ロシアによるウクライナ侵攻以降、両国でビットコインの取引量が急増していると一部メディアで報じられています。ロイター通信は、匿名性と分散性を備えたビットコインが個人資産の保管・移動に適しており、両国の人々がビットコインに殺到していると言います。その根拠として、2月24日にロシアの侵攻が始まるとロシアとウクライナのビットコインの取引量が3倍程に増加したことが指摘されています。
一方、ウクライナ政府が被害を受けた人々への援助を目的とした寄付を呼びかけたところ、ビットコインとイーサリアムにより約2,000万ドル以上(3月1日時点)が集まりました。これらの事象は、ビットコインを含む仮想通貨が世界的に普及していることを証明すると共に、P2Pの送金を可能とするビットコインの性質を再認識させる機会となっています。
目次
①中央管理者がいないビットコイン
ビットコイン(BTC)は、世界で初めてブロックチェーン技術を基盤にして誕生した仮想通貨です。仮想通貨は、主にインターネットを通じてデジタルデータとしてやり取りすることができるデジタル通貨(資産)を指します。ビットコインに代表される仮想通貨は、インターネットを介してその価値を電子的にやり取りすることで「価値の移転」を実現し、お金のように決済や送金・受金に利用できます。
- ◆ビットコインのDecentralized(分権的)な特性
- 国家・銀行・企業などのような中央管理者が存在しない
- 円やドルなどの法定通貨のようなお札や硬貨のような物理的な実体がない
- ネットワーク上の電子的な方法により記録されているデジタル資産
電子的にやり取りをするという点では、電子マネーやポイントシステムにも似ているといえます。しかし、ビットコインには電子マネーやポイントを運用している企業のような中央管理者がいません。それでは、ビットコインはどのようにして中央管理者がいない仕組み(非中央集権型)を実現しているのでしょう。その仕組みが、のちにブロックチェーン技術と呼ばれるようになる分散型台帳技術です。
電子マネーなど中央集権型の仕組みは、サーバーが故障したりデータベースが壊れたりすると、たちまちシステムがダウンしてしまいます。一方の非中央集権型の仕組みでは、ネットワークで繋がるすべてのノードがまったく同じ台帳を保有しているため、どこかのノードに障害が発生した場合でもその他のノードが稼働しているため、稼働中のノードのみで台帳を維持することができます。また、複数のノードが稼働しているため、システムがダウンすることがありません。
ビットコインは、こうした非中央集権型のピアツーピアネットワークにより取引を行っています。すべてのビットコイン取引はネットワーク参加者(ノード)同士が一定のルールに基づき、その取引が正しいかを互いに検証し合意を行っていく仕組み(コンセンサスアルゴリズム)を採用しています。より専門的な仕組みについては、別の記事でご覧ください。
【関連記事】:ビットコインとは?
②非合法的な使用を防ぐための取り組み
ロシアのウクライナ侵攻という状況下で、仮想通貨は善なのか?悪なのか?中立か?といった議論も再燃しています。米政府は2月28日にロシアの中央銀行との米ドル取引を禁止し、同国の外貨準備6,300億米ドル(約73兆円)を事実上凍結する制裁措置を発表しました。この前日には、国際銀行間の送金・決済システムSWIFT(世界銀行間金融通信協会)からロシアの一部銀行を排除しています。
しかし、仮想通貨がこうした対ロシア経済制裁の抜け道になりかねないと指摘する見方もあります。仮想通貨は個人間で送金し合う場合には事実上規制できないため、米国等が阻止したいと考えるロシア制裁対象に該当するエンティティによる仮想通貨の使用もまた止めることができないからです。
日本の金融庁と自主規制団体の日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は、ロシアに関して制裁リストに掲載されている個人や組織などを対象に、仮想通貨取引所の口座に紐づくトークンの送受金を停止するなどの規制を検討しています。米取引所コインベースは、対ロシア制裁について米政府に全面的に協力していく意向を示しており、3月7日にはロシアの個人や企業に関する2万5,000以上のアドレスをブロックしたことを発表しました。
ビットコインと現金の交換窓口となる仮想通貨取引所の対応は、非合法な目的での仮想通貨の使用を防ぐ上で効果的に機能します。米コインベースは「取引記録の追跡が可能で、永久的に公開されている」というブロックチェーン技術の特性を活かすことで制裁遵守の取り組みをさらに強化すると表明しています。全ての取引記録が記録され、公開されているブロックチェーン技術の特性が、経済制裁、マネーロンダリングを始めとする金融犯罪を抑制する面でも活かされています。
日本でも2022年4月を目途に、仮想通貨の送金の際に個人情報を要求する「トラベルルール」の自主規制規則の導入が進められています。これは2019年6月に公表された金融活動作業部会(FATF)の改定ガイダンスを受けてのことですが、仮想通貨の利用に対する適切な規制体制が敷かれることで、犯罪利用のリスクを抑制し、市場の健全な成長につながることが期待されています。
③ビットコインを買うのにおすすめの仮想通貨取引所
これまで投資や投機の対象として見られることが多かったビットコインですが、本来の目的である送金・決済の他、寄付での活用など、さまざまなユースケースが見られるようになってきています。仮想通貨取引所の中には、ビットコインを簡単に購入したり、ポイント投資が可能なサービスもあるので、興味のある方は以下のラインナップをご参考にしてください。
ビットコインの長期投資に便利なコインチェック
コインチェックは総合金融グループ「マネックスグループ」の子会社コインチェック株式会社が運営している仮想通貨取引所です。コインチェックの最大の特徴は、優れたUI(ユーザーインターフェイス)とUX(ユーザーエクスペリエンス)です。コインチェックのエッセンスが凝縮されたスマホアプリの累計ダウンロード数は440万件を突破しています(2021年11月時点)。
同社の販売所はオンラインショップのように直感的に操作できるよう設計されているので、初心者でも簡単にビットコイン投資を始められるでしょう。また、ユーザー同士の売買注文をマッチングする「取引所」ではビットコインを手数料無料で売買できます。いずれも最低500円と少額から始められます。コインチェックでは「Coincheckつみたて」や「貸暗号資産」などビットコインの長期投資をサポートするサービスも利用できます。
コインチェックの特徴
- ビットコイン取引所の手数料が無料
- アプリダウンロード数415万件を突破
- ビットコイン等の仮想通貨を貸し出して利用料がもらえる
- 価格変動に強いとされる積立機能が利用できる
- 電気・ガスの支払いでビットコインがもらえる
ビットコイン取引量で定評のあるビットバンク
「ビットバンク(bitbank)」はビットバンク株式会社が運営する仮想通貨取引所です。ビットバンクは初心者にとって使いやすい「販売所」だけでなく、板取引が可能な「取引所」サービスも提供しています。TradingViewやメイカー取引のマイナス手数料の採用など、トレーダーにとって有益な仕組みを提供しており、取引量は国内No.1*を誇っています(*2021年2月14日 CoinMarketCap調べ)。
取引量が大きいということは、ビットコインなどの仮想通貨を「売りたいときに売りやすく、買いたいときに買いやすい」サービスとなっています。取引画面は使いやすさを追求したデザインとなっており、初心者の方でも簡単に仮想通貨の売買ができるでしょう。
bitbankの特徴
- 国内No.1*の取引量を誇る*2021年2月14日 CoinMarketCap調べ
- メイカー手数料が-0.02%、リベートがもらえる
- 最大年率3%の「仮想通貨を貸して増やす」サービス
- スマートフォンからもストレス無くトレード可能
- 国内No.1*のセキュリティ*2018年10月3日 ICORating調べ
4種類の取引方法から選べるGMOコイン
GMOコインは、東証プライム上場のGMOインターネット株式会社のグループ会社であるGMOコイン株式会社が運営する暗号資産取引所です。FX取引高『世界第1位』※ファイナンス・マグネイト社調べ(2020年1月~2021年12月)のGMOクリック証券で培った金融サービスのノウハウや堅牢なセキュリティ、管理体制のもとで安心して暗号資産取引ができることが特徴です。
暗号資産取引サービスは取引所(現物取引)・取引所(レバレッジ取引)・販売所・暗号資産FXの4つを設けています。初心者から上級者まで幅広いユーザーが利用するGMOコインの口座数は34.1万件を越えています(GMOフィナンシャルHD、2020年12月期第4四半期決算資料より)。
GMOコインの特徴
- 金融サービスのノウハウを活かした強固なセキュリティ対策
- 取引所手数料が–0.01%〜0.05%と安い
- 長期投資向けの資産運用サービスが豊富
- 仮想通貨の出庫(送付)手数料が無料
- ウォレットアプリで4つの取引方法を利用でき、テクニカル指標も豊富
- 価格変動の厳しい仮想通貨取引に対応する「スピード注文」搭載(暗号資産FX)
ビットコインの取引手数料や出庫手数料が無料なビットポイント
ビットポイント(BITPoint)は、株式会社ビットポイントジャパンが運営する仮想通貨取引所です。初心者でも直感的に操作しやすい「販売所」で仮想通貨を売買できるほか、ユーザー同士の売買注文のマッチングを行う「取引所」ではビットコインを含む仮想通貨を売買できます。
ビットポイントでは現物取引にかかる手数料がすべて無料で利用できます。その他、日本円の即時入金や現物取引、仮想通貨の入出庫など各種サービスが手数料が無料で利用できるので、これから仮想通貨投資を始めたい方だけでなく、仮想通貨を使いたい方やトレーダーの方にもおすすめです。
BITPointの特徴
- 手数料無料でビットコインを購入できる取引所「BITPOINT PRO」
- 主要な仮想通貨だけでなく、トロンやエイダなど注目のアルトコインを積極的に取り扱う
- 日本円の出金、仮想通貨の送付手数料が無料
- 仮想通貨を貸して増やすレンディングサービス
ビットコインのトレーディングにおすすめのDMM Bitcoin
DMM Bitcoinは株式会社DMM.comのグループ会社であるDMM Bitcoinが運営する仮想通貨取引所です。DMM Bitcoinではビットコインだけでなく、多くのアルトコインでレバレッジ取引が可能です。DMM Bitcoinの取引アプリは、チャートを見ながらワンタッチ発注ができるなど充実の機能を搭載しており、2021年4月に100万ダウンロードを突破しています。
「販売所方式」はスプレッドが比較的広い点が懸念されますが、DMM Bitcoinが独自開発した「BitMatch注文」は同時間帯でのトレーダー同士の注文を仲値でマッチングすることで、これを改善します。販売所方式とオークション方式のハイブリッド注文が行え、実質的にコストカットが可能となります。
DMM Bitcoinの特徴
- 仮想通貨を証拠金に使用できる
- ビットコイン建ての仮想通貨取引も可能
- 株式などで投資経験のある利用者に馴染みのあるツールを提供
- 初心者でも利用しやすい販売所形式の仮想通貨取引所
- 販売所方式と取引所方式のメリットを兼ね備える注文方式「BitMatch注文」
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