金融庁が仮想通貨交換業者を規制する法律を改正資金決済法から金融商品取引法へ移行する検討に入った。7月3日、各メディアが報じている。
改正資金決済法(以下、仮想通貨法)は2017年4月に施行された法律で、仮想通貨の財産的価値を明文化し、仮想通貨交換サービスを行う企業に対して資金の分別管理の実施、マネーロンダリング防止態勢の構築などを義務付けるものであった。しかし、先のコインチェック社NEM流出事件を皮切りに国内仮想通貨取引所に対して行われた立入検査により、資金の分別管理やマネロン防止の対策などが十分に講じられていないことが明らかとなり、業務改善命令・業務停止命令が相次ぐこととなっている。また、こうした管理体制のずさんさから、仮想通貨マーケットにおける投資家保護の仕組みの不十分さが指摘されていた。
金融商品取引法は、投資家の知識に応じた金融商品の販売やインサイダー取引をはじめとする不公正取引の禁止などを規定しており、投資家保護の徹底を目的として制定された法律だ。仮想通貨が金融商品取引法の対象とされた場合、金融機関で仮想通貨の派生商品を取り扱うことが可能となり、ETF(上場投資信託)をはじめとした金融商品開発によって仮想通貨マーケットが活発化することが期待されている。
海外仮想通貨取引所による相次ぐ日本居住者向けサービスの停止やLINEが開設する仮想通貨交換所が日本を対象外とした報道を受け、仮想通貨コミュニティでは日本の仮想通貨に対する姿勢を懸念する声があがっていた。SBIやマネックス証券などの大手金融機関が本格参入を控える今、仮想通貨を金融商品として扱い投資家保護を目指す金融商品取引法の検討という報道は大きな注目を集めている。今後の動きに注目していきたい。
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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