株式会社Compassは、2023年12月20日に神戸みらい学習室とともにLINEを活用した生徒と講師の学習支援マッチングシステムを構築し、教育格差に直面する子どもたちへの支援に取り組むと発表した。支援は、社会福祉法人丸紅基金の資金提供のもと行われる。
Compassは「日本からワーキングプアを無くす」というミッションを掲げ、これまでに8つの自治体向けにLINEを活用した様々な就労支援サービスを提供してきた。今回、丸紅基金の支援により神戸みらい学習室向けに生徒と講師をマッチングするアプリを開発し、経済的な理由などで塾へ通えない子どもたちに対し、無料で学習支援を行うことが可能となった。Compassが学習支援サービスを提供するのは初めて。
2017年4月に神戸市職員有志によって設立された神戸みらい学習室は、経済的困難や発達障害、不登校などで塾に通えない中学生に無料で学習支援を行ってきた。運営は現役の神戸市職員が行っており、教育や社会貢献に熱心な大学生、大学院生、教授、経験豊かな教育者たちが講師として参加している。
新しく構築されるマッチングアプリにより、神戸みらい学習室は従来の手動によるエクセルでのマッチングを改善。LINEのチャットボット機能を組み合わせた出席管理と、精緻化された自動マッチングにより、生徒と講師の最適なペアリングを実現する。講師は一人ひとりの生徒に合った指導を効率的に行うことができるようになる。将来的には、AIによる自動マッチング機能を実現し、より効率的な学習支援を目指すという。
Compass代表取締役社長の大津愛氏は「日本における貧困格差という社会課題の中で、負の連鎖を断ち切るための学習支援活動は非常に大きなものと考えております。我々は一人でも多くの子どもたちの学習環境を改善し、教育の底上げするような、大きなインパクトを出してくださることを期待しております」とコメント。神戸みらい学習室の代表・佐々木宏昌氏は「今回のプロジェクトはまさに、持続可能な開発というSDGsの理念からもスタートアップと大企業と地域団体の役割と強みを踏まえた連携事例として、他にも神戸でそういう活動をされている団体のロールモデルになれればよいと思います」と話した。
教育の機会に関する不平等は増している。厚生労働省によると2021年度の全国平均大学進学率は75.2%である一方、生活保護を受ける世帯の子どもたちの進学率はわずか39.9%にとどまっている。Compassと神戸みらい学習室は、教育格差の解消に向けて、より多くの子どもたちに教育の機会を提供するために協力していく。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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