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DevvStreamとは?
「DevvStream」は、環境資産の開発と収益化を推進するテクノロジーベースの持続可能性企業です。特にカーボンクレジット領域に焦点を当てており、カーボンクレジットの生成や販売のマーケットプレイスの運営をしています。
気候変動による危機は盛んに議論されています。カーボンクレジットはその特効薬になるわけではありませんが、最新のIPCCCレポートで認められているように、DevvStreamは炭素市場は、最も効率的な方法で炭素排出を回避、削減、除去する行動を奨励するために資本を投入することで、迅速な脱炭素化を達成するための基本的な移行ツールであると考え、活動しています。
そのため、DevvStream は、技術ベースのソリューション (TbS) と一部の自然ベースのソリューション(NbS) に重点を置き、大規模な回避、削減、除去オフセットプロジェクトに投資しています。この一連の流れをパートナーと共に実施することで、カーボンクレジットの生成から投資(購入)、販売を一気通貫して実施します。
また、カーボンクレジットはブロックチェーン上に発行されます。このブロックチェーンはDevvStreamの親会社にあたるDevvioが開発するエンタープライズ向けのブロックチェーンで、DevvXと呼ばれるブロックチェーンです。
親会社のブロックチェーンDevvXとは?
DevvStreamの利用するブロックチェーンDevvXについて解説しますが、その前に同じような単語が並んでいるので用語を整理します。
- DevvStream:カーボンクレジットを生成、販売、投資する企業。Devvioの子会社。
- Devvio:エンタープライズ向けブロックチェーンDevvXの開発会社。
- DevvX:Devvioが開発するブロックチェーン。DevvStreamが利用する。
単語が整理されたところで、ブロックチェーンDevvXについて解説します。
DevvXは、主にエンタープライズ向けに設計されたブロックチェーンです。1秒あたり800 万件以上のトランザクション処理能力を持ち、ビットコインの30億分の1のエネルギー使用量である最も先進的で環境に優しいブロックチェーンです。
スケーリングの技術はシャーディングを活用しており、各シャードはトランザクションの処理とデータの整合性の維持を担当し、すべて独立して動作します。トランザクション量が増加した場合でも並列処理が可能となっており、大規模なスケーラビリティを持ちます。コンセンサスアルゴリズムもPoV(プルーフオブバリデーター)と呼ばれる認証されたバリデーターによるコンセンサスアルゴリズムとなっています。
独自トークンは$DEVVEであり、トークン価格はピーク時の10分の1ほどになっています。
CoinMarketCapによれば、トークンのアロケーションとベスティングスケジュール、現状のアンロックの進捗状況は以下になっています。ほとんどが投資家に配分しておりエアドロップをしていないことから、一般的な汎用ブロックチェーンというわけではなく、コンソーシアムチェーンのように稼働していることがわかります。
主なユースケースはDevvStreamで利用されているようにESG領域でカーボンクレジットの生成が挙げられていますが、ゲームでの利用事例も説明されていました。
大規模なトランザクションを裁くことができるので、ゲーム利用も想定されているようです。
展望は?
DevvStreamはカーボンクレジット領域でクレジットの生成や購入、販売を実施していると書きましたが、自身だけで売買する場合もあれば、ファンドのような形で資金を集めて運用するパターンもあります。よって、ホワイトペーパーには収支に関する展望が書かれていました。
2023年から投資が開始され、2025年には~$55.1Mほどの収益予想がされています。
このようにDevvStreamは利用しているブロックチェーンもですが、運用しているファンドも含めて、エンタープライズや投資家向けをターゲットにした事業を行っています。カーボンクレジット市場では個人向けのビジネスを提供している事業者もいますが、カーボンクレジットを投資商品として扱い、その規模を広げていくにはやはり大きな資金を投資できる事業者を対象にする必要があります。ブロックチェーンはあくまでカーボンクレジットの認証に利用しつつ、実際の事業はファンド運営やカーボンクレジットの売買で実施するという、これまでの事業と同じスキームで運営されています。このビジネスモデルは正直ブロックチェーンによる新しいインセンティブ設計によって生まれるものではありませんが、かなり堅実と言えます。
筆者としてもブロックチェーンの情報を追いかけ、特にReFiに関する情報を追いかけていますが、あくまでReFiの目的は社会課題の解決です。炭素市場であれば、カーボンクレジットが流通し、カーボンオフセットが実現することが目的で、ブロックチェーンを使うことでそれが加速したり、これまで解決し得なかった解決方法を提案できるからこそ、ツールとしてブロックチェーンを利用します。この順番を間違えてはいけません。その意味で、DevvStreamのようにエンタープライズを対象に事業を行っている企業の存在は大切ですし、その基盤としてブロックチェーンを利用していることはカーボンクレジットをブロックチェーン上で扱うことのメリットを保証してくれる存在にもなり得ます。
C向けに展開しているわけではないので普段あまり情報を見かけることはないかもしれませんが、市場全体を追いかけるためにも引き続き情報を追いかけていきたいと思います。
mitsui
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