DeFi 中島 翔

バイナンスのBNBチェーンで注目のDEX「ApeSwap」と、その仮想通貨バナナ（BANANA）・ゴールデンバナナ（GNANA）とは？

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今回は、ApeSwapとバナナトークンについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏（Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12）に解説していただきました。

目次

  1. ApeSwapとは？
    1-1．ApeSwapの概要
    1-2．ApeSwapの提供サービス
  2. ApeSwapでの報酬獲得方法
    2-1．イールドファーミング
    2-2．ステーキング
    2-3．ゴールデンバナナ（GNANA）を利用
  3. ApeSwapの将来性
    3-1．新機能の追加
    3-2．コミュニティの強さ
  4. まとめ

仮想通貨市場で日々新しいプロジェクトが誕生している中、BNBチェーン（旧バイナンススマートチェーン）上で稼働している「DEX（分散型取引所）」として注目を集めているのが「ApeSwap」です。他のDEXにはないユニークな機能を持っていることから、バイナンス・エコシステムで一定のユーザーからの支持を集めています。今回は、現在注目のDEXであるApeSwapについての概要や特徴のほか、報酬の稼ぎ方まで解説していきたいと思います。

①ApeSwapとは？

最初にApeSwapとは何かについて解説します。

1-1. ApeSwapの概要

BANANA５
ApeSwapとは、BNBチェーンとポリゴン（Polygon）のクロスチェーンで「DEX（分散型取引所）」の提供を行なっています。

DEXと言えば、「UniSwap（ユニスワップ）」や「PancakeSwap（パンケーキスワップ）」などが有名ですが、ApeSwapは比較的新しいDEXです。2021年春のローンチから4か月足らずでアクティブユーザーが42.5万人を突破するなど、爆発的に成長しました。

ApeSwapは、バックグラウンドや保有財産などに関係なく、すべての人がアクセス可能で、透明性が高く強固なセキュリティを有しているDEXを提供することを目指しています。従来の中央集権的な形態ではなく、ユーザー同士が個々に取引できる分散型の金融システムの実現を目指しています。

なお、ApeSwapには「バナナ（BANANA）」と「ゴールデンバナナ（GNANA）」という2種類のトークンが存在し、それぞれ役割が異なります。

バナナ（BANANA）はApeSwapのベース通貨としての役割を担っており、ステーキングやイールドファーミングなど、さまざまな機能を兼ね備えています。また、ApeSwapが獲得した取引手数料の一部を使ってBANANAの買い戻し、バーン（焼却）が行われています。これは、バナナの市場流通量を抑えることによって、需給を引き締めようとする手法です。

ゴールデンバナナ（GNANA）についてはより多くの機能が付随するので詳細は後述します。

1-2. ApeSwapの提供サービス

ApeSwapで提供されているサービスは下記の通りです。

①スワップ機能

スワップとは日本語で交換のこと。ApeSwapでは一般的な取引所と同様、仮想通貨の交換サービスを提供しています。AMM（オートメイテッド・マーケット・メーカー）形式を採用しているApeSwapでは、ユーザー同士が取引を行うほか、価格はアルゴリズムに則して決定される仕組みとなっています。

②イールドファーミング

ApeSwapでは、流動性プールにバナナトークンを提供することで、その見返りとしてトークンを獲得できます。これは、イールドファーミングとも呼ばれます。詳細は後述します。

③ステーキング

ApeSwapはまた、バナナやゴールデンバナナを個別にロックすることで、報酬としてトークンを得ることができる「ステーキング」という仕組みも存在します。

④IAO（Initial Asset Offering）

IAOとは、新しいプロジェクトに対して資金調達を行う際の手段の1つです。ApeSwapでは、バナナおよびゴールデンバナナの保有者にIAOへ参加権を提供しています。

中でも、ゴールデンバナナを保有しているユーザーは、特別なIAO参加枠を獲得できるため、バナナを保有しているユーザーに比べて、より容易にIAOへ参加することができるようになっています。

⑤NFAコレクション（Non Fungible Apes Collection）

NFAコレクションとは、ApeSwapのNFTコレクションおよびNFTマーケットプレイス機能のことを指します。DEXがNFTコレクションやマーケットプレイスを持つことは比較的珍しく、新たなDEXの形として注目されています。

このNFAコレクションは、1,000匹のユニークな類人猿をモチーフとしており、背景や顔、口、目などといった6つの特徴からランダムに作成された、唯一無二のNFTとなっています。22年4月現在、NFAはステーキングが可能となっていますが、そのほかには特に優遇の情報などは公開されていないため、今後何らかの発表があるのではないかと噂されています。

⑥レンディング

レンディングとは、日本語で「貸仮想通貨」と訳されるもの。仮想通貨を一定期間取引所に貸し出すことで、利息を受け取ることができるシステムです。

ApeSwapでは、22年2月8日にレンディング機能が新たにローンチされました。この機能によって、ApeSwapにとって手数料収入を得られる経路が増えています。また、これまで換金されていたバナナトークンを売らずに、即時資金を借りられるようになるなどバナナトークンのユースケースは増加しています。

なお、レンディングが可能な仮想通貨は、バナナ（BANANA）、バイナンスUSD（BUSD）、テザー（USDT）、USDコイン（USDC）、ビットコイン BEP2（BTCB）、イーサリアム（ETH）、バイナンスコイン（BNB）、パンケーキスワップ（CAKE）の計8銘柄となっています。

②ApeSwapでの報酬獲得方法

次にApeSwapでの報酬獲得方法について触れていきたいと思います。

2-1.イールドファーミング

BANANA
ApeSwapでは、2種類の仮想通貨を1対1の割合で預ける「イールドファーミング」によって、バナナを獲得することが可能です。

具体的には、バナナとバイナンスコイン（BNB）のペアであればApeswapの「BANANA-BNB プール」、バナナとバイナンスUSDのペアの場合はApeswapの「BANANA-BUSD プール」に、それぞれデポジットします。預けた証明として受け取る「LPトークン」を、Apeswapの所定の箇所にロックすることでバナナを受け取れるという仕組みです。

2-2. ステーキング

BANANA2イールドファーミングでは、2種類の仮想通貨を1対1の割合で預けますが、ステーキングは1種類の仮想通貨を預け入れて報酬を獲得できる仕組みとなっています。

つまり、保有しているバナナをステーキングすることで、バナナをさらに増やすことが可能ということです。イールドファーミングほど利率は高くないですが、長期保有をしようと考えている方は、バナナのステーキングをすることをおすすめします。

2-3. ゴールデンバナナ（GNANA）を利用

BANANA３コミュニティ主導のDAO（分散型自律組織）を介して運営されており、ゴールデンバナナはApeSwapのガバナンス（統治）トークンとしてDAOにおける提案・投票に使用されます。

このゴールデンバナナは、1対1の割合でバナナとの交換が可能となっており、ゴールデンバナナを保有することでApeSwap上の手数料収入を獲得できます。さらに、独占プール、特別なIAO割り当てへのアクセスなどの特典を受け取ります。

例えば、ApeSwapで仮想通貨の購入が行われた場合、ユーザーが支払った取引手数料の2%を、自身がホルダーするゴールデンバナナの枚数に応じて獲得できるというシステムです。そのため、ゴールデンバナナをより多く保有するほど、効率よくインカムゲインを受け取れる仕組みになっています。

なお、バナナからゴールデンバナナへ戻す際には30%の交換手数料を支払う必要があります。ゴールデンバナナはステーキングにおける特典があること、利回りがバナナよりもかなり良いので、その点を天秤にかけてどちらで運用するかを判断していくことになります。

③ApeSwapの将来性

次にApeSwapの将来性について解説します。

3-1. 新機能の追加

前述の通り、ApeSwapは22年2月8日にレンディング機能をローンチしたばかりです。レンディング用のファーミングプールも設置されており、これによってバナナの流動性が高まることが期待されています。

3-2. コミュニティの強さ


ApeSwapはコミュニティが比較的強く、特にTwitterでは22年4月時点で26.1万フォロワーを誇っています。また、バイナンス・エコシステムの著名人などがApeSwapに度々言及していることもあり、今後さらに規模を拡大していくとみられています。

④まとめ

ApeSwapはNFAやゴールデンバナナといった独自のユニークなシステムを搭載しており、バイナンス・エコシステムで多くのフォロワーを取り込んでいます。

バナナはイールドファーミングやステーキングのほか、新たに発表されたレンディングなどに利用することによって報酬を獲得できるためApeSwapで自身に合った運用スタイルを探してみるといいでしょう。

ApeSwapを利用するにはまず、国内の仮想通貨取引所でイーサリアムなどの仮想通貨を購入して、ウォレットに送付する必要があります。まずはアプリが使いやすいCoincheckや出庫手数料が無料のGMOコイン等の国内仮想通貨取引所で口座開設することから始めてみましょう。

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