仮想通貨(暗号資産)トレードにおいて、レバレッジを利用したスキャルピングやデイトレードなど、高い頻度でトレードする方に是非おすすめしたい方法がマイナス手数料の活用です。
端的にいえば、マイナス手数料とは手数料を得られることを意味します。マイナスの手数料を払う =マイナス × マイナス(支払う)=プラス(受け取る)と言い換えることができます。今までマイナス手数料の利点を認識されていなかった方やこれから仮想通貨トレードを始める方におすすめです。
そこで今回は、仮想通貨取引所のマイナス手数料の仕組みとトレード時の考え方について解説したいと思います。
目次
- 取引所方式における手数料の仕組み
1-1.取引所方式と販売所方式
1-2.取引所方式の手数料
1-3.Maker手数料がマイナスの理由 - マイナス手数料を利用する方法
2-1.塵も積もれば山となる手数料
2-2.マイナス手数料を得る方法 - マイナス手数料を得るためのトレード方法
3-1.指値・逆指値注文を利用するトレードのポイント - まとめ
①取引所方式における手数料の仕組み
まずは、仮想通貨取引所の取引方式とマイナス手数料が発生する仕組みについて解説します。
1-1. 取引所方式と販売所方式
仮想通貨取引所は証券会社やFX会社とは異なり、「販売所方式(以下、販売所)」と「取引所(以下、取引所)」の二つの取引形態があります。
簡単に言うと、「販売所」は仮想通貨取引所と仮想通貨の売買を行うもの。「取引所」は利用する仮想通貨取引所のユーザー同士で売買を行うもの、そして仮想通貨取引所はそれを仲介する立ち位置になります。
一般的に「販売所」と「取引所」では、取扱い仮想通貨の違いや手数料率などに違いがあります。「販売所」のほうが「取引所」よりも実質的な手数料となるスプレッドが割高となります。そのため高頻度でトレードする場合は、「取引所」を利用する方が一般的です。
「取引所」での取引通貨数は企業によってばらつきがありますが、どこの企業も「販売所」に比べて「取引所」の方が取り扱い通貨数が少ないのが現状です。
1-2. 取引所方式の手数料
それでは、取引所での手数料はどのような仕組みとなっているのでしょうか?取引所方式においては、メイカーなのかテイカーなのかによって手数料が異なります。
Maker(メイカー)は「流動性を提供する注文」の事で、「指値・逆指値注文」を取引板に並べ、反対売買を出す相手を待ちます。一方、Taker(テイカー)とは「既に板に並んでいる注文をさせる注文」です。「成行・指値注文」を使い、板に並んでいる注文を取る(テイクする)取引になります。
マイナス手数料が発生するのはMakerの場合のみです。代表的な国内仮想通貨取引所の手数料についてまとめてみました。
仮想通貨取引所 | メイカー | テイカー |
GMOコイン | -0.01% | 0.05% |
コインチェック | 無料 | 無料 |
DMM Bitcoin | 無料 | 無料 |
BITPoint | 無料 | 無料 |
bitbank | -0.02% | 0.12% |
SBI VCトレード | -0.01% | 0.05% |
Zaif | 無料 | 0.1%~0.3% |
このように、マイナス手数料を得ることのできる仮想通貨取引所はあまり多くなく、GMOコインのメイカー取引で-0.012%、ビットバンクで-0.02%となっています。
1-3. Maker手数料がマイナスの理由
では、取引をする際になぜ手数料を得ることができるのでしょうか?
ヒントはメイカー(Maker)という言葉にあります。Makerとは「相場をMakeする」役割を意味しており、相場をMakeするとはつまり取引所に「流動性を提供する」ことを指します。取引所の流動性が乏しいと、取引板(オーダーブック)に並ぶレートが飛び飛びとなります。そうなるとトレーダーにとっては希望している価格で約定しづらくなるため、取引したくない場所とみなされます。
反対に流動性が高い場合は取引が安定して行える事になります。そのため流動性を提供してくれるユーザーのインセンティブになるように、マイナス手数料を導入しているというわけです。
②マイナス手数料を利用する方法
次にマイナス手数料を利用する方法について解説します。
2-1. 塵も積もれば山となる手数料
マイナス手数料をうまく利用することで、長期的には利益を得ることが可能です。GMOコインを例にご説明します。
GMOコインの取引所におけるMaker手数料は-0.01%なので、約定代金の0.01%を手数料収入として得ることができます。計算方法はシンプルです。例えば約定代金が10万円の取引をした場合は、10万円×0.01%=10円となります。
また、購入時と売却時の両方でMaker注文を行うことで、約20円の売買手数料を得ることができます。1回の約定代金を10万円、スキャルピングでの約定回数を1日当たり5回、デイトレードを2回と仮定すると、1週間、1ヵ月、1年での手数料収入は以下の通りです。
1週間(7日) | 1ヵ月(30日) | 1年(365日) | |
スキャルピング | 700円 | 3,000円 | 36,500円 |
デイトレード | 280円 | 1,200円 | 14,600円 |
試算は計算しやすいように平均約定代金を10万円としましたが、マイナス手数料を利用するとしないでは、投資金額に対してスキャルピングでは36.5%、デイトレードでは14.6%もの差が生まれることになります。
実際には、ご自身の投資資金の量とトレード回数で計算してみることをおすすめしますが、頻繁に仮想通貨トレードをするのであれば使わない手はないと思います。
2-2. マイナス手数料を得る方法
マイナス手数料を得る方法は至ってシンプルです。以下の2つの条件だけを満たすことになります。
- Makerの手数料がマイナスとなる仮想通貨取引所で取引を行う
- 指値・逆指値注文を利用してトレードする
①に関しては、すべての仮想通貨取引所のMaker注文がマイナス手数料ではないため仮想通貨取引所を選ぶ必要があります。
また、Maker注文がマイナス手数料となっていても、スプレッドの広い取引所を使うと効果が減少してしまうため、Maker注文がマイナス手数料かつスプレッド狭い仮想通貨取引所を選択するとよいでしょう。
これらの条件を満たす仮想通貨取引所としては、以下のような取引所があります。
- GMOコイン
- bitbank
スプレッドを考慮しても、GMOコインとbitbankはどちらもおすすめできる仮想通貨取引所となります。
③マイナス手数料を得るためのトレード方法
最後にマイナス手数料を得るためのトレードの考え方について解説します。
3-1. 指値・逆指値注文を利用するトレードのポイント
マイナス手数料を得るためには、エントリー、決済共に指値・逆指値注文を利用することが絶対的なルールとなります。日ごろから成行で注文することが多い方はエントリーと決済を厳密に決める必要があります。
これは、エントリーと決済のロジックをはっきりさせるということと、資金管理をしっかりとおこなう事で可能となります。また、指値・逆指値注文を変更することも可能ですが、普段から使い慣れていない場合は、デモなどで練習してみると良いでしょう。
④まとめ
マイナス手数料を得るための方法は極めてシンプルですが、アクティブなトレーダーほどその効果は大きいと言えます。これからマイナス手数料を得ながらトレードしてみたいと考える方は、ぜひGMOコインやbitbankで口座解説してみてはいかがでしょうか?
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中島 翔

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