今回HEDGE GUIDEではpafinへの単独インタビューを行い、創業のきっかけや同社の事業内容、将来のビジョンについてお話を伺いました。
インタビュー概要
- pafinってどんな会社?
- pafin(クリプタクト)を創業した経緯
- 1万4千種類以上のコインに対応、分散型取引にも顧問税理士を交えて対応
- pafinは税務関連サービスを提供する企業という誤解
- pafinの社員はこんな人!
- 日本のマーケットで目標とするpafinのゴールは?
1. pafinってどんな会社?
当社は、主に仮想通貨の確定申告用損益計算ツール「クリプタクト」を運営する、株式会社クリプタクトとして2018年1月に設立され、2022年6月の社名変更を経て現在は株式会社pafinとなっています。
創業メンバーはもともとゴールドマン・サックスでヘッジファンドの運用チームに所属していました。実際に運用を行う運用担当者2名とチームのエンジニア1名で起業することになり、その後2018年9月に1回目の資金調達を行い、開発に必要なエンジニアを積極採用することで2019年4月には社員は10名となりました。そこから徐々に増え続けて現在は22名となっています。
当社の特徴として、IT企業であること、外国人メンバーが多い多様性のある企業であることが挙げられます。社員22名中エンジニアが15名となっており、そのうち13名が外国籍となっています。もっとも多いのがフランス人でして、6名のフランス人エンジニアが活躍しています。他にも日本含めて9か国のメンバーに支えられており、社内も英語と日本語でやり取りしている毎日です。
そんな多岐にわたる国籍のメンバーですが、全員が東京のオフィスで勤務しています。手狭になったオフィスからもっと環境のいいオフィスへと、2022年6月に引っ越しをしまして、内装も渋谷のMIYASHITA PARKのグランドデザインをされたKen Masuiさんにお願いしました。Kenさんは、著名アーティストのMr. Childrenのプロデューサーもされており、音楽だけでなく都市デザインやオフィスデザインも手掛けているマルチなプロデューサーです。快適で多様性あるオフィス環境をということでデザインしてもらいました。ぜひ遊びに来てください。
2. pafin(クリプタクト)を創業した経緯
仮想通貨の損益計算ツールであるクリプタクトは、元々創業メンバーが仮想通貨の確定申告を行うために2017年に作られました。起業するにあたって、当時運用していたヘッジファンドで扱えなかった資産である仮想通貨を個人で取引、勉強していたのですが、取引から得られた所得についてどう計算し、どう確定申告するのかが仮想通貨ユーザーとして課題となりました。
そのため、自動で計算するツールを自分たちのために作成し、ちょうど2017年12月に国税庁から仮想通貨取引の計算に関するFAQが出たので、その内容に沿った形で作り上げたのがクリプタクトです。そこで2017年のクリスマスイブにクリプタクトをリリースしたところ、ちょうど2017年の仮想通貨バブルと重なったため数か月でユーザー数が2万人を超え、ヘルプしてくれるエンジニアやサポートなど仲間を緊急で探すなど四苦八苦したのが創業当時でして、そこからビジネスとして確立するために資金調達をしてメンバーを集めて組織化してきました。
個人としてスマートコントラクトやブロックチェーンの可能性に触れる中で、今後Peer-to-Peerの取引はどんどん増えていくことになるだろう、その時に分散型社会であるがゆえに例えば所得管理確定申告といったことは個人が自己責任において行う必要が出てくるため、クリプタクトのようなサービスは今後ますますニーズを高めるだろうと思い、事業として会社の中核に位置付けました。最近ではNFTやDeFiといった形で、オンチェーン取引と呼ばれるブロックチェーン上での取引がますます増えてきています。
オンチェーン上の取引をどう把握して処理するかといったことも含めてクリプタクトでは課題解決しているのですが、私たちのサービス自体も分散型社会に対応したシステムが要求されており日々創業当時のような新しいものに対応していく楽しさと難しさを実感しながら仕事しています。
3. 1万4千種類以上のコインに対応、分散型取引にも顧問税理士を交えて対応
仮想通貨は伝統的な金融資産よりも複雑です。いくつか理由はあるのですが、理由の一つとして、仮想通貨同士の交換ができたり、ハードフォークやエアドロップなど、仮想通貨特有の取引形態も多数存在していることがあげられます。
株で例えると、トヨタの株を日産の株で購入して、手数料はファーストリテイリングの株で払う、といったことが日常茶飯事に起きているイメージです。ただ、確定申告は日本円で行うことになるため、上記の取引による日本円での損益はいくらか?ということを出す必要があります。そのためには各コインの取引日時時点の価格データなども必要になってきますが、いちいち調べるのも一苦労です。クリプタクトでは2023年1月時点で1万4千種類以上のコインに対応しており、1分単位で価格データを保持することでより正確な計算を算出することができています。
またDeFiと呼ばれる分散型の取引が増えてきて、取引形態はさらに広がりを見せています。常に新しい技術や情報をキャッチアップして、顧問税理士とも相談しながら対応を進めています。
仮想通貨の取引をしたことのある方にとっては損にはならない、便利なサービスだと自負しているので、ぜひ使ってみてください。
4. pafinは税務関連サービスを提供する企業という誤解
仮想通貨の損益計算サービスを提供しているため、よく「税務関連」の会社と勘違いをされるのですが、あくまでも確定申告に必要な損益を算出するツールを提供している、the IT企業となります。創業メンバーの出自もあり、金融×IT×ブロックチェーンに精通しているメンバーが集まってくれました。この3つすべてに精通している企業というのは世の中にあまりなく、それが会社の強みになっていると思います。
有難いことに既存のサービスについて、仮想通貨の投資家界隈ではある程度認知していただいていますが、今後は損益計算サービスだけでなく、メンバーの強みを生かした関連サービスのローンチも予定しています。ぜひご期待ください。
5. pafinの社員はこんな人!
従業員第1号で現在はクリプタクトのビジネスサイドの責任者をしている本廣麻子に聞いてみました。
「会社には新しい技術や分野、スタートアップに興味を持っている人が集まってくれており、入社前からブロックチェーンや仮想通貨に詳しい必要はありません。私も前職はエンタメ業界におり、金融、IT、ブロックチェーンどれにも知見はありませんでした。友人の勧めで仮想通貨を購入したら価格が暴落したので、どちらかというとネガティブなイメージを持っていたほどです。
そんな中で今でも鮮明に覚えているのが、創業メンバーと初めて面談した際に、”今後はP2Pの取引が増える、分散型の世の中になる”といった話をされて、全くピンとこなくて共感できなかったことです(笑)。ただ、金融業界で長年経験を積んできた人たちが仮想通貨やブロックチェーンの未来に確信を持っていることや、金融業界で革新的なことが起きようとしている中、『取って代わられる側より取って代わる側になろう』という精神で会社を立ち上げたことを知り、創業メンバーにかけてみよう!と思い入社を決めたことを今でも覚えています。それが数年経ち、思い描いていた未来がすぐ近くに見えてきて、先見の明があったんだなぁと最近感心しています。
会社は先日5周年を迎えました。2022年6月のオフィス移転後はリフレッシュスペースもできたので、従業員同士のオフラインでの交流も増やしています。週に1回、スナック麻子と称して会社で飲み会を開かせてもらい、そこではたわいのない話をしたりゲームをしたりしています。日中は業務に集中しているため静かなオフィスですが、飲み会になると毎週活気がでるので、リフレッシュスペースの重要性を感じる日々です。また国際色豊かなメンバーがそろっているため、帰省した際には各国特有のお酒やおつまみを買ってきてくれて、日本にいながら色々な国の文化も楽しめるのも嬉しいです。
生まれた国も文化もバックグラウンドも全然違うメンバーですが、より良いサービスを提供したいという目標をもちながらの業務は、大変なこともありますが心地よい日々です。業界自体も会社の中も日々目まぐるしく変化していきますが、新しいものや変化を日々楽しめるという人はぜひ一度スナック麻子に遊びに来てください!」
6. 日本のマーケットで目標とするpafinのゴールは?
様々な事件を経て、仮想通貨=怪しいというイメージが強かったですが、昨今のNFTやWeb3などでイメージも変わってきていると思います。Web3の世界が広がるということは仮想通貨を保有する人が増えるということを意味しており、損益計算のサービスの需要は高まります。またご自身の資産や取引内容の見える化への需要も必ず高まると思っています。
今後訪れるWeb3の世界におけるインフラサービスとして認識してもらえるよう、社員一丸となってサービスの開発をすすめていきます。
【公式サイト】株式会社pafin
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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