オンチェーンのカーボンマーケットプレイスKlimaDAOが3月2日、Web3インフラストラクチャープロバイダーのProvideと提携し、IT管理サービスSAPやワークフローソリューションServiceNowなどの企業システムの顧客が利用できるカーボンオフセットサービスを開始した。
同サービスには、Provideが提供するカーボンオフセットアプリケーションECO(Enterprise Carbon Offsets)が採用されている。Provideによると、ECOはフォーチュン500がデジタルカーボンマーケットにアクセスできるWeb3プロダクトで、ECOを利用することでReFiを代表するKlimaDAOにアクセスしてカーボンオフセットに取り組むことができるとしている。
気候目標プロジェクトを推進するClimate Impact Partnersの調べによると、フォーチュン500のうち40%近くがネットゼロを目標に掲げているが、その内3分の1が、スコープ3の排出量(事業者の活動に関連する他社の排出量、下図参照)は排除しているという。しかし、このバリューチェーンを通じて発生する排出量こそがフォーチュン500の炭素排出量の80%に相当することも明らかとされている。
スコープ3の炭素排出量を正確に調査するためには、企業システムの中で消費者やサプライヤーがネットゼロなのかどうかを、効率的かつプライバシーに配慮しながら検証する必要がある。そこで、ECOでは購入したカーボンオフセットに関連する事業活動を、プライバシーを保護した形で検証できる「アトミックオフセット」を導入しているという。
ProvideのRyan Fleischmann氏は、「財務、サプライチェーン、製造、その他のビジネスプロセスの心臓部としてSAPとServiceNowに日々依存しているフォーチュン500にとって、持続可能性は重点分野である。ECOを利用することで、企業はDCM(The Digital Carbon Market:デジタルカーボンマーケット)を活用して二酸化炭素排出について画期的な行動を起こし、スコープ3の炭素報告を改善することができる」と話している。
【参照記事】Automated carbon offsetting for SAP and ServiceNow customers
【参照記事】FORTUNE GLOBAL 500 CLIMATE COMMITMENTS
【参照URL】ON SET #2 | Leveraging Digital Carbon ⚙️

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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