料を20%以上使用したラインナップが登場しており、消費者の選択肢が広がっています。

参考:ニトリネット「【Nitori’s ecology】リサイクル原材料をつかったラグ・カーペット特集

3-2.「はこぶ」 × CO2削減

大型の商品は、運搬の輸送効率が悪く、製品一つあたりのCO2の排出量が多いことが問題点です。

ニトリグループでは、ベッドマットレスや布団などの商品を圧縮して販売することで、輸送に伴うCO2排出量を削減しています。特に、ベッドマットレスは独自の圧縮技術により、商品パッケージを4分の1まで小さくし、輸送時にコンテナやトラック1台に積載可能な商品数を増やして輸送効率を大幅に向上させました。

スプリング入りのベッドマットレスでも取り組みを実施しており、CO2排出量にして年間約2,400t-CO2削減できる見込みだと発表されています。

3-3.「つかう」 × 省エネ

使うだけで節電ができるアイテムも充実しています。

たとえば吸湿発熱・接触冷感の機能を持たせた素材で作られた寝具。就寝時、暖房や冷房を使用しなくても快適に眠れるように設計されています。家庭でのエネルギー使用量削減に役立つ商品です。その他にも、前述した冷暖房効率を高める遮熱カーテンなどのラインナップもあります。

4.良品計画の取り組み事例

無印良品は1980年に、西友のプライベートブランドからはじまりました。良品計画は、これが独立して1989年に法人として設立され、現在は東証プライム市場に上場しています。

ニトリと価格帯が近く、比較・検討される方も多いでしょう。ニトリにはない取り組みも進められているため、事例を紹介します。

4-1.家具等の月額定額サービス

無印良品では、2021年1月から、家具の月額定額サービスを開始しました。

ライフスタイルが変わると、必要な家具も変わります。買い替えの度に粗大ごみに出せば、廃棄物の量は膨大になってしまいます。ごみを減らすために、定額サービスで必要なモノを必要な期間だけ借りることも、選択肢の一つです。

商品ラインナップは、ベッド・ソファ・収納・チェア・デスクと豊富です。期間は1〜4年で選ぶことができ、トータルコストは購入の場合より安く設定されています。

期間満了後の扱いも、延長・返却・買取りと広いため利用しやすいサービスとなっています。家具選びの新しい選択肢となりそうです。

4-2.各種商品の回収サービス

無印良品では、さまざまな商品の回収サービスも行っています。家具については、「ユニットシェルフ」や「体にフィットするソファ」が回収対象です。

さらに、2023年2月からは、プラスチック収納の回収が始まりました。捨てる際に粗大ごみとなってしまうため手放しづらい、衣装ケースや組み立て式ワゴンなどの大型商品も対象となっています。

その他にも、衣類・化粧品のボトル・保冷剤・本・食品など、幅広いジャンルの回収に取り組んでおり、同社が環境配慮に力を入れていることが伺えます。

また、「まだ使えるのにもったいない」と思う生活者の気持ちに寄り添う姿勢も感じられるのではないでしょうか。

5.まとめ

身近な家具・インテリア企業の環境に対する取り組みはここ数年で急激に進められており、今後もますます充実してくると考えられます。

生活者が活用してはじめて、企業の取り組みは意義があります。支持が集まればさらにいろいろな活動に取り組む原動力にもなるでしょう。

生活に密着している物だからこそ、この記事を参考に、環境に配慮された商品を選び、サステナブルな暮らしの実現に役立ててみてください。また、取り組みや姿勢に共感できる企業の応援方法の一つとして、株主となってお金の面から長期的に伴走していくといったやり方もありますので、ぜひご自分に合った取り入れ方を検討してみてください。

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松尾 千尋

名前:まつおちひろ 金融機関に14年ほど勤務。大学卒業後は、都市銀行で資産運用コンサル業を担当し、FP1級を取得。外資系保険会社に転職後、クレジットアナリストとして投資先の調査・分析・レポート執筆などを行い証券アナリスト資格を取得。現在はライターとして独立し、金融・ESG・サスティナビリティに関する記事を中心に幅広く執筆活動を行う。別分野では、整理収納アドバイザー・インスタグラマーとしても活動中。/ Instagram : @mer_chip310