ステーブルコインTUSD(TrueUSD)を発行するTrustToken(トラストトークン)のエンジニアリング責任者Rafael Cosman氏は「ステーブルコインは従来の市場でもユースケースを拡大するだろう」と言及し、将来有望とする考えを示している。
トラストトークンは、トークンを法定通貨や他の資産に裏付けされたステーブルコインを構築するプラットフォーム会社である。イーサリアムベースのdAppによって構築されたプラットフォームは、世界中で資産価値を移動することを可能にする。米ドルと1対1で連動するTUSDは、今年6月のバイナンスとの提携で、顧客は手数料なしで法定通貨に換金も可能となった。同社は他にも、英ポンド、豪ドル、カナダドル、香港ドルを発行している。
Cosman氏は、ステーブルコインはユーザーが気づかないうちにクロスボーダー決済にも利用されるなど活用が広がっているという。デジタル通貨の機関取引ツールプロバイダーTradeBlockの調査では、個人送金アプリVenmoとの比較によるステーブルコインの推移が確認できる。5大「ERC-20トークン」と言われるテザー(USDT)、USDT、Paxos、Dai、TUSDのすべてが、チェーン上のボリュームとトランザクション数と共に増加した。2019年Q2での5銘柄全体のネットワーク料金は、82万7,000ドルで、370億ドル以上の転送があったことも明らかとなっている。
ステーブルコインの価値が上がる理由として、米議会がステーブルコインを証券とみなす法案提議も挙げられる。今年10月に提出された1933年証券法(Securities Act of 1933)の元での規制法案が制定されれば、現在暗礁に乗り上げていると見られるFacebookが関わるリブラの方向性を明確にする可能性も高い。今後の展開に注目したい。
【参照記事】Stablecoins see increase in on-chain volume and transactions this year
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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