米国の自動車データプラットフォームDIMOは、DIMOプロトコルと統合された「Roil」ネットワークにおいて、電気自動車(EV)向けカーボンオフセットプログラムの試験運用を開始した。テスラ車オーナーを対象に、充電データを活用してカーボンオフセットクレジットを生成し、その売却益を還元する仕組み。
具体的には、DIMOのプラットフォームを通じて収集された充電データを、VERRA認証のカーボンオフセットクレジットに変換。これを炭素市場で売却し、その収益を「DIMO」トークンとして車両所有者に還元する。年間最大200ドル相当の特典が得られる見込みだ。
プログラムへの参加には、テスラ車をDIMOネットワークに接続する必要がある。新規登録者には15ドル相当のトークンが付与され、2023年以降に接続履歴のあるユーザーには遡及適用も予定されている。ただし、カリフォルニア州など一部地域の居住者や、他のオフセットプログラムに参加中のユーザーは対象外となる。
同社によると、現在は米国市場での試験運用段階だが、2025年には欧州市場への展開を計画。将来的には他のEVメーカーの車両にも対象を拡大する方針という。これまで法人向けが中心だったカーボンオフセット市場に、個人ドライバーが参加できる新たな仕組みとして注目される。
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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