EUがプラスチック汚染対策を加速 国際条約交渉に向けて単一使用プラスチック規制を推進

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欧州連合(EU)の環境総局は7月30日、急増するプラスチック汚染への対策として、単一使用プラスチックの削減に向けた取り組みを強化していることを発表した。8月にスイス・ジュネーブで開催される「グローバル・プラスチック条約」の第5回政府間交渉委員会(INC-5.2)を前に、EUは効果的な国際協定の締結を目指している。

国連環境計画(UNEP)によると、世界のプラスチック生産量は年間約4億トンに達しており、現状のペースが続けば2060年までに3倍に増加すると予測されている。こうした指数関数的な生産・消費の増加は、環境と人間の健康に深刻な悪影響を及ぼしている。

EUはここ数年、プラスチック汚染対策として段階的な施策を実施してきた。2021年には、レジ袋やストロー、使い捨てカトラリーなど、最も一般的で代替可能な単一使用プラスチック製品の使用を禁止。さらに、過剰包装の削減と包装材のリサイクル性向上を目的とした新たな包装規制も導入している。また、欧州REACH規則により、特定の化粧品、洗剤、工業製品へのマイクロプラスチックの意図的な添加も制限されている。

国際的な取り組みとしては、6月にフランス・ニースで開催された国連海洋会議において、各国代表がプラスチック汚染に関する国際条約の合意の重要性を強調した。欧州ニュースの番組「The Road to Green」の最新エピソードでは、クロアチアの都市が単一使用プラスチックから脱却する取り組みが紹介されており、地域レベルでの実践例として注目を集めている。プラスチック汚染問題は、海洋生態系への影響だけでなく、マイクロプラスチックによる人体への健康リスクも懸念されており、国際的な協調による早急な対策が求められている。

【参照記事】The Road to Green 19: Can we turn off the plastic tap?

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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