ブラジルで企業の脱炭素化ソリューションを提供するAYA Earth Partners(AYAハブ)が8月16日、ブロックチェーン技術を使ったカーボンクレジット取引所「B4」をローンチしたことが分かった。
「B4」は二酸化炭素排出量をトークン化した独自のNFTを発行しているため、このNFTを取引することでカーボンオフセットが完了するという仕組み。このオフセットは自社の財務諸表に記載することが可能なため、カーボンエミッションへの取り組みを重視しているというマーケティングにも有用だとしている。しかし、継続的にNFTを購入する場合、汚染排出防止のシステムを導入しているかや持続可能なプロジェクトの支援に関与しているかといった、二酸化炭素を実際に回避する企業活動を行っているかを識見されることが特徴となっている。
日刊紙「Estadão」によれば、B4の創設者であるOdair Rodrigues氏は「カーボンクレジット市場の最大の問題はクレジットの重複である」としており、B4では取引に透明性をもって追跡・記録するシステムを構築するためにブロックチェーンによってソリューションを提供するとしている。すでに米国、カナダ、日本、フランス、サウジアラビアなどの国々の産業がB4クレジットの購入と取引に関心を示しているという。またブラジルでは、アプリ内でクレジットを販売するフードデリバリー「iFood」や配車サービス「Uber」も注目しているという。
カーボンクレジットの重複は、カーボンクレジットが複数回発行されたり取引されたりしてしまう問題で、すでに相殺された資産が悪用されることによって企業はもちろん投資家の信頼を失うことにもなる問題となっている。
BloombergNEFが調査した2022年のカーボンクレジット市場の動向によれば、低品質クレジットの購入による風評リスクへの懸念をうけ、企業が購入したオフセットはわずか1億5,500万件で、2021年から4%減少したのだという。森林破壊削減プロジェクトも2021年と比較して3分の1に減少したほか、グリーンウォッシュ(見せかけの環境保護)プロジェクト例も報告されている。
【参照記事】Primeira bolsa de créditos de carbono do mundo, B4 espera movimentar R$ 12 bi em um ano
【参照記事】Brasil lança 1ª bolsa de crédito de carbono do mundo com expectativa de movimentar R$ 12 bilhões
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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