日本のブロックチェーンを盛り上げる企業達【シグノスファンド インタビュー】

今回HEDGE GUIDEではシグノスファンドへの単独インタビューを行い、創業のきっかけと歴史から、事業やプロジェクト、将来のビジョンについてお話を伺いました。

シグノスファンド:USD、BTC、ETH、ステーブルコイン(USDC、USDT)建てで資産を運用する暗号資産トレーディングファンド。投資家は上記の通貨から希望の通貨で投資して、それぞれの通貨建てで運用することができる。海外クリプトヘッジファンドの戦略へ分散投資する日本初の規制ファンド。日本国外在住の方にも提供。

話し手:シグノスキャピタル(Cygnos Capital)代表 三原弘之 氏

早稲田大学を卒業後、楽天株式会社にエンジニアとして入社し、楽天市場の開発業務に従事。2014年、ビットバンク株式会社へ社員第一号として参画し、執行役員COOとして国内最大級の仮想通貨取引所へ成長させる。仮想通貨のさらなる発展と普及を目的として、2020年にCygnos創業。2017年発売「マンガでわかるビットコインと仮想通貨」監修。

インタビュー概要

  1. 三原さんが感じたこれまでの日本の仮想通貨マーケットと今後
  2. シグノスファンドを立ち上げた経緯
  3. シグノスファンドの強みと仮想通貨ファンドの楽しさ
  4. シグノスファンドが仮想通貨業界で目指すべき姿
  5. 読んでいるみなさんへ一言!

1. 三原さんが感じたこれまでの日本の仮想通貨マーケットと今後

日本は先進国の中でも率先して仮想通貨の規制を導入し、2017年当時は世界でも有数のマーケットとして認識されていました。規制の効果自体は是々非々で評価すべきですが、(2023年1月9日 執筆時点)FTX事件の被害が少なかったことからも、顧客資産保護という意味では大成功したと言えるでしょう。

一方、シンガポールは、仮想通貨業界の黎明期から事業者や個人投資家を広く集めている国であり、業界の欧米企業のアジア拠点としてもシンガポールが一番選ばれている印象があります。コロナ以前は香港も人気が高く、沢山の取引所、ヘッジファンド、VCファンド、事業者、マイナーが香港を拠点に活動していましたが、現在は多くがシンガポールへと拠点を移しました。

シンガポールも仮想通貨規制を導入しており、日本の規制と共通部分もありますが、規制の思想が異なり、細部では違いもあります。個人的に、日本とシンガポールのマーケット・規制の一番の差分は、リスク許容度でしょう。これはどちらが良い悪いを論じたい訳ではなく、国民の意思や政府の方針の差です。

シンガポールはAccredited Investorと呼ばれる認定投資家については、リスクを本人が理解したのであればリテールと区分してサービスを提供できるという仕組みがあります。日本も同様に適格機関投資家等特例業務という制度がありますが、金商法の中の仕組みであり、仮想通貨に関しては別の資金決済法で区切られているので、特別に提供できるという仕組みはありません。

ざっくり1億円の金融資産、2億円の総資産、年収3千万円のいずれかを満たせばAccredited Investorとしてみなされますが、こういう基準を満たすAccredited Investorに対して、事業者が先進的な仕組みやサービスを提供することができるのは、事業者にとってもAccredited Investorにとってもメリットがあると言えます。

こういった仕組みが日本にないのは、日本在住のAccredited Investorに該当する投資家にとっては機会損失ではありますが、全員が平等として、消費者保護を第一に考えるのであれば、法律・規制の一貫性が保たれているという見方もできるでしょう。

今後ビットコインやクリプトに特化した先進的な金融サービスをグローバルに提供したいと考えているCygnosとしては、上記のこともありシンガポールの方が、事業チャンスがあると考えています。

2. シグノスファンドを立ち上げた経緯

米国ではビットコイン・クリプトはこの数年で一気に広がり、政治家や規制当局の理解度が進んでいます。実際にビットコインのマイニングが一大産業になったりと、日本では想像できないスピードで物事が進んでいます。FTX事件で規制関連、例えば、一部のアルトコインの証券性の議論等は出てくるでしょうが、個人的にはこの勢いは盤石であり、本流の部分の浸透にはさほど影響がないと踏んでいます。

その上で、日本ではまだまだしっかりと理解されてない部分や提供されない(できない)サービスも多く、ここを解決することが日本の業界発展に寄与すると考えました。海外のクリプトヘッジファンドの一部は、世界の富裕層・機関投資家・暗号資産富裕層のニーズに対応するべく、暗号資産のボラティリティや裁定機会を活かし、ファンド運営を行っています。その存在感は増す一方でありながら、日本人向けにこの様な海外のクリプトヘッジファンドへの投資機会が今まで存在しませんでした。

Cygnosは、その架け橋となることを目的とし、日本の規制や海外の規制を遵守した形で、ファンドを提供することにしました。ビットコイン建て、クリプト建てで、規制に準拠したファンドを提供することにより、日本人にそういった選択肢だけでも届けたかったのです。

3. シグノスファンドの強みと仮想通貨ファンドの楽しさ

我々の強みは、規制ファンドであることです。具体的には、年次の外部監査があり、また、第三者機関であるファンド・アドミンによって毎月投資成績のレポートが届けられます。この様に二重の牽制が入ることで、投資家保護が実現されています。仮想通貨業界では一般的でない外部監査も、規制ファンドとしてやることで、当たり前として提供されることになります。

また、新規で誕生する通貨やトークンの中から値上がりするものを選別するのは非常に難しく、価格がゼロになる可能性も考えると非常にハイリスクです。

我々はアービトラージ戦略(安く買って高く売る)をメインで行っているので、こういったボラティリティ(値動き)が激しい環境でリターンを出すことができます。新規のプロジェクトやトークンが盛り上がって値段が上がったり下がったりすれば、直接そのトークンを裸で保有するリスクをとらずとも、値動きによるリターンを享受できるので、間接的に値上がりの恩恵をうけられます。

こういった意味で、ビットコインやクリプトを直接保有はしたくない層へ、あたらしい選択肢を提供できると考えています。

4. シグノスファンドが仮想通貨業界で目指すべき姿

一言でいうと、ビットコイン・クリプト特化のプライベートバンクです。

お客様と話している中で、仮想通貨に係る諸々の課題が多く存在することに気が付きました。

例えば、仮想通貨保有者の海外移住が増えていますが、そのためのビザであったり、実際に移住した後に、どこの取引所やOTC業者を利用するか、また、取引所から直接ドルを送金すると銀行口座が閉じられたりする問題があるので、どの銀行がおすすめか等、様々な課題が常に発生しています。最近では、お子様のインター校の選択の相談も受けたりしており、そのあたりも回答したりしています。

また、ビットコイン・クリプトを担保にドルを借りる、証券を購入するといったサービスも将来的にシンガポールでライセンスを取得して提供したいです。

今後10-20年で確実に発生するであろうビットコイン・クリプトの遺産相続の問題等も重要だと考えており、コラボレイティブ・カストディといったセキュアに自分で鍵を保有する形で保有者を移管できるサービスも、今後は真剣にとりくんでいきたいですね。

5. 読んでいるみなさんへ一言!

仮想通貨の含み益を保有されていて、海外移住や海外法人設立に興味がある方は、専門家へお繋ぎしますので気軽にご連絡ください。

【公式サイト】Cygnos Capital

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12