目次
- Blockchain for Good Allianceとは?
1-1. ①Global Hackathon
1-2. ②Incubation
1-3. ③Web3 Oscar
1-4. ④BGA Web3 Key Fund - 既存の業界を巻き込んだReFiイニシアチブが立ち上がる
Blockchain for Good Allianceとは?
「Blockchain for Good Alliance(BGA)」は、2024年4月に開催された Dubai Token2049内にて設立が発表された非営利の共同イニシアチブです。ブロックチェーン技術を使用して現実世界の問題を解決し、社会の利益に貢献することを主な目的としています。
設立パートナーにBybit Web3、Solana Foundation、Aptos、Moledao、Harvard Blockchain Club、ICP.Hub UAE、American University of Sharjah(AUS)、Coineasy、Libera、Edu3Labs、Alchemy Pay、Bu Zhi DAO、XueDAOなど、ブロックチェーン分野の主要企業が参画し、その後数ヶ月で数多くのプロジェクトが参加しました。
具体的な活動内容は以下の4つとなります。
1つずつ説明していきます。
①Global Hackathon
その名の通り、ハッカソンです。すでに6カ国で40以上のハッカソンを開催しており、70以上のプロジェクトが参加しています。直近では2024年10月に開催されたETH SOFIAにてハッカソンを開催しています。
その他には、Dubai Token2049、アルゼンチン技術フォーラム、ポルカドットハッカソン、ETH深圳など、世界中のカンファレンスに合わせてハッカソンを開催しています。応募は誰でも可能ですが、SDGsの17の目標に沿った課題解決を目指すプロジェクトに限定されます。優勝者はパートナー企業による賞金やプロジェクトを発表する機会が提供されます。
②Incubation
ハッカソンは一時的なイベント形式でのプロジェクト支援ですが、インキュベーションはより長い期間でのプロジェクト支援プログラムです。専門知識、リソース、ブランディング、マーケティングを提供することで、ブロックチェーンを活用して現実世界の問題を解決するプロジェクトをサポートすることを目的としています。ハッカソンと同様に指定のテーマにおけるプロジェクト実行者が申請し、BGAプロジェクト委員会によって評価されます。その評価によってどの程度の支援が受けられるのかが決定されます。
以下、全体像になりますが、ライトインキュベーションから集中的な支援まで3段階の支援体制が存在します。中程度から集中支援にはインキュベーショングラントが配布されます。また、ハッカソンからインキュベーションに参加するフローも存在します。
ライトインキュベーションから全ての支援にあるOATキャンペーンとは、Galxeというプラットフォームを利用したキャンペーンのことで、BGAのアカウントでコラボキャンペーンを実施することで認知拡大に貢献します。
尚、プロジェクトの評価基準は公開されており、以下の項目がそれぞれの割合で重要になってくるということです。
③Web3 Oscar
映画業界の権威あるオスカー賞を参考にしたWeb3領域におけるオスカー賞です。第一回となる今回はタイのバンコクで開催されるデブコン中の2024年11月11日にイベント形式で開催されます。そこへ向けて大規模なハッカソンがセットで開催され、当日はオスカー賞の発表と表彰とハッカソン優秀プロジェクトのデモデイ、ネットワーキング、基調講演がセットで開催されます。
オスカー賞で表彰されるのは、BGAの拡大に最も貢献したアンバサダー、BGAの戦略策定に最も貢献したアドバイザー、BGAネットワーク外の個人で最も社会福祉に貢献した人物に与えられます。それぞれ、賞金とネットワークの機会や認知拡大の機会が与えられます。
また、同時期に開催されている大規模ハッカソンは、「The 17 SDGs Challenge」とされ、SDGsの17の目標に沿ったプロジェクトが参加します。9月からスタートしているこのハッカソンは11月11日に開催されるイベントで終了し、優秀プロジェクトはそこでデモデイとして発表の機会が与えられます。また、賞金総額は10万ドルです。
④BGA Web3 Key Fund
アジアブロックチェーン協会(ABA)とBlockchain for Good Alliance(BGA)が共同で立ち上げたイニシアチブであり、BGAインキュベータープログラムに参加するプロジェクトに資金的なサポートを行います。
2024年は30を超える応募者から最大10件のプロジェクトが選定され、初年度に20万ドルが支給される予定です。Fizen、EthicHub、My Lovely Planet などのプロジェクトはすでにプログラムの一部となっており、企業と暗号通貨を結び付け、小規模農家と投資家を結び付けて持続可能な農業を促進し、36 万本以上の木を植えています。2024年9月にはBybitからの250万ドルを含む500万ドルを調達しており、特にアジア地域での展開に力を入れていくとのことです。
既存の業界を巻き込んだReFiイニシアチブが立ち上がる
以上が概要とこれまでの変遷となります。プロジェクト設立自体が2024年4月ですので、まだ活動自体の歴史は浅いですが、この数ヶ月の間に多くのハッカソンとインキュベーションの仕組みを整えています。
その背景には既存の主要プレイヤーを巻き込んだイニシアチブであることが存在します。これまでのReFi領域のイニシアチブは、ReFiプロジェクトでの業界団体のようなものが多かったのですが、今回のBGAは既存業界から多くが創設パートナーに加わっています。
特にSolanaはReFiも盛り上がっていますが、HeliumやHivemapper等のDePIN領域も盛り上がってきているチェーンであり、それらの相互作用も期待して参画したとのことでした。確かにDePINも発展途上国で展開されるとシナジーを発揮するプロジェクトも数多くあります。
総じて、新興ながらかなり影響力があり、注目すべきプロジェクトだと感じました。また、ReFiでプロジェクトをやるのであれば、BGAのハッカソンやインキュベーションにまずは申し込みを行うことが今後の1つのルートとなりそうだと感じました。
以上、「Blockchain for Good Alliance(BGA)」のリサーチでした!
mitsui
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