コーワーキングスペースWeWorkの元創設者であるAdam Neumann氏が、炭素クレジットをブロックチェーン上に搭載して炭素取引を促進する気候技術スタートアップ「Flowcarbon」の資金調達ラウンドで7,000万ドル(約89億円)を集めたことが明らかとなった。
Adam Neumann氏は2010年、起業家やフリーランス向けの共有ワーキングスペースを提供するWeWorkを創立した。2017年には日本にも進出し、東京、大阪、名古屋などの主要7都市に拠点を広げている。ところが、2019年WeWorkの株式上場の申請において、多額の赤字経営や不明瞭な資産運用などが表面化し、同年9月に上場は白紙となり、Neumann氏は辞任に追い込まれた。その後、筆頭株主となったソフトバンクが、特別買収目的会社(SPAC)を活用した形で2021年10月、WeWorkは正式にニューヨーク株式市場に上場をはたしている。
同社は、CO2削減のための炭素クレジット需要が増加する一方で、市場はボランタリーカーボンマーケット(VCM)の市場インフラによってクレジット量が制御されていると指摘。Flowcarbonは、カーボンオフセットをブロックチェーン上に可視化し、バイヤー市場との直接取引を可能にするプロトコルを形成、大気中の炭素を削減・除去するプロジェクトに直接数十億ドルを提供することを目的とするという。
今回の資金調達は、3,200万ドル(約40億6,500万円)がベンチャーキャピタルa16z cryptoを通じて集まったほか、炭素担保トークンGoddess Nature Token(GNT)の発行で3,800万ドル(約48億円)を調達した。GNTトークンは、オフセット、売却、借入や貸付に利用できるほか、実際のクレジットと交換することも可能だ。
これまでに同社は、炭素プロジェクト開発者のための負債を解放するCentrifugeプロトコルとのコラボや、レイヤー1ブロックチェーンCeloにおける、Celoのカーボン・オフセットに1,000万ドル(約12億円)のGNTを提供するなど、パートナーシップを発表している。
【参照記事】Flowcarbon Raises $70M to Tokenize Carbon Credits and Build an On-chain Market
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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