環境資産のグローバルマーケットであるCarbonmarkが、タイ・バンコクを拠点とするWeb3企業Ascend Bitとパートナーシップを締結したことが明らかになった。この提携は、タイ国内で気候行動を推進し、カーボンクレジット市場を拡大することを目的としている。
Ascend Bitは、デジタル決済や金融サービスを提供する企業で、代表的なソリューションとして、東南アジアで広く利用されている電子ウォレット「TrueMoney Wallet」がある。今回の提携により、このウォレットに炭素オフセット機能が新たに搭載される予定だ。
現在、TrueMoney Walletは月間2,000万人以上のアクティブユーザーを抱え、オンライン・オフライン決済、送金、公共料金支払いといった多機能を備えている。新機能により、タイ・バートを使って再森林化、再生可能エネルギー、廃棄物管理などの検証済み環境プロジェクトに直接参加できるようになる。
これらのプロジェクトでは、70〜930kgのCO₂相当のカーボンクレジットがトークン化され、7〜90日間で償還が完了する仕組みが採用されている。また、取引履歴はユーザーアカウントにNFT証明書として保存されるため、透明性が確保されるとともに、環境への貢献が記録として残る。
さらに、このオフセット方法は従来に比べて3〜10倍のコスト効率を実現しており、ユーザーは日常生活の中で気軽に環境保護活動を行うことが可能となる。
Carbonmarkのマネージングディレクター、Andrew Bonneau氏は次のようにコメントしている。「この提携を通じて、タイ国内の数百万人が気候行動を身近に感じられるようになります。炭素クレジットの購入は、自然を直接支援し、より健康的な地球を実現するための日常的な選択を可能にします。」
この提携は、気候変動への取り組みをタイ国内に広げるとともに、地域住民にとって実用的かつ身近なソリューションとして期待されている。
【参照記事】Ascend Bit and Carbonmark Join Forces to Drive Climate Action for Millions in Thailand

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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