三井物産株式会社はヴェオリア・ジャパン株式会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングスと西日本にPETボトルリサイクル工場(リサイクルPET樹脂製造能力:年間約2.5万トン)の合弁事業に係る株主間契約を締結した。2020年度中に3社での最終投資意思決定の後、合弁会社を設立して22年の工場稼働を目指す。
ヴェオリアはPETボトルリサイクル事業を中核事業の一つとする世界的な環境サービス企業で、世界10拠点でPETボトルのリサイクル工場を運営している。特に低グレードな廃PETボトルは、廃プラスチック輸出入規制の強化などによって日本国内で滞留が予想され、適切な処理・使用が社会的にも要請されているが、同社はこれを扱うことが可能な高い技術力を保有している。
セブン&アイは、19年5月にグループの環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を発表している。目指す姿の一つ「循環経済社会(サーキュラー・エコノミー)」の達成に向けたプラスチック対策に取り組む中、新設のPETボトルリサイクル工場に対し店舗における廃PETを供給することができるとともに、セブンプレミアムなどのオリジナル商品の容器でリサイクルPET素材を使用することができる。
三井物産は「世界中の未来をつくる」を企業使命に、総合商社の幅広い事業資産とグローバルなネットワークを活用し、3R(リデュース・リユース・リサイクル)、廃棄物削減、シェアリング・プラットフォームなどの事業を国内外で展開してきた。サステナビリティ経営の重要課題として5つのマテリアリティを特定しており、本件を「安定供給の基盤をつくる」、「豊かな暮らしをつくる」、「環境と調和する社会をつくる」の実現に資する取り組みと位置付けている。今後は、国内外で廃プラスチック問題などの解決を通じた同様の案件を検討・推進し、サーキュラー・エコノミーの確立に貢献していく。
【参照リリース】ヴェオリア、セブン&アイとPETボトルリサイクル工場の合弁会社設立に合意
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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