今回は、エイダ(ADA)のアップデートについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- オーケーコインジャパンとは
1-1.オーケーコインジャパンの概要
1-2.OKcoinの特徴 - ADAとは
2-1.ADAの概要
2-2.仮想通貨としてのスペック
2-3.ADAの特徴 - ADAのアップデート
3-1.Byron(バイロン)
3-2.Shelly(シェリー)
3-3.Goguen(ゴーグエン)
3-4.Basho(バショウ)
3-5.Voltaire(ボルテール) - まとめ
22年8月23日、国内の暗号資産(仮想通貨)取引所OKCoinが「エイダ(ADA)」の新規上場を計画していることを明らかにしました。ADAの現物取引に関しては9月1日の17時から「取引所」および「販売所」にて取り扱いが開始されました。
そこで今回は、新たにOKcoinに上場したADAのアップデート状況について、詳しく解説していきます。
①オーケーコインジャパンとは
1-1.オーケーコインジャパンの概要
OKCoinJapanを運営しているオーケーコイン・ジャパン株式会社は、世界190カ国に5000万人以上のユーザーを有する世界最大級の仮想通貨取引所を運営するOKGroupの日本法人です。OKcoinはグローバル企業でありながら、すでに金融庁の「暗号資産交換業者」に登録済みであるため、ユーザーは安心して利用することが可能です。
日本円および仮想通貨ともに24時間365日入出金が可能となっており、ユーザーはいつでもすぐに取引ができるなど、その利便性の高さにも定評があります。
1-2.OKcoinの特徴
①流動性の高さ
OKcoinはOK Groupが誇るグローバルの流動性を活用することによって高い流動性を維持しており、いつでもスピーディー且つストレスフリーな取引が可能となっています。
②スプレッドの狭さ
OKcoinが提供する取引所サービスでは、ユーザー同士の注文をマッチングさせるシステムを採用しているため、狭いスプレッドでの取引を実現しています。
③世界トップクラスのセキュリティ
OKcoinではユーザーから預かった仮想通貨の全てをインターネットから隔離された「コールドウォレット」で管理しているほか、OKCoinのアカウントに対するすべてのアクセスに二段階認証を要求しているなど、OK Groupで培ったノウハウをもとに世界トップクラスのセキュリティを提供しています。
②ADAとは
2-1.ADAの概要
エイダ(ADA)とは、オープンソースの分散型ブロックチェーン「カルダノ(Cardano)」で利用されるネイティブトークンです。
カルダノはイーサリアムの共同設立者の一人として知られるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏によって15年に設立されたプロジェクトで、現在は「Cardano Foundation(カルダノ財団)」および「IOHK(インプットアウトプット香港)」、「Emurgo(エマーゴ)」という三つの組織によって運営が行われています。
学術的な知見をベースとして開発されているカルダノは、科学的な設計原則およびエンジニアリングのベストプラクティスを融合させる形で、今もなお進化を続けています。
2-2.仮想通貨としてのスペック
ADAの仮想通貨としてのスペックは下記の通りです。
- ティッカーシンボル・・・「ADA」
- 現在の価格(22年8月27日現在)・・・0.4398ドル(約60.56円)
- 時価総額・・・約150.2億ドル(約2兆円)
- 時価総額ランキング・・・8位
- 循環サプライ・・・約341.5億ADA
- 発行上限・・・450億ADA
2-3.ADAの特徴
ここではADAが利用されているプラットフォーム「カルダノ(Cardano)」の特徴を紹介していきます。
①持続可能なブロックチェーン・プロトコル
カルダノではコンセンサスアルゴリズムとして「ウロボロス」と呼ばれる「プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake)」を採用しています。一定量のエイダコインを保有するノードに合意形成時のネットワーク参加者を限定しているため、消費電力の大幅な削減を実現しています。
②多岐に渡るユースケース
カルダノは多岐に渡るユースケースに対応するように構築されており、さまざまな分野での活用が広がっています。具体的には、教育や小売り、農業やガバメント、ファイナンスや健康管理など、広範囲において活用が進んでいます。
③ADAのアップデート
ADAのアップデートは大きく分けて5つの段階で行われており、現在はあと2フェーズを残すのみとなっています。
ここでは5つのアップデート段階について、解説していきます。
3-1.Byron(バイロン)
「Byron(バイロン)」は17年9月に発表されたカルダノの最初の開発段階で、ADAのメインネットのリリースおよび専用ウォレットである「ダイダロス」と「Yoroi」の提供を中心に展開が行われました。
3-2.Shelly(シェリー)
「Shelly(シェリー)」はADAネットワークの分散化に焦点を当てたアップグレードで、20年7月に実装が完了しています。
シェリーでは、ADAを用いたステーク委任が可能となり、ステーキング報酬のシステムを通してユーザーおよびステーキングプールが獲得されました。
3-3.Goguen(ゴーグエン)
「Goguen(ゴーグエン)」は21年9月に行われたアップデートで、これによってADAに「Plutus(プルータス)」と呼ばれるスマートコントラクト機能が実装されました。
プルータスの最大の特徴としては、プルータス上にて作成されたスマートコントラクトは、「オンチェーン」もしくは「オフチェーン」どちらにおいても実行できるという点が挙げられます。
また、プルータスは金融関連のスマートコントラクト専用となる開発言語を備えているため、ブロックチェーンのエキスパートでなくても「DeFi(分散型金融)」に関するアプリケーションを構築できるというメリットがあります。
3-4.Basho(バショウ)
ADAは22年8月現在、この「Basho(バショウ)」のフェーズに突入しようとしています。
バショウは「スケーリング」をテーマとしたアップデートで、カルダノネットワークの基本的なパフォーマンスを改善し、取引量の多いアプリケーションの成長と採用をより適切にサポートすることを目的としています。
なお、カルダノネットワークは二つのハードフォークを経てゴーグエンからバショウに移行する予定で、最初のハードフォークは「Vasil(バシル)」ハードフォークと呼ばれています。
このVasilハードフォークは元々22年6月29日に実装される予定となっていましたが、バグが確認されたことを受け、22年9月9日時点で9月22日の実施が発表されています。
バショウではメインのカルダノチェーンと相互運用可能なサイドチェーンの導入が計画されており、スケーラビリティおよびインターオペラビリティの大幅な向上が期待されています。
3-5.Voltaire(ボルテール)
「Voltaire(ボルテール)」はADAアップデートにおける最終フェーズとなっており、「ガバナンス」をテーマとして掲げています。
ボルテールではカルダノネットワークが自立したシステムになるため、ガバナンス機能の実装が計画されており、ADAに投票システムおよび手数料システムが導入されることによって、将来的なネットワーク開発の体制が整うということです。
なお、ADAはボルテールを完了してから、コミュニティのみで維持が可能なブロックチェーンとしてリリースされる予定となっています。
④まとめ
ADAはその利便性の高さから、さまざまな分野での活用が進んでいます。
また、現在も大型アップデートの真っ只中であり、今後残りの2フェーズを経て完全な形でリリースされる予定となっています。
全ての機能が実装された場合、そのユースケースおよび需要はさらに拡大すると見られているため、気になる方は自身で調べた上で長期投資を検討してみてはいかがでしょう。
中島 翔
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