心身や社会の良好な状態を表す概念「ウェルビーイング」は、毎日の食事と関連があるようだ。日清食品株式会社と公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団が10月18日に発表した研究調査「Recipes for Wellbeing Report」(食とウェルビーイングの関係性レポート)で、食事に満足している人は、満足していない人に比べて、ウェルビーイングを実感する可能性が「1.62倍高い」という数字が示されている。
調査は、日清食品と同財団が米国の世論調査会社ギャラップの協力で、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を世界で初めて(日清食品)調べた。日清食品グループは2022年4月に、事業や働き方の改革を主導するためウェルビーイング推進室を設立するなど、ウェルビーイングを重要な事業方針として打ち出している。「食はウェルビーイングを構成する重要な要素」という仮説を検証するため、今回の調査を実施した。
調査では「食を楽しめているか?」「自身が食べたものは健康的だったと捉えているか?」「食事の種類に幅広い選択肢があると感じているか?」について、142の国と地域の人々を対象に質問。3つの質問すべてに「はい」と答えた人の割合を「Food Wellbeing Index」として新たに定義した。
さらに、Food Wellbeing Indexと、ギャラップが行う世界規模の世論調査「GALLUP WORLD POLL」で得られた「主観的ウェルビーイング」を測定する指数「Life Evaluation Index」を掛け合わせることで、「食」と「主観的ウェルビーイング」の関係性を分析した。
3つの質問にすべて「はい」と答えた人は、1つでも「はい」以外の回答をした人に比べ、ウェルビーイングを実感する可能性が1.62倍高いことが分かり、「食とウェルビーイングの間には強い関係性があることが世界で初めて立証された。また、研究調査を行った国と地域をFood Wellbeing Indexに基づいて格付けしたところ、トップ10にはオランダ、アイスランド、ドイツ、スイス、オーストラリア、ノルウェーなど、国際的な世論調査「GALLUP WORLD POLL」で総合的な生活評価が高いとされている国々が多く含まれていた。
結果について、同社はウェルビーイングとの関係性が高いとされる「性別」「年齢」「学歴」「収入」などの要素から受ける影響を考慮しても有意と考えられる」と結論づけた。ウェルビーイングの向上につながる「食」のあり方を大学や国際機関などと連携し、探究していく。
【参照】安藤スポーツ・食文化振興財団/日清食品「Recipes for Wellbeing Report」(食とウェルビーイングの関係性レポート」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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