イギリスの金融サービスプロバイダーGMEXが5月4日、AIとマルチブロックチェーンを駆使した炭素クレジット発行や関連する取引を可能にするカーボンエコシステム「ZERO13」の立ち上げを発表した。
炭素クレジットの取り組みは、企業や組織にとって優先的な課題として注目されているものの、不正炭素クレジットや二重カウントをはじめ、価格の透明性の欠如やレジストリのデジタル化不足、また仲介者が多すぎるなどの課題が指摘されてきた。
ZERO13は、クラウドベースのSaasシステムVerdanaプラットフォームを採用し、dMRV(デジタル測定、報告、検証)、レジストリインフラストラクチャを形成。データを炭素クレジットの標準化団体とも共有し、二重カウントを防止する。また、本発表に伴い、廃材の再生エネルギーと製品プロバイダーのAlléo Energyと農業特化の投資企業であるPay DIRTが、燃料代替と自然由来のカーボンクレジットをZERO13へ導入し、流動性の強化を図る支援を行うとしている。
TSVCM(The Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Markets:自主的炭素市場拡大タスクフォース)の調査によると、2022年の世界における炭素クレジット市場の取引額は978.56億米ドルであるところ、2028年には2兆6,800億米ドルに達すると見られておりカーボンクレジットの需要は増加の一途を辿っているという。
ZERO13とGMEXグループのCEOであるHirander Misra氏は「ZERO13は規制を遵守し、相互に接続されたグローバルな炭素エコシステムの提供と効率的な需要と供給を実現させ、市場への信頼性を高められる」とコメントした。
【参照記事】Press Release: GMEX Group launches ZERO13 digital carbon credits aggregation ecosystem

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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