ロシア、2021年からデジタル資産新法を施行へ。国営銀行によるステーブルコイン発行の可能性も

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ロシアのウラジミール・プーチン大統領が7月31日に署名した「デジタル金融資産関連法(On Digital Financial Assets:DFA)」により、2021年1月1日から明確にビットコイン(BTC)など仮想通貨(暗号資産)を決済用途で使用できなくなる。8月6日、米フォーブスが報道している。

この法案では、ロシア中央銀行の規制枠に準ずる形で、仮想通貨の発行、購入、販売、登録を容認している。これを受けロシアの最大手国営銀行スベルバンクが、ルーブル連動のステーブルコインを発行する可能性も浮上した。ロシアの新たな仮想通貨規制はデジタル資産市場を前進させるのだろうか。

ロシアはデジタル資産を、投資や法的通貨ではなく、支払手段として受け入れることができる電子データの集合体と定義し、金銭請求を含むデジタル権利であると表現した。その原理から、デジタル資産は、販売、購入、交換、および誓約することが可能であるが、企業株のように現金価値として支払いに使用することはできないと説明している。

ロシアのブロックチェーンコミュニティの多くは、新規制の確立をポジティブにとらえている。これまでマイニング、取引、トークンエコノミーに関与してきた多くの企業がグレーゾーンに置かれていた。しかし、新たな法律がデジタル資産の基礎を確立し、ブロックチェーンビジネスを急速に発展させていくと期待されている。また、ロシア国内の仮想通貨投資家も、政府によるルールの明確化が仮想通貨に良い影響を与えると期待を寄せている。

中国が急ピッチでデジタル人民元の発行を進める中、アメリカでも銀行のカストディサービス提供を容認するなど、世界経済を牽引する大国間で仮想通貨市場をめぐった競争が繰り広げられている。これに対し、ロシアは仮想通貨領域への取り組みが後手になっていることを懸念する声もある。今後の動向に注目したい。

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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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