オランダING銀行、世界初のサステナビリティ連動デリバティブを提供へ

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オランダに本社を置くING銀行は、8月13日、世界初となる「サステナビリティ連動デリバティブ」の提供を発表した。企業のサステナビリティ(持続可能性)に関するパフォーマンスに応じて、信用スプレッドが増減する仕組み。金銭的なインセンティブによって、企業のESGの取り組みを促進することを目的としている。

この「サステナビリティ連動デリバティブ」の最初の顧客企業となるのは、オランダに本拠地を置く多国籍企業のSBMオフショア社だ。同社は、海上での原油や天然ガス等の掘削を行う際に用いる石油プラットフォームの運営を主な事業としており、世界最大規模の「浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備」(FPSO) を保有・運営している。設備の導入先の地域の人々やコミュニティ、地域ビジネスと緊密な関係を築くことにも力を入れ、環境を守りながらサステナブルなビジネスを行う取り組みを進めている。

同デリバティブは、同社がFPSOを建設する際の金利変動リスクを回避するための金利スワップで、同社の取引リスク、資本要件、利益に加え、企業のサステナビリティ関連のパフォーマンスに応じて現在価値の計算が行われる。さらに、世界大手のESG評価会社Sustainalytics がSBMオフショア社のESGのパフォーマンスを評価し、そのスコアに基づいて、同デリバティブの信用スプレッド(企業の信用力に応じて付加される超過金利スプレッド)が増減する仕組みとなる。

ING銀行はこれまでにも、企業のサステナビリティに関する取り組みを促進する支援を行っており、2017年には世界で初めて「サステナビリティ連動ローン」を導入した。以来59社で同ローンを取り扱い、総額は54.7億ユーロにまでなっている。

ING銀行のサステナブル・ファイナンス・グローバル部門長であるレオニー・シュリーブ氏は、「『サステナビリティ連動デリバティブ』の導入は、顧客企業に資金調達ニーズとサステナビリティを統合してもらい、よりサステナブルな社会を目指すためのステップだ。SBMオフショア社には、私たちのサービスを信頼し、導入してくださったことに感謝している。今後、多くの企業が参画することを期待している。サステナブルなビジネスは、より良いビジネスだからだ。」と述べた。

【参照リリース】“Introducing the world’s first sustainability improvement derivative”

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曽我美穂

曽我美穂

子どもの頃から環境に関心を持ち続け、英語学校の広報を勤めるかたわらライター活動をスタートし、2008年にエコライター・エディター・翻訳家として独立。環境に関する雑誌やWebサイトでの取材(写真撮影含む)、執筆、翻訳などをおこなっている。また、2013年から英語教室の運営も行っている。私生活では2009年生まれの娘と2012年生まれの息子の二児の母でもある。現在、富山県在住。