WeatherXMとは?

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参照:WeatherXM

目次

  1. WeatherXMとは?
  2. 仕組み
  3. 展望は?

WeatherXMとは?

「WeatherXM」は、コミュニティ主導の気象ネットワークであり、気象観測所の所有者に $WXMトークンを報酬として提供し、個人、企業、研究機関に正確な気象サービスを提供します。

気象における正確なデータは生活、そして農業において必須です。先進国はこのような気象データの収集、利用、配信チャネルが整備されていることが多いですが、発展途上国では未だそのようなインフラが整備されておらず、正確な気象データを把握し続けることが困難です。

そこで、「WeatherXM」はブロックチェーンのインセンティブを利用することで、高所得国と低所得国の間の精度格差を埋めることを目指しており、安全性、経済的安定、計画性を高めるために超ローカルな気象データを提供します。

運営会社のWeatherXM AGは2022年に設立されましたが、ファウンダーのNikiforakis氏は2012年からこの問題に取り組んでいます。まずはコミュニティのメンバーが草の根レベルの天気予報を提供できるアプリを立ち上げ、その後はアテネ空港など、天気に左右される業界の企業顧客のコンサルタントとして働いていました。そして、2018年頃にクリプトに出会い、ブロックチェーンを利用したエコシステムを立ち上げました。

その仕組みを簡単に言えば、「Station」と呼ばれる機器を個人や企業が購入、設置し、その機器によって収集された気象データのデータベースを構築するというものです。

このデータを個人は無料で利用できますが、商用利用の場合は利用料が発生します。そして、機器を設置した協力者に対しては$WXMトークンが報酬として分配されます。

途上国の気象データ問題を解決するReFiプロジェクトでもありながら、いわゆるDePIN(分散型物理インフラストラクチャーネットワーク)領域のプロジェクトでもあります。

仕組み

では、その仕組みを詳細に見ていきます。

①Station

まず「Station」ですが以下の3種類が存在します。$400が2つあり、1つがWi-Fiで連携するモデル、もう1つは同じくDePINプロジェクトであるHeliumネットワークと連携するモデルです。そして、$900の最上位モデルは4Gで連携します。

参照:WeatherXM

これらのモデルを個人が購入し、設置場所や管理方法などの注意点に気をつけながら自らの土地に設置します。正常に機能すると、毎週$WXM報酬が獲得できます。

こちらはすでに設置されているStationの地域と数がマップで閲覧できるサイトです。現在アクティブなStationは6,003存在しており、主にヨーロッパとアメリカを中心に展開されています。

ちなみに平均ではありますが、現在Station購入者は月に$67の報酬を獲得しているようです。最低購入金額が$400ですのでおよそ6か月で元が取れる計算です。(※あくまで現在の価格レートと報酬の割合です)

また、必ずしも自身でStationを購入しなくても対象のエリアに絞って展開ができるRolloutという仕組みも整えています。これはGameFiにおけるスカラーシップのような仕組みで、投資家が資金を出し、デプロイヤーが実際の展開と運用を担います。そこで上がった収益を投資家とデプロイヤーで分配します。

②$WXMトークン

続いて、$WXMトークンのトケノミクスを見ていきます。$WXMトークンは総供給量1億となっており、以下のアロケーションで分配されます。

参照:$WXM Token

尚、トークンはEthereum、Arbitrum、Solanaにてリリースされているマルチチェーン対応のトークンです。

③データ利用者

最後は提供されているデータを利用する主体に関する説明です。
データの利用は商用利用を行う企業、プロジェクトと個人が存在しますが、まずは前者の企業やプロジェクトから説明します。

企業向けにはWeatherXM Proと呼ばれるプラットフォームを展開しています。このプラットフォームは現在のリアルタイムの気象データ、過去の利用データを取得できます。また、API連携で自社アプリケーションに組み込むことも可能です。

例えば、Web3事業者の場合はこのデータをAPIで連携し、オラクルを通じて自社アプリと連携することで、気象データをトリガーにしたスマートコントラクトを構築することができます。気象データに関する保険サービスや、ダイナミックNFTの実装など、自由にサービスの構築が可能になります。

個人向けにはアプリを提供しています。アプリを見れば指定の箇所の気象データをいつでも確認できます。超ローカルな箇所の今後7日間の予報にアクセスしたり、ステーションの報酬を確認したりすることもできます。

以上が提供しているサービスの概要となります。

展望は?

最後は展望になります。WeatherXMは直近でその成長速度を加速しています。2022年の設立時のSeed調達からおよそ2年が経ち、直近の5月にシリーズAで$7.7Mを調達しています。シリーズAラウンドは、Lightspeed Factionが主導し、Protocol Labs、Borderless Capital、Arca、Alumni Ventures、Placeholder VC、Red Beard Ventures、Metaplanet、GS Futures、Consensys Mesh、Westerly Ventures、dlab、Eleftherios Diakomichalis、Juan Benetなどが参加しました。

参照:RootData

WeatherXMはわずか2年で、WeatherXMは80か国以上に5,000以上のステーションを配備しました。その実績を元にした今回の資金調達を経て、CEOは以下のようにコメントしています。

「今回の資金調達で当社の成長段階が始まります。過去2年間、当社は通常のコストのほんの一部で、世界中に数千のステーションを製造し、配備する能力があることを証明してきました。今こそ10倍に成長する時です。当社は2025年末までに、従来の市場と新しいWeb3市場の両方にサービスを提供する世界最大の気象ステーションネットワークになりたいと考えています。」

気象データはこれまで需要はあるが、ローカルな地域にそのインフラを設置することが困難でした。そこにDePINという在り方で展開していくこのWeatherXMはまさにブロックチェーンによるインセンティブで社会課題を解決するReFiの非常に良い一例です。

基本的には発展途上国を中心に展開していくとしていますが、現在はヨーロッパとアメリカで多く展開されています。よって、今後はアフリカや東南アジア、中東などの地域にも広がっていくのではないかと予想しています。そうなるとまさにCEOのコメント通り、10倍の規模にすぐに成長するかもしれません。今後の展開が非常に楽しみです!