英国、廃棄物規制改革で違法投棄対策を強化 運搬業者の許可制度を刷新

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英国環境・食料・農村地域省(Defra)は、廃棄物の運搬・管理に関わる事業者向けの規制改革を発表した。違法な廃棄物処理による年間約10億ポンドの経済損失への対策として、現行の登録制度を許可制に移行し、取り締まり権限を大幅に強化する。廃棄物管理や循環経済に関する政策ニュースを扱うCircular Onlineが8月27日付で報じた。

改革の柱は、廃棄物関連事業者の分類と許可制度の刷新だ。従来の「廃棄物運搬業者・仲介業者・取引業者(CBD)」という区分を廃止し、新たに「廃棄物管理者」と「廃棄物運搬者」の2カテゴリーに再編する。既存の登録制度は「標準規則」に基づく環境許可制または登録免除制に置き換えられ、①廃棄物管理者のみ②廃棄物運搬者のみ③管理者・運搬者兼業の3種類の許可証が導入される。

新制度では、許可申請段階での審査強化、違反監視活動への資金確保、規制当局の執行権限拡大などを通じて、高リスク事業者への的確な対応が可能になる。現行制度では事業規模や取り扱う廃棄物の種類・量によるリスク区分がなく、環境庁が登録を拒否・取り消しできる条件も限定的だったが、新制度ではこれらの課題を解決する。

さらに、許可保有者と事業内の指名者に対する技術的能力の証明を義務化する。デジタル廃棄物追跡サービスの導入と合わせて、規制遵守の向上と業界の健全化を図る。英国政府は最近、違法廃棄物に使用された車両を地方自治体が押収・破壊できる権限も新設しており、今回の改革はその取り組みを補完するものだ。

廃棄物管理大手レコノミー・コネクトのデビッド・ガジョン対外担当責任者は「廃棄物犯罪による年間10億ポンドの経済損失を考えれば、地域社会に深刻な環境・経済被害をもたらす悪質業者を取り締まる強力な権限は不可欠だ」とコメントした。英国では廃棄物の不法投棄や違法処理が深刻な社会問題となっており、今回の規制強化により適正な廃棄物処理体制の構築が期待される。

【参照記事】Defra to reform waste carriers, broker and dealers regulations

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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