2月13日に首相官邸で開かれた「資金移動業者への規制の見直しを始めた未来投資会議」の中で、通話アプリによって送金できる金額の上限引き上げを検討していると述べたと。2月18日付で朝日新聞が報じている。
これまで、資金移動業者の送金は資金決済法により1回100万円までと上限があった。内閣官房の調査によると、銀行以外の企業が扱った送金金額は2010年度の140億円から2017年度には約1兆1千億円に急増し、資金移動業者の登録も11社から58社に増えたという結果が出ている。
こうした動きの背景には、「LINE」などの通話無料アプリ普及やフィンテック企業によるスマートフォン向け送金サービスが拡大していることが要因にある。朝日新聞によると、今後、中古車購入や不動産購入などの高額な送金ケースをを考慮に入れ、送金上限の撤廃を検討している。また、銀行や保険会社など業種別だった規制も抜本的に見直し、送金や決済などサービス分野ごとに規制する仕組みの検討も進めると報じられている。
こうした動きは仮想通貨も対象となることが想定される。国内では資金決済法によって財産的価値を認められている仮想通貨が、今回の送金上限撤廃により、本来の役割を果たしていけるのか。いまだ仮想通貨を巡る課題は多いが、仮想通貨普及のための準備が着実に進んでいる。今後の動きに引き続き注目していきたい。
【参照記事】通話アプリでの送金、上限撤廃へ 政府が検討開始
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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