フランスのセキュリティ企業NIGMA Conseilはオーストリア技術研究所(AIT)と仮想通貨を使った金融犯罪に対抗する共同事業をさらに推進させる目的で契約した。2月25日、共同プレスリリースで発表している。
フランスのフィンテックスタートアップNIGMA Conseilは、ブロックチェーン分析とマネーロンダリング対策(AML)機能を搭載した『e-NIGMA』プラットフォームをAITと過去数か月間に渡って共同開発してきた。
e-NIGMAは、ウォレットクラスタリングや不正なアドレスを保有するエンティティのタグ付け、取引の監視やアラート、デジタル資産を利用する企業・銀行・政府機関向けのデューデリジェンス機能などを盛り込んだ包括的なブロックチェーン・フォレンジックツールだ。
AITは国とオーストリア産業連盟が共出資して設立された欧州有数の技術革新研究所で知られ、仮想通貨の金融犯罪を是正するために闇取引の調査で2020年に欧州連合(EU)から500万ユーロ(約6億円)の交付金を受け取っている。e-NIGMAでは、仮想通貨取引のリアルタイム分析にAITのアルゴリズム「GraphSense」が用いられ、不正な取引活動の追跡に活かされる。
ドイツでは2020年1月のマネーロンダリング指令の改正(AMLD5)により銀行が仮想通貨を提供できるようになり、2月現在に40以上の銀行がデジタル資産の保管サービスを提供するために規制当局の承認を求めている。取引活動や仮想通貨を使用する企業のデューデリジェンスを支援するサービスは欧州全体で益々求められるだろう。NIGMA Conseilのファビアン・タバーリーCEOは、e-NIGMAが「仮想通貨で金融犯罪と対抗するための最も革新的なツール」と主張している。
【参照記事】French-Austrian Collaboration on Fighting Cryptocurrency-Enabled and Financial Crime
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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