仮想通貨交換業者シリーズ「Crypto Garage」ってどんな会社?

今回は、Crypto Garage(クリプトガレージ)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. Crypto Garageとは?
    1-1.Crypto Garageの概要と沿革
    1-2.Digital Garageとは?
  2. Crypto Garageが展開するプロジェクト
    2-1.仮想通貨交換業者
    2-2.決済プラットフォームの構築
    2-3.仮想通貨オプテックサービス
  3. まとめ

昨年の仮想通貨(暗号資産)市場の盛り上がりから、仮想通貨ユーザーが急激に増加しており、これまでクリプト業界と接点のなかったユーザー層の参入も多くみられるようになってきました。

このように、クリプト業界がますます盛り上がりを見せている中、仮想通貨分野においてさまざまなサービスを展開する関連企業にも注目が集まっています。

中でも「Crypto Garage(クリプトガレージ)」は、仮想通貨交換業者としてだけでなく、その他ブロックチェーン関連の決済サービスや、それに付随するプロダクトを数多く開発・提供しており、今後のクリプト業界を牽引する存在として注目を集めています。

そこで今回は、Crypto Garageについて、その概要や事業内容、特徴などを解説します。

①Crypto Garageとは?

1-1.Crypto Garageの概要と沿革

Crypto Garage
Crypto Garageとは、18年9月に設立されたブロックチェーン金融サービス事業を展開する国内企業で、インターネット関連事業を手がける東証一部上場企業「Digital Garage(デジタルガレージ)」の子会社にあたります。

Crypto Garageでは、ビットコイン(BTC)やブロックチェーン技術と金融工学を組み合わせることによって、新しい技術領域(Cryptofinance)の開拓を行っており、将来の金融商品・金融サービス・金融システムの発展に貢献することを目的として掲げています。

また、現状の既存金融市場やクリプト金融市場における課題に対して、ブロックチェーン技術や暗号技術を駆使してアプローチしていくことを命題としており、これらのテクノロジーを活かした⾼度な金融サービスおよびユースケースに関する研究開発を加速させていくとしています。

このように、Crypto Garageは金融イノベーションフロンティアを牽引する立場に立ち、世界を代表するブロックチェーン金融サービスを⽇本から発信することを目指す企業として、業界から大きな注目を集めています。

1-2.Digital Garageとは?

Crypto Garage2
前述の通り、Crypto GarageはDigital Garageのグループ会社として誕生しました。

Digital Garageは95年8月に設立された比較的歴史のある会社で、「Information Technology」、「Marketing Technology」、「Financial Technology」という3つのコアテクノロジーを駆使した決済サービスやマーケティング、投資・育成事業を展開しています。

また、Digital Garageの事業領域は下記4つのセグメントに分けられます。

  • IT(インキュベーションテクノロジー・セグメント
  • MT(マーケティングテクノロジー・セグメント)
  • FT(フィナンシャルテクノロジー・セグメント)
  • LTI(ロングタームインキュベーション・セグメント)

Digital Garageではこれらのセグメントにおいて、複数の子会社にまたがって多岐にわたるビジネスおよびサービスを展開しています。

具体的には、「価格.com」や「食べログ」といった有名プラットフォームの運営を手がけている東証1部上場の「カカクコム」や、ANAグループの決済ソリューション事業会社である「ANA Digital Gate」などがグループ会社として存在しています。

Digital Garageでは、事業コンセプトとして「異なる技術領域をコンテクストで結び、技術進化を捉え、継続的な事業成長をもたらす体制を構築」することを掲げており、日本を代表するデジタルマーケティングカンパニーとしてもその名を広く知られています。

②Crypto Garageが展開するプロジェクト

Crypto Garageでは、ブロックチェーン技術を用いた金融サービスの研究開発および商用化を行っており、その主要なプロジェクトには下記のようなものがあります。

2-1.仮想通貨交換業者

Crypto Garageでは、21年6月29日に「暗号資産交換業者(関東財務局長 第00029号)」としての登録を完了したことを受けて、21年12月27日より仮想通貨交換業者としてのサービス展開をスタートしました。

この仮想通貨交換サービスにおいては、カバー市場の効率化およびリスクの低減を目的として掲げ、日本国内の仮想通貨交換業者とカバー業者間の取引の媒介および決済ソリューションを提供するとしています。

なお、Crypto Garageではビットコイン・サイドチェーンである「Liquid Network」上で発行されているトークン「L-BTC」について、国内で最初に取り扱いを開始しています。

2-2.決済プラットフォームの構築

Crypto Garageは19年1月から日本政府の「規制のサンドボックス制度」において、決済サービスである「SETTLENET(セトルネット)」の実証実験を実施しており、20年1月の実証完了を受けてSETTLENETの商用化を実現しました。

これは、日本国内の金融分野において初となる、内閣府による規制のサンドボックス制度の認定事例ということで、大きな話題となりました。

なお、「規制のサンドボックス制度」とは、現行の規制下では実施不可能なビジネスモデルに対して、実証実験によって得られたデータをもとに規制を見直す仕組みのことを指します。

SETTLENETは、ビットコイン・ブロックチェーン関連分野において世界最高レベルの技術を有するカナダの「Blockstream社」によって開発された「Liquid Network」と呼ばれるビットコイン・サイドチェーンをベースとしており、仮想通貨OTC市場に特化した、取引所やトレーディング会社、ブローカーや資産運用会社を対象とした決済プラットフォームとなっています。

またこのほかにも、独自トークンである「SETTLENET JPY(JPYS)」の発行も行っています。

JPYSは円建てトークンであり、事業者間における仮想通貨の決済代金の支払いに利用することができるため、シームレスな法定通貨建ての決済が可能となるなど、利便性の高いサービスとなっています。

2-3.仮想通貨オプテックサービス

Crypto Garageでは上記のほかにも、下記のようなサービスを提供しています。

  • UTXO Manager
    ブロックチェーン上におけるUTXO管理やアドレス管理、Block情報の取得や操作などを容易にするSaas。
  • P2P Derivatives
    Discreet Log Contract(DLC)と呼ばれる最新テクノロジーを基盤として、P2Pデリバティブ取引を可能にするサービス。

③まとめ

Crypto Garageはその高い技術性を活かして、ユーザーがより簡単にブロックチェーン技術を利用できるようにするための数々のプロダクトを提供しています。

また、仮想通貨交換業者としてもサービスの展開を行っており、今後もさらにその規模を拡大していくと見られています。

このほかにも、21年10月には「野村ホールディングス」および親会社である「Digital Garage」を引受先とした第三者割当増資を実施しており、野村ホールディングスとは資本業務提携を締結するなど、今後の国内における仮想通貨市場発展において欠かせない存在となっているため、引き続きその動向に注目です。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12