ADIA、GLPに最大15億ドルの戦略投資 物流・デジタルインフラ事業を強化

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アブダビ投資庁(ADIA)の子会社は、世界的なビジネス開発・投資運用会社であるGLPに最大15億ドルを投資することで合意した。初回投資として5億ドルがすでに確定しており、GLPの次期成長フェーズを支援する。この戦略投資により、両社は数年にわたるファンドレベルでの協力関係をさらに深化させる。米国発のスタートアップ・ビジネスメディア Pulse 2.0が9月4日付で報じた。

今回の投資は、電子商取引の拡大、AI導入の加速、持続可能なエネルギーソリューションへの需要増大という世界的な市場変革の中で実施される。GLPは物流、デジタルインフラ、再生可能エネルギーという高成長セクターで差別化されたプラットフォーム構築を進めており、ADIAの資金はラストマイル物流、ハイパースケールデータセンター、クリーンエネルギーインフラなど需要が急増している分野での事業拡大を支援する。

初回の5億ドルは、GLPの中核事業分野における開発推進に充てられ、主要市場でのプレゼンス拡大と技術力強化に焦点を当てる。残りの資金は戦略的マイルストーンと成長機会に応じて段階的に投入される予定だ。GLPは、よりスマートなサプライチェーンの実現、グローバル経済のデジタル基盤の支援、低炭素エネルギーへの移行促進において、新興トレンドの早期特定と精密な実行で評価を確立している。

ADIAのモハメド・アル・クバイシ不動産部門エグゼクティブディレクターは「我々は長年にわたりGLPファンドへの投資を成功させてきた。今回の取引により関係を深化させ、同社の次期成長フェーズを支援し、我々の戦略に沿った新経済セクターへのエクスポージャーを拡大する」と述べた。GLPの共同創業者兼CEOのミン・メイ氏は「世界クラスの投資パートナーとのスケーラブルなパートナーシップを創出する我々の戦略に沿って、ADIAとの関係を強化できることを喜ばしく思う」とコメントした。

近年、物流施設やデータセンターなどの新経済インフラへの機関投資家の関心が高まっている。日本でも、GLPは国内最大級の物流施設デベロッパーとして事業を展開しており、2023年には日本の物流REIT市場で時価総額トップクラスの地位を維持している。今回のADIAによる大規模投資は、サステナビリティと技術革新を重視する新経済セクターへの資金流入が加速していることを示す象徴的な事例となる。

【参照記事】ADIA Investing Up To $1.5 Billion In GLP

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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