KDDIのグループ会社で電力事業を手がける株式会社エナリスは、日本酒の製造工程で使用される再利用可能エネルギーの活用価値について注目し、エナリス独自のブロックチェーンでNFT化することで、脱炭素を推進するビジネス構築に向けての実証実験を試みる。
プレスリリースでは、日本酒作りの過程で使用された再エネデータを大和川酒造のデジタル画像と融合させたNFTアートを制作すると説明している。デジタルアートは、再エネ使用量やエネルギーの再生場所などの詳細で仕上がりが異なるため、唯一無二の作品が期待できるという。同実証実験は、日本初となる再エネに特化したデジタルアートであるだけでなく、NFT市場での評価、日本酒を購入するカスタマーへの付加価値の有効性を検証する目的がある。
この再エネデジタルアートの活用スキームとしては、再エネデータのNFTをマーケットプレイスに出品し、購入者には酒造から粗品を贈呈したり、NFTが付帯されたお酒を購入したりというものが予定されている。

エナリスは、原料調達、製造工程、廃棄やリサイクルといったサプライチェーンによる一連のカーボンフットプリントによる脱炭素化の動きがあるものの、断片的であると指摘する。再エネ利用実績を改ざんのできないNFTに落とし込み、サービスとして提供することで、消費者への環境貢献価値に対する意識改革と、新しい脱炭素ビジネスへの構築に貢献するであろうと言及している。
再エネデータのNFT化への取り組みに賛同した福島県の大和川酒造は、江戸中期から200年以上も続く老舗の酒造店で、原子力に依存せず持続可能なエネルギー供給を軸とした環境配慮プロジェクトを展開する「会津電力」も設立。酒造から排出される有機副産物の活用や再エネを利用した地域への自立貢献事業にも注力している。
【参照記事】日本初!ブロックチェーン上の“再エネ使用実績データ”をNFT化|株式会社エナリスのプレスリリース

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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