仏ヴァレオ、5億ユーロのグリーンボンド発行 電動化技術への投資加速

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フランスの自動車部品大手ヴァレオは9月16日、2032年3月満期の5億ユーロのグリーンボンド(環境債)を発行したと発表した。調達資金は車両電動化技術をはじめとする低炭素モビリティ関連プロジェクトへの投資に充当する。同社は2050年までにサプライチェーン全体でネットゼロ達成を目指しており、今回の資金調達はその戦略の一環となる。

今回発行されたグリーンボンドは満期6.5年、クーポン(利率)4.625%で、申し込みが発行額を大きく上回る人気となった。主幹事はBNPパリバ、カイシャバンク、シティグループ、クレディ・アグリコルCIB、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソシエテ・ジェネラルが務めた。ヴァレオは2021年7月に策定し2023年9月に更新した「グリーン・サステナビリティリンク・ファイナンシング・フレームワーク」に基づき、今回の債券を発行している。

自動車業界では電動化への移行が加速しており、部品メーカーも技術開発競争が激化している。ヴァレオは電動化、運転支援システム、車内体験の革新、照明技術の4分野を成長の柱と位置づけ、2024年の売上高は215億ユーロを計上した。同社は世界28カ国に155の工場、64の研究開発センターを展開し、約10万6,100人の従業員を擁する。今回のグリーンボンド発行により、特に電動化技術への投資を加速させる構えだ。

欧州では2035年にガソリン車の新車販売が禁止される予定で、各社とも電動化対応が急務となっている。ヴァレオは2050年までに全事業活動とサプライチェーン全体でネットゼロを達成する「CAP 50計画」を推進しており、今回の資金調達もその一環だ。同社は12月18日に2026年3月満期の既存債券6億ユーロについて、期限前償還を実施する予定も併せて発表した。グリーンボンド市場は世界的に拡大しており、自動車業界でも環境対応投資のための資金調達手段として活用が進んでいる。

【参照記事Valeo announces a new green bond issue for an amount of 500 million euros with maturity March 2032

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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