Freepoint Eco-Systems International Ltd(以下、Freepoint Eco-Systems)と独Source One GmbH(以下、Source One)は7月17日、ヨーロッパ全域で熱分解インフラの成長を支援するため、使用済みプラスチック(PCR)などの廃棄物を処理する複数の前処理施設を開発する長期的な協業契約に合意したと発表した。
この合意に基づき、Freepoint Eco-Systemsはヨーロッパの主要市場に前処理施設のネットワークを構築し、Source OneはEPC(設計・調達・建設)契約者としてこれを担う。これらの施設は、混合プラスチック廃棄物を、アドバンストリサイクルとマテリアルリサイクルの両方に適した高品質な原料へと転換する。
Source Oneが開発した独自の前処理コンセプトは、商業規模の操業ですでにその有効性が証明されている。このシステムは、混合プラスチック包装や軟包装フィルムといった複雑な廃棄物ストリームの処理に対応し、エネルギー使用量と環境への影響を削減する。これにより、品質、運用効率、そして進化する規制要件への準拠において新たな基準を打ち立てるものだ。
Freepoint Eco-Systemsの欧州リサイクリング担当最高商業責任者であるJacco de Haas氏は、「我々の原料戦略とSource Oneのクラス最高の前処理プラットフォームを組み合わせることで、熱分解技術が商業的かつ競争力のある規模で拡大するために不可欠なインフラを構築している」と述べた。この協業は、ヨーロッパにおけるアドバンストリサイクル用原料の主要サプライヤーになるという同社の広範な目標に沿うものだ。これらの施設で生産された原料は、自社の熱分解プラントに供給されるだけでなく、大陸全体の他のアップサイクル事業も支援する。
この取り組みは、グリーンディールやサーキュラーエコノミー行動計画、包装・包装廃棄物規則(PPWR)といった、プラスチック包装における再生材利用率の向上を義務付ける欧州の規制の動きと整合している。両社の協業は、プラスチックのバリューチェーンにおける主要なボトルネックに対処することで、材料回収を強化し、ヨーロッパ全域での責任あるプラスチック資源の利用を可能にすることを目指す。

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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