株式会社商船三井は6月29日、サステナビリティボンドを7月に発行すると発表した。第23回、24回目の無担保社債と個人投資家向けの3件を予定している。
サステナビリティボンドは、調達資金の使途を環境改善効果のある「リーンプロジェクト」および社会的課題の解決に資する「ソーシャルプロジェクト」双方への融資または再融資に限定して発行する債券。幅広いステークホルダーに理解を深めてもらうために、機関投資家、個人投資家の双方を販売対象としたもので、事業会社が個人投資家向けにサステナビリティボンドを発行するのは国内初の事例となる。
同社は経営計画「ローリングプラン2019」で、前年の経営計画に引き続き環境・エミッションフリー事業をコア事業とすること、SDGsに向けた取り組みを推進することを掲げており、17年4月に策定した「商船三井グループ環境ビジョン2030」では、環境課題に関し同社グループがめざす姿を明確にした。「環境規制への対応や環境負荷低減に向けた取り組みをビジネスチャンス、差別化の機会と捉え、優れた環境技術の積極的採用や新技術の開発に果敢に挑戦してきた。社会と共に持続的に成長することを目指す企業として、世界的ネットワークを有する海運会社ならではの活動に積極的に取り組んでいく」としている。
第22回(発行年限4年)、第23回(発行年限6年)の無担保社債は発行額各50億円、個人向け債「商船三井ブルーオーシャンサステナビリティ債」(発行年限6年)は100億円。資金は同社が策定したグリーンおよびソーシャルプロジェクトに充当する予定で、 具体的には①フィリピン商船大学の設立②ワークプレイス改革推進③バラスト水処理装置④SOx(硫黄酸化物)スクラバー⑤LNG燃料船⑥LNG燃料供給船⑦新型PBCF⑧ウインドチャレンジャー計画の8項目。主幹事は第22回が大和証券株式会社、SMBC日興証券、23回と個人向け債が大和証券とみずほ証券株式会社。
同社はサステナビリティボンドの適格性と透明性の確保および投資家への訴求力向上のため、株式会社日本格付研究所から6月28日付で「JCRサステナビリティファイナンス評価」において最上位評価である「SU1」の予備評価を取得した。
【関連サイト】商船三井:サステナビリティボンド発行に関するお知らせ ~国内初の個人投資家向けサステナビリティボンド「商船三井ブルーオーシャンサステナビリティ債」を含む~
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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