本仮想通貨ビジネス協会、「暗号資産の管理」に係わる意見書を公開【フィスコ・ビットコインニュース】

※ このページには広告・PRが含まれています

暗号資産(仮想通貨)ビジネスの健全な発展を目指す会員組織「日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)」は11日、「暗号資産の管理」に関する規制について、9月24日にとりまとめた意見書を公開した。同意見書は、カストディ業者その他の関係者による意見交換を進め、実態を踏まえた利用者保護と健全な市場の発展のバランスのとれた制度の整備に資することを目的として、とりまとめたものだという。

同書では、今年5月31日に公布された資金決済法の改正で、「暗号資産交換業」として「暗号資産の管理」が新たに追加された件をめぐり、意見を提示している。

改正資金決済法では、「暗号資産の管理」について「他人のために暗号資産の管理をすること」と定義づけている。これについて同協会は、『利用者から暗号資産の預託等を受けるカストディ業務について、どのような業務内容が「暗号資産の管理」に該当するかが文言上明確ではない』と指摘し、カストディ業務のうち「管理」に該当する場合とそうでない場合を例示することで、範囲の明確化を図ったとしている。

そのうえで、「他人のために暗号資産の管理をすること」とは、『(a)カストディ業者が対象となる暗号資産を利用者の意思に基づかないで自己の判断で任意の宛先に移転させることが実態として可能な状態に置くこと、(b)当該暗号資産について利用者に対する返還が約されていること及び(c)利用者の便宜のために当該暗号資産を保管することを目的とすることの三つが充足されている状態と解釈すべき』と述べている。

「暗号資産の管理」に該当すると考えられる事例としては、『利用者が事業者に暗号資産を預け入れ、事業者が利用者の署名なしに、利用者の指示に基づいて残高を他の利用者へ送金したり、残高に相当する暗号資産を利用者が指示するアドレスへ移転したりできるケース』、『2 out of 2の秘密分散を用いて、秘密鍵の分散片の1つは利用者、もう1つは事業者が保管し、署名時に事業者に分散片を集約して秘密鍵を復号するケース』などを挙げている一方、該当しないと考えられる事例としては、『利用者だけが暗号資産をコントロールできるクライアント型のウォレット』、『Lightning Network(利用者の暗号資産を事業者が自己の判断で処分できないため)』などを挙げている。

また、『今後内閣府令で規定されることを踏まえ、内閣府令及び事務ガイドラインおいて適切に実態を反映することを要望する』と伝えている。