経産省、サーキュラーエコノミー事業者向けガイドライン策定へ シェアリング・リユース市場の健全化目指す

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経済産業省は8月27日、サーキュラーエコノミー(循環経済)型ビジネスを展開する事業者向けの判断基準策定に向けた「CEコマースワーキンググループ」を開催した。シェアリングやリユースなど資源の有効利用につながる新たなビジネスモデルの健全な市場整備を進め、2026年1月頃に第2回会合を開催する予定だ。

今回の取り組みは、2023年に成立した「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」に基づく資源循環強化策の一環として実施される。同法では、再生資源の利用義務化や環境配慮設計の促進に加え、CEコマース事業者の類型を新たに位置づけ、当該事業者が従うべき判断基準を設定することが明記されている。経産省によると、家電のリユース市場は2023年に約2,775億円規模まで拡大し、2018年比で約1.4倍に成長。衣料品・服飾品のリユース市場も5,913億円と、同期間で約1.7倍に拡大している。

対象製品については、環境インパクトやCEコマース市場規模、資源循環ポテンシャルの3つの観点から選定を進める。B2C中心の製品では家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機)と衣料品・靴・鞄を、B2B中心では事務用機器(複写機等)とオフィス家具を初期的な検討対象としている。取り組み指針には、製品の稼働率向上や利用期間の延長、資源循環に配慮した製品調達、安全性の確認、契約時の保証・情報提供などが含まれる予定だ。

本会合の開催に先駆けて、2025年2月から3月には関係業界団体や学識者を集めた非公開の検討会が3回開催されており、対象製品や判断基準などについても議論された。サービス形態別の取り組み指針について詳細な検討を行い、レンタル・シェアリング・サブスクリプション、中古品売買、リマニュファクチャリング・リファービッシュなど、各ビジネスモデルに応じた資源循環促進策が整理されている。日本のサーキュラーエコノミー市場は2030年に80兆円、2050年には120兆円規模に達するとの試算もあり、新たなガイドラインは市場の健全な発展と資源の有効活用を両立させる重要な基盤となることが期待される。

【参照URL】第1回 産業構造審議会 産業技術環境分科会 資源循環経済小委員会 CEコマースワーキンググループ

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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