9月25日、Science Based Targets initiative(SBTi)は、建築セクターにおける脱炭素目標設定の高度化を目指す「建築物相互運用性・パフォーマンスフレームワークプロジェクト」の技術パートナーを募集する提案依頼書(RFP)を公開した。
本プロジェクトは、建築セクター企業の科学的根拠に基づく目標設定を支援するもので、2026年第1四半期に開始し、同年第3四半期までの完了を予定している。総予算は20万米ドルで、ラウデス財団とSBTiの共同出資により実施される。建築セクターは世界の温室効果ガス排出量の3分の1以上を占めており、2030年までに床面積が15%増加すると予測される中、同セクターの脱炭素化は2050年ネットゼロ達成に不可欠となっている。
プロジェクトは2つの主要領域に焦点を当てる。第一に、SBTiの建築物基準と企業ネットゼロ基準V2.0との相互運用性を確保し、建築バリューチェーン全体での目標設定を促進する。第二に、建築セクターのパフォーマンスフレームワークに関する研究を実施し、環境属性証明書(EAC)の活用、非排出目標の定義、建築認証制度の脱炭素目標との整合性などを検証する。
現在、約500社の建築関連企業がSBTiの目標を設定または設定を約束しており、昨年リリースされた建築セクター基準では既に23社が1.5℃目標に沿った目標を設定している。今回のプロジェクトでは、建築物の運用時排出量と新築時の内包炭素排出量の両面から、より包括的な脱炭素化アプローチの開発が期待される。
【参照記事】SBTi seeks technical partner to advance buildings sector project

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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