ウェブメディア運営と企業・自治体向けサステナビリティ・サーキュラーエコノミー支援を手がけるハーチ株式会社は5月10日、公益性の高い企業に与えられる国際認証「B Corporation™」を取得したことを発表した。
ハーチ社は2015年12月の創業以来、サステナビリティ領域に関する専門性とグローバルなネットワーク、ウェブメディアの構築力を強みに、サステナブル・ビジネス、ライフスタイル、ツーリズム、サーキュラーエコノミー、英語教育、金融・投資など複数の領域で9つのメディアを開発・運営している。
メディア運営では「コンストラクティブ・ジャーナリズム(建設的ジャーナリズム)」を重視。社会が直面する課題だけではなく、解決策にも焦点を当て、情報発信を通じて個人と社会にポジティブなインパクトを生み出すことを目指してきた。さらに20年から企業・自治体向けのサステナビリティ・サーキュラーエコノミー支援事業を開始。社会をよりよくする優れたアイデアを発信するだけではなく、アイデア自体の数を増やし、さらにそれらを具現化するため、国内外の様々な企業・自治体・教育機関・非営利団体と連携し、サステナビリティ推進・サーキュラーエコノミーへの移行に取り組んでいる。
海外展開でも歩を進める。21年には欧州在住メンバーによる事業組織「Harch Europe(ハーチ欧州)」を設立。欧州企業との連携によるイベント企画や現地の取り組みに関するリサーチ・レポーティング、視察手配、メディアを通じた情報発信など、サステナビリティの文脈から欧州と日本を繋ぐための事業を本格化している。B Corp™認証は、これらの事業と連動する形で自社のサステナビリティ推進に取り組む過程で「新たなサステナビリティ経営の実現に向けたガバナンス・マネジメントツールおよびステークホルダーとのコミュニケーションツールとしての可能性」に着目し、認証取得のため活動を開始した。
同認証は、社会や公益のための事業を行っている企業に発行される国際的な民間認証制度。米国ペンシルベニア州に拠点を置く非営利団体B Lab™が06年から運営しており、独自の指標「BIAスコア」を基に認証を行っている。主な取得企業に、アウトドアブランドのpatagonia(米)、食品メーカーのダノン(仏)、靴メーカーのAllbirds(米)などがある。23年4月25日現在、世界の取得企業は6300社超だが、日本の取得企業は23社、まだ後進である。
取得は今年4月、総合評価は101.3で、企業活動の中でもコミュニティと従業員への取り組みが高評価だった。代表取締役の加藤佑氏は「認証取得を第一歩として、真に社会全体の未来に前向きな変化をもたらすことができる企業となるため、引き続きメンバー一同努力を重ねていく」とコメント。
今後の課題として①事業が生み出す環境・社会インパクトの可視化②社員およびパートナー、ステークホルダーのウェルビーイングを実現する事業・組織運営のあり方③サステナビリティ価値と経済的価値の統合を挙げ、企業「今後も『本当によい会社とは何か?』を皆様と共に問い続けながら、B Corpとしての事業活動に取り組んでいく」と意欲を語った。
【関連サイト】ハーチ株式会社

HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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