米Quad-C、環境サービスのO6 Environmentalに出資 事業拡大を支援

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米中堅企業向けプライベートエクイティファンドのQuad-C Managementは、環境修復や産業清掃、液体廃棄物処理、緊急対応などの環境サービスを提供するO6 Environmentalへの出資を発表した。投資額は非公開。O6 Environmentalは電力、製造業、政府機関、エネルギーインフラ、建設業界など幅広い産業にサービスを提供しており、今回の出資により事業拡大と需要増加に対応したサービス能力の強化を図る。

O6 Environmentalのダン・ギースラーCEOは「Quad-C Managementとのパートナーシップにより次の成長段階に入ることを楽しみにしている。Quad-C Managementチームは経営陣にとって協力的で付加価値をもたらすパートナーとしての実績がある。彼らの運営ノウハウと産業・インフラサービス分野での深い経験が、我々の成長継続に役立つと確信している」とコメントした。

Quad-C Managementのトム・ヒッキー・シニアパートナーは「O6 Environmentalを産業サービスポートフォリオに迎えることを嬉しく思う。ダンと彼のチームは、優れた顧客サービス、安全性、技術力で知られる主要な環境サービスプラットフォームを構築した素晴らしい仕事をしてきた」と述べた。また、同社のマット・トロッタ・プリンシパルは「O6 Environmentalチームと協力して、地理的展開の拡大、サービス提供の幅を広げ、業界の追い風を活用することを楽しみにしている」と今後の展望を語った。

本取引では、O6 Environmental側の財務アドバイザーをハリス・ウィリアムズが、Quad-C Management側をパイパー・サンドラーがそれぞれ務めた。両社の協力により、環境サービス分野でのイノベーションと効率性の向上を推進し、コンプライアンスニーズでO6 Environmentalに依存する顧客企業に利益をもたらすことを目指している。

米国では環境規制の強化に伴い、企業の環境コンプライアンス需要が拡大している。特に製造業やエネルギー関連企業では、環境修復や廃棄物処理などの専門的なサービスへのニーズが高まっており、環境サービス市場は今後も成長が見込まれる。日本でも同様に、サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行や脱炭素化の加速により、環境関連サービスへの投資が活発化している。経済産業省の「成長志向型の資源自律経済戦略」(2023年3月策定)では、2030年のサーキュラーエコノミー関連市場規模を国内で80兆円と見込んでおり、環境サービス分野への注目度は高まっている。

今回のQuad-C Managementによる出資は、環境サービス分野への機関投資家の関心の高さを示すものであり、ESG投資の観点からも注目される動きといえる。O6 Environmentalの事業拡大は、米国における環境規制対応ニーズの増加と、持続可能な事業運営への転換という大きな潮流を反映している。

【参照記事】Quad-C Announces Investment in O6 Environmental

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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