オーストリアの化学大手ボレアリスは6月4日、ドイツ・バーグハウゼン工場に1億ユーロ(約170億円)以上を投資し、リサイクル可能な発泡ポリプロピレン材料の新生産ラインを建設すると発表した。同社のイノベーション拠点であるオーストリア・リンツで開発された技術を基に、自動車、消費財、建設分野での循環型経済の実現を加速する。新ラインは2026年下半期の稼働開始を予定している。
今回の投資対象となる「Daploy™」は、高溶融強度ポリプロピレン(HMS PP)を使用した革新的な発泡材料だ。軽量性と機械的強度を兼ね備えながら、単一素材構造によりリサイクル設計が可能となっている。この特性により、廃棄物削減と二酸化炭素排出量の削減を同時に実現できる。ボレアリスのステファン・ドボツキーCEOは「1万2000件以上の特許を保有するイノベーションリーダーとして、次世代の高性能リサイクル可能製品の設計に必要な材料を提供していく」とコメントした。
欧州では2024年7月18日に持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)が発効し、製品の耐久性、修理可能性、リサイクル性の促進が義務化されている。同規則は従来のエコデザイン指令を置き換え、食品や医薬品を除くほぼすべての物理的製品を対象に拡大された。日本でも2024年6月に再生プラスチックの利用計画策定義務化の動きが本格化し、プラスチックリサイクル業界への発注が急増している。
ボレアリスの「We4Customers」戦略に基づく今回の投資は、特殊ポリプロピレン分野での強みを活かした事業拡大であり、欧州における持続可能なイノベーションへの長期的なコミットメントを示している。ESPRの施行により、製品にはデジタル製品パスポート(DPP)の導入も求められており、プラスチック産業における循環型ビジネスモデルの構築が、今後ますます重要な競争要因となることが予想される。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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