トルコの法定通貨リラが10日、24時間で円建て20円付近から約16円の20%近くの急激な下落を記録し、同日coinmarketcapのサイトによると、トルコの仮想通貨取引所Paribu、Koinim、BtcTurkでは、24時間のビットコイン取引高で100%以上の価格上昇を記録した。
トルコの法定通貨リラの下落は、トルコとアメリカの貿易関係悪化による一時的なものだと考えられる。実際、14日にリラ史上過去最安値をつけたが、執筆時点の15日には18円に回復している。
こうした法定通貨から仮想通貨に変える動きは、2013年のキプロスにおける金融危機の際にも見られた。のちにキプロス・ショックと呼ばれるこの金融危機は、2012年のギリシャデフォルトによって影響を受けたキプロスがEUに救済を求めたことに起因する。EUがキプロスに提示した救済内容は、キプロスにある銀行口座の預金者から支払いを求めるもので、銀行は預金者からの資金を引き出し防止のために予告なく2週間の間預金を封鎖した。
日本では、仮想通貨を価格変動の激しい資産として投資や投機として主に利用しているが、政情が不安定になった国において、仮想通貨は資産を守る目的で利用されている。いまだに仮想通貨が金融商品としての価値がないと論じられることも少なくないが、国の置かれる状況に関係なく人々に求められて資産価値をもつモノとして機能していることは注目に値する。今後、仮想通貨は人々の生活に浸透していくのか。注目していきたい。
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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