独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる事業を展開する、スタートアップの株式会社ファーメンステーションは4月25日、2023年度のインパクトレポートを公開した。昨年に続き2回目の発行で、1年の事業活動を振り返り、事業活動から生まれる社会的インパクトを定性・定量的に可視化することで、さらなるインパクト創出を目指す。
同社は2009年7月の創業以来、事業性と社会性の両立を目指し、その両面でポジティブなインパクトを会社や事業規模に関係なく常に両立させ、拡大し続けることを追求している。その中で「改めてファーメンステーションらしいインパクト創出のゴールやモデルを言語化するとともに、自分たちの活動を多面的に振り返り、成果を検証する必要性を感じていた」という。
こうした思いから、地域社会、環境、カスタマー、従業員に対して多面的・包括的な利益を生む事業活動を実践する企業を認証する国際的な制度「B Corp 認証」を2022年3月に取得。また、2023年には経済産業省が選定するJ Startup Impactに選定され、日本国内のインパクト投資市場やエコシステムの拡大を目指すGSG国内諮問委員会のインパクトIPOのワーキンググループに委員として参加、「インパクト企業の資本市場における情報開示及び対話のためのガイダンス」の草案策定に関わるなど活動を広げている。
今回のレポートでは、中川淳氏(株式会社中川政七商店 代表取締役会長)とファーメンステーション代表取締役の酒井里奈氏による特別対談を掲載。また、「インパクトの取り組みと成果」として、未利用資源×アップサイクルのループ/事業活動のアウトプット/数字で見るファーメンステーション/未利用資源MAP/今後の課題/インパクトに関する年間トピックスを紹介している。

画像出典:株式会社ファーメンステーション インパクトレポート2023「未利用資源MAP」より。以下同

発行にあたり、同社は「私たちのインパクト創出の取り組みは途上で、そのインパクトの大きさも限定的。日々の活動を着実に積み上げると同時に、現時点で考えていることが『仮説』と自覚しながら、目指すゴールやアプローチの検証を常に怠らずに学び、進化することが大切」という姿勢を述べている。
現時点で定量的なKPI(重要業績評価指標)は設定していないが、2024年度に短期・中期の事業方針を踏まえた上でインパクトモデルのブラッシュアップを進め、その再考に合わせ、ゴールの定量化とKPIの設定の是非を検討する予定という。
【関連サイト】ファーメンステーション「インパクトレポート2023公開ページ」

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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