FilecoinにもAPI提供を行う、RECのデジタル化に注力する「Zero Labs」とは?

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目次

  1. Zero Labsとは?
  2. Zero Labsの活動内容
  3. Zero Labsの展望と考察

Zero Labsとは?

「Zero Labs」は、企業や個人が脱炭素化を業務や日常生活に組み込むためのソリューションを開発するスタートアップ企業です。「プログラム可能な持続可能性」のビジョンのもと、企業や個人があらゆる活動にゼロカーボン製品の調達を組み込み、それを証明できるツールを提供することで、市場アクセスを変革し、ゼロカーボン製品への需要を高める活動を行っています。

気候変動危機に最も影響のある分野の1つはエネルギー分野です。温室効果ガス排出量の73%はエネルギーの生産または消費によって生じ、そのエネルギーの80%は依然として化石燃料から供給されています。この現状を改善するには、再生可能エネルギーの導入を加速させ、企業と個人の脱炭素行動を最大限に促進する必要があります。

Zero Labsのソリューションは、ゼロカーボン製品のユーザーエクスペリエンスと調達プロセスを合理化し、脱炭素化を容易にすることで、より多くの企業や家庭がこれらの市場に参入する動機付けを行っています。

そもそものZero Labsの設立は、2020年にEnergy Web、XRP Ledger Foundation、Rippleが最初の再生可能エネルギーブロックチェーンを提供し、Energy Web Zeroの開発を拡大するためにGood Energies Foundationから助成金を受け取ったことに端を発しています。2021年には、FilecoinブロックチェーンをProtocol Labsと協力して環境に優しいものにするなど、さらなる進展がありました。これらの取り組みを踏まえ、Zero Labsは再生可能エネルギー調達のための商用ソリューションを実現するための独立企業として設立されました。

参照:Zero Labs

Zero Labsの活動内容

「Zero Labs」は先述したFilecoinとの協業の他にも多くの協業を行っている他、自社でもプロダクトの構築をしています。特に注力しているのは、ブロックチェーンを活用したREC発行および追跡システムの開発です。ゼロカーボン製品の販売者が、購入者(特に中小規模の購入者)のクリーンエネルギー調達と炭素削減目標の達成をサポートします。

参照:Zero Labs

REC(再生可能エネルギー証明書)は、適格な再生可能エネルギー資源または発電所から 1 メガワット時 (MWh) の電力が生成されたことを証明する、標準化された取引可能な非有形エネルギー証明書です。RECは、消費された一定量の電力がグリーンであることを証明し、カーボンクレジットは、その活動によって排出量が削減されたり、大気からの温室効果ガス (GHG) 除去が強化されたプロジェクトを表します。よって、RECは再生可能エネルギーの導入をより強化する取り組みです。

この仕組みをAPIを通じて提供しています。例えば、Blocks gardenと呼ばれるサイトでは、Ethereumを環境に優しいものにするための共同チャレンジに参加し、進捗状況を追跡することができます。

参照:Zero Labs

他にも「Green Wizard」と呼ばれるサイトでは、誰でも簡単に、あらゆる種類の電力消費量に対して再生可能エネルギーを購入できます。

参照:Zero Labs

このように、Zero LabsはRECに注力したプロダクトを構築し、多くの企業にAPIとして提供することで再生可能エネルギーをデジタル化する取り組みを推進しています。Zero Labsはその活動内容および技術スタックを3つに分類して整理しています。「RECをデジタル化」「API提供」「緑の証明」の3つです。

Zero Labsの展望と考察

Zero Labsは、暗号通貨業界の内外を問わず、業務、ポートフォリオ、サービス、製品の脱炭素化を望むあらゆる企業を積極的にサポートし、パートナーシップを築いていく予定です。

参照:Zero Labs

ブロックチェーンを活用した基盤を構築していますが、それはあくまで二重カウントリスクや透明性のある決済や資産管理を行う、課題解決のためであり、ブロックチェーン業界に対して市場を広げていくという目的ではありません。もちろん、初期市場やパートナーシップはブロックチェーン業界が多いですが、今後はより広範なパートナーを模索していくとのことです。

ReFiだけでなくグリーン市場の拡大には、アセットをトークン化し、それを流通させ、利用を証明する役割が必要となります。Zero Labsはまさにその役割を全て賄うことができるプロジェクトですので、今後の躍進にも注目していきます。