今回は、ビットバンク(bitbank)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- ビットバンクの特徴
1-1.現物の取引所取引
1-2.Tradingviewが利用できる
1-3.取引所でマイナス手数料を導入 - ビットバンクと併用したい仮想通貨取引所
2-1.Coincheck(コインチェック)
2-2.GMOコイン
2-3.仮想通貨取引所のサービス一覧表 - まとめ
日本の仮想通貨取引所が増えており、それぞれの特色も色濃くなってきています。これから仮想通貨に投資したいと考えている投資家は、どの仮想通貨取引所を使うか検討している方も多いでしょう。ここでは様々な仮想通貨取引所の中でも、老舗の仮想通貨取引所であるビットバンク(bitbank)について使い方を解説します。
①ビットバンクの特徴
1-1. 現物の取引所取引
仮想通貨には「取引所取引」と「販売所取引」の2つがあります。現在は多くの仮想通貨取引所がありますが、取引所取引で多数の通貨を揃えている所はそれほど多くありません。そんな中、ビットバンクは2014年の設立当初から取引所取引のみでサービスを提供していました。現在はビットバンクも販売所取引を提供していますが、ユーザーから定評があるのは取引所取引です。
- ビットバンクの取扱通貨:
ビットコイン、イーサリアム、XRP、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、モナコイン、ステラルーメン、クアンタム、ベーシックアテンショントークン、オーエムジー、シンボル、チェーンリンク
仮想通貨投資に慣れているユーザーは日本の仮想通貨取引所でビットコインやイーサリアムを購入し、海外の仮想通貨取引所に送金を行い、送金したビットコインやイーサリアムを売却し、海外で提供されている仮想通貨を購入しています。
言い換えると、日本円が最終的に欲しい時には海外で購入した仮想通貨を売却して、ビットコインやイーサリアムに転換し、そこから日本の仮想通貨取引所に送金して、ビットコインやイーサリアムを売却し日本円に転換するというスキームとなっています。
これは日本で仮想通貨を取り扱っている種類が少ないことから、気になる仮想通貨は海外の仮想通貨取引所でしか購入ができないという状態となっているためです。
その中でもビットバンクは現物の取引所として知名度が高く、日本円に転換するためのゲートウェイとして利用する投資家も多いでしょう。そのため常にトレードで利用するわけではないものの、何かしら現物取引を行いたい場合や、日本円に転換しやすい取引所の口座を保有しておきたい場合にとても便利な仮想通貨取引所ということです。
ビットバンクにレバレッジ取引はありませんが、現物取引をこれだけ色々な種類の通貨で提供している仮想通貨取引所はあまりありません。そのため、口座を保有しておくととても便利と言えるでしょう。
1-2. Tradingviewが利用できる
ビットバンクでは無料でTradingviewを利用できます。Tradingviewとは、個人投資家に愛用されているトレーディングツールです。通常はある程度の機能を利用する場合は有料となっています。
しかし、ビットバンクで口座開設を行った場合、ログイン後にTradingviewは自由に利用することができます。当然ながらTradingview単体で有料を利用した場合に比べると機能が制限されてしまいますが、それでもテクニカル分析を行うにはとても使いやすいツールです。
テクニカル分析ツールで何を利用するか悩んでいる場合は、ビットバンクも開設しておいて良いでしょう。
1-3. 取引所でマイナス手数料を導入
ビットバンクの現物の取引板ではテイカー(指値)での注文方法がマイナス手数料となっており、指値で取引が成立すると手数料がユーザーに入るという仕組みとなっています。このマイナス手数料は海外の仮想通貨取引所では一般的な手数料体系の一つとして浸透していますが、日本ではビットバンクとGMOコインが導入しています。
ビットバンクの手数料は下記の通りメイカーは-0.02%となっており、テイカー(成行)は0.12%となっています。
-0.02%という手数料は小さく感じるかもしれませんが、成行の場合の手数料差は0.14%もあり、取引を複数回繰り返すと考えると大きな差となります。もしも100万円分のビットコインを購入した場合の手数料を比較すると下記のようになります。
- (テイカーの場合)100万円 × 0.0012= -1,200円
- (メイカーの場合)100万円 × 0.0002= +200円
1回の取引だけ見ても1,400円の差が生まれるということになります。そしてこれは購入時のみの手数料であり、売却時には上記と同様の手数料が発生します。つまり購入から売却まで考えると、テイカーで全て注文を行った場合とメイカーで注文を行った場合の差は2,800円の差が発生するということです。
テイカーでの取引を繰り返した場合、手数料の金額がとても大きくなることがわかるでしょう。メイカーのマイナス手数料は利用すべきポイントのため、是非上手に利用してみてください。
ビットバンクの他にもGMOコインがマイナス手数料を導入しているため、両社を検討してもらうと良いでしょう。
②ビットバンクと併用したい仮想通貨取引所
以上を踏まえると、ビットバンクは取引手数料を低く抑えながら仮想通貨を購入したいというときに利用するのに適した取引所です。マッチするユーザー層は、中長期的に仮想通貨を保有したい投資家、メインとして海外仮想通貨取引所を利用しつつ日本円に交換するために利用する投資家などになるでしょう。
ただ、より多くのアルトコインに投資したい方や、現物取引以外のサービスを利用したい方は別の仮想通貨取引所を併用することで補うことができます。それでは、ビットバンクと併用したい仮想通貨取引所をご紹介します。
2-1. Coincheck(コインチェック)
Coincheck(コインチェック)は日本では老舗中の老舗となる仮想通貨取引所です。コインチェックは17種類の仮想通貨を取り扱っており、使いやすさに定評のあるアプリのダウンロード数は国内最大級の415万件に及びます(2021年6月末時点)。
- 取扱通貨:
ビットコイン、XRP、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、XEM、イーサリアムクラシック、リスク、ファクトム、ライトコイン、モナコイン、ステラルーメン、クアンタム、ベーシックアテンショントークン、IOST、エンジンコイン
Coincheckの取引サービスは現物のみ。販売所取引と取引所取引を備えていますが、取引所取引の取り扱い仮想通貨はビットバンクほど多くはありません。その代わり、Coincheckは自動積立サービスを提供しており、中長期的に自分自身で取引を行わなくても資産運用として淡々と購入していくことができます。
Coincheckの積立サービスでの注意点は「販売所を使うため、(実質的な)手数料が発生してしまうこと」です。販売所では先ほどの取引所の手数料(±0.1%前後)とは異なり、実質的に2%以上の手数料が発生します。販売所取引は取引手数料は無料ですが、ユーザーから見た「購入価格」と「売却価格」にはある程度のスプレッド(差)が存在し、このスプレッドが実質的な手数料(仮想通貨取引所の収益部分)となります。ビットバンクの取引所でメイカー(指値)注文で購入すると手数料は‐0.02%ですが、手間を取るかコストを取るかの判断はユーザーの考え方次第です。
2-2. GMOコイン
次にビットバンクと併用したいのはGMOコインです。GMOコインはGMOインターネットグループ傘下の仮想通貨取引所です。GMOクリック証券はFXでは取引高が日本一であり、取引アプリにはとても定評がある会社です。実績のあるプラットフォームがそのままGMOコインでも利用できるため、初心者から上級者まで満足できる仕様になっています。
- 取扱通貨:
ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、XRP、ライトコイン、ネム、ステラルーメン、ベーシックアテンショントークン、オーエムジー、テゾス、クアンタム、エンジンコイン、ポルカドット、コスモス、シンボル
またGMOコインはレバレッジ取引に最適な仮想通貨取引所です。レバレッジ取引は自己資金の何倍もの資金を利用して取引が可能な取引となっており、より資産を効率的に利用してリスクを取りながら資産を増やしたいという方が利用する取引スタイルです。
また、レバレッジ取引の取り扱い通貨数も豊富で、ビットバンクを現物取引で利用しつつ、レバレッジ取引はGMOコインという使い分けもできるでしょう。
2-3. 仮想通貨取引所のサービス一覧表
※2022年1月時点の情報です。最新情報に関しては各社サイトをご覧ください。
③まとめ
ここではビットバンクの特徴を中心に使い方やメリットについてまとめてみました。ビットバンクは取引所取引では老舗の取引所であり、信頼性は高くサブ口座としても現物取引であればメインの取引所でも利用できるでしょう。仮想通貨初心者は一度口座開設を行い利用しながら自分に合った使い方を見つけてもらえると嬉しいです。
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中島 翔

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