ドイツ銀行は7月24日、2025年上半期の決算を発表し、税引前利益が前年同期の24億ユーロから倍増以上となる53億ユーロに達したことを明らかにした。また、サステナブルファイナンスおよびESG投資の累計額が4,170億ユーロに達するなど、サステナビリティ分野での取り組みも力強く進展している。
上半期の純利益は37億ユーロだった。この大幅な増益は、前年同期に計上したポストバンク買収関連の訴訟引当金13億ユーロがなくなったことが一因だが、その影響を除いても税引前利益は前年同期比で37%増加した。法人金融、投資銀行、個人金融、資産運用の全4事業部門で2桁の増益を達成し、不安定な環境下での事業モデルの強靭性を示した。
サステナビリティ分野では、2025年第2四半期にサステナブルファイナンスおよびESG投資(DWSを除く)で280億ユーロを積み上げ、2020年1月1日からの累計額は4,170億ユーロに達した。同四半期には、オーストラリア初となる再生可能エネルギーゾーンの送電網プロジェクトへの融資や、ドイツの再生可能エネルギー企業NeXtWindへの負債金融、スロベニア共和国初となるサステナビリティ・リンク・ボンドの発行を主導するなど、具体的な案件を推進した。
クリスチャン・ゼーヴィングCEOは、「2007年以来、第2四半期および上半期として最高の利益を達成できた。これにより2025年の目標達成に向けて順調に進んでおり、グローバル・ハウスバンクとしてさらなる成長を目指す」と述べた。好調な業績は、サステナブルファイナンスのような戦略的分野への継続的な取り組みを支える基盤となっている。
【参照記事】Deutsche Bank more than doubles first half 2025 profit before tax to € 5.3 billion

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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